評判には聞いていたが、いやはや熱い作品だった。
ジャズを愛して信じている仙台から上京してきた宮本大は、アルバイトをしながら毎晩河原でテナーサックスの練習をしていた。何とか東京でジャズを演奏するのにきっかけを作りたいと思っていた大は、あるジャズクラブでピアノプレイヤーの沢辺と知り合いバンドを組む事となる….。
本作の魅力的な点は、通常のシーンにおけるアニメーション描写に対して演奏中のそれは全く異なるクリエイティブなものである事だ。色彩や人物の動き、楽器の描写など目を見張るものがあった。そして曲と演奏。これは上原ひろみ、馬場智章、石若駿のミュージシャンのクオリティによるもの。そして本作は、所謂、コミック原作の映画化という事もあり漫画における音楽という融合し難い媒体を扱わなければならない製作側の力量や決意も大いに感じる事が出来た会新作だ。
作品中ではSo Blueという店名になっていたが、ブルーノートの雰囲気含めた再現性も見事であったね。タイトルのブルーを随所に残しながらビデオ撮影と思しきシーンでのコメントからタイトルの由来の説明がある所も憎い演出か。
これは劇場の良い音響設備で鑑賞出来て本当に良かったと思ったね。