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ラーゲリより愛を込めてのdancingufoのネタバレレビュー・内容・結末

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ウクライナ侵攻や防衛費増額など、どこかきな臭くなっている現在にあって、戦争の悲惨さを伝えた意味で、非常にタイムリーな映画だったと思う。
多くの人がこの映画を見て「戦争は嫌だ」と思ってくれれば、それは一番素晴らしい効果だと思う。

しかし、なんとなく日本版「ショーシャンクの空に」と言う感じもしたけれど、ドラマの質としてはグッと落ちた。
両方とも「希望」がキーワードだったけど、二宮のそれはちょっと押し付けがましくて違和感があった。
上手く言えないが、なんかキャラクター造形が薄いんだよね。

この作品のクライマックスは、帰国した4人による二宮の遺書の口伝えだったが、どうにも私はそれが刺さらなかった。
勿論、二宮の母向けの松坂桃李のシーンは絶品だったし泣けたが、泣かせればいい映画かというとちょっと違う。

特に安田顕、二宮を貶めたお前は妻にまず詫びるべきだろ、と思ったのは私だけか。

船に駆けてくる死んだはずの犬は「南極物語」かよ。

話は全く変わるが、シベリア抑留といえば、三波春夫を思い出す。国民的な歌手になった彼も、過酷な体験をしていたんだ。彼を題材とした映画もあっていいんじゃないかな。
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