まとぅん

イニシェリン島の精霊のまとぅんのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.8
【やD神3】
久々にやって参りました。Disney+の配信の早さをポジティブに捉えたコチラの企画。
今回はアカデミー賞ノミネートでも話題になった作品の一つで、劇場スルーしましたが、ずっと気になってはいました。
愛しのバリー・コーガン君は今作でも不気味な役所で輝いてました😌

大自然に囲まれ、閉塞的な島を舞台に、よく分からない展開が進むのは『LAMB』のようで、『ザ・メニュー』とも重なる。それらの作品が好きな人にはハマりやすいでしょう。嫌いな人はとことん合わないと思う😅


○マーティン・マクドナー監督作品。
主人公パードリックをコリン・ファレル、友人コルムをブレンダン・グリーソンが演じる。バリー・コーガン、ケリー・コンドンらが共演。


ー1923年、アイルランドの小さな孤島イニシェリン島。住民全員が顔見知りのこの島で暮らすパードリックは、長年の友人コルムから絶縁を言い渡されてしまう。理由もわからないまま、妹や風変わりな隣人の力を借りて事態を解決しようとするが、コルムは頑なに彼を拒絶。ついには、これ以上関わろうとするなら自分の指を切り落とすと宣言し...


↓ネタバレ含みます❗️



○昨日まで仲が良いと思っていた人から絶交を言い渡される。大人が突然喧嘩する。
そんな醜さや争いの幼稚さ、滑稽さを感じる。
コルムはパードリックに、話しかけたら指を切り落とすと伝える始末。
そんな彼らの島の真向かいでも、内戦が勃発していることで、2人の諍いはメタファーとなっているんだろう。

同じコミュニティの人間が価値観の違いから分裂していき、何かが犠牲になっていく。

音楽に憧れたコルムは片手の指を全て無くし、パードリックは妹が離島、飼っていたロバも失ってしまう。
バリー・コーガン演じたドミニクは孤独な男で、虐待を受け、友達も恋人もできず、とうまくいかない日々を過ごす。島で唯一取り合ってくれたパードリックも豹変し、再び孤独となった彼は事故死。
一つの争いが周りに波及し、本当に何も生まないやるせなさに包まれる。


○「優しさは永遠ではない」
絵画や音楽といった芸術は、何年のときを経ても形として残るが、人の優しさは50年もすれば忘れてしまう。
コルムは音楽家として名を残すためにパードリックと絶縁したものの、指を切り落としてしまう行動は理解不能。この窮屈な島での無益な生活が彼の精神をズタボロにしてしまったのか...
他にも、仲違いしている割に殴られたパードリックをコルムが手を差し伸べたり、
パードリックがコルムの犬の面倒を見たりと「なんで?」となる点もいくつかで、わざと複雑にしているのかな?


○〆
"アイルランドの紛争"というと『ベルファスト』もそうだ🤔あれは1960年代の紛争で、今作では1920年代の紛争。
パードリックの「どうせ再び始まる」は言い得ている。2人の関係性はそれ以後も修復することが無いのでしょう。

人の死を予告するアイルランドの精霊が元らしく、途中途中出てくるお婆ちゃん🧙🏻‍♀️は、おそらく精霊。

役者陣最高でした👌👌
(特に大きな盛り上がりが無いので途中眠くなってしまったけど💤)
まとぅん

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