kazマックスグローバーレッド

イニシェリン島の精霊のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.5
1923年、アイルランド本土では何やらお国が紛争中、イニシェリン島ではオッサン2人が紛争中。小っちゃい島の狭い界隈で限られた人間との逃げ場のない人付き合い、そんな島民の話題といえば人様のゴシップ。

コルムもパードリックも面倒くさい性格してるなぁと思いながらも双方共感できるところもあった。

自分も、それほど気が合うわけでもなく昔からの付き合いで社会人になっても何となく付き合ってきた高校の同級生らが面倒くさくなって、数年前にこっちから付き合いを断ったことがあるんでコル厶の気持ちが分からんでもないです。
所詮、地元の小さいコミュニティの限られた人間のなかで特に共通の趣味がある訳でもなくティーンエイジャー成長過程で築いた薄っぺらい人間関係だったことをこの歳になってようやく気づいてしまった。
そんな高校の同級生の中でも唯一1人だけ、この映画に出てくるドミニクみたいな奴とは今も友達関係継続してるんでパードリックにも共感できるんよね。
でも結局のところ一番共感できたのは人間関係リセットして島を出ていった妹のシボーンだったかな(自分も数年前に人間関係リセットして新たな土地に引っ越してきたもんで)。
『イニシェリン島の精霊』、他人事ではない内容で身につまされるお話でした。

俳優陣では、コリン・ファレルとバリー・コーガンのツーショットをみて「鹿殺しのペンギンとジョーカーやん」って思っちゃった。