管理人の竹野康治郎

ラーゲリより愛を込めての管理人の竹野康治郎のレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.9
久々に映画館で号泣した作品です。前半からの流れから後半の最後の頂点への持っていき方が反則的な内容です。松坂桃李さんがとにかく凄かったです。主演が二宮さんでしたが、ある意味2人のバディモノと言ってもいいくらい、2人がいるから最後の爆発力に繋がったと言える映画だったと思います。

第二次世界大戦後にシベリアの強制収容所のお話であり、家族の話です。敗戦国となった日本が先の見えない状況からどのように生きていくのか。劣悪な環境において、どのように希望を見出すのかを丁寧に描いています。ただただ苦しいです。でも、この重さの中でどういった自分であることが大切かを突きつけられます。元プロ野球選手のイチローも「うまくいかない時ほど、その人の人間性がでる」と、言葉では簡単ですが、これを行動や態度を維持していくのは本当に難しいです。

あの環境に比べれば、今の環境なんかと感じてしまう部分もある一方で、今は今の苦しさがあるので比べるモノではないですし、同じではないにしても「どう立ち向かうのか」を「どう向き合うのか」を感じて欲しいと思いました。

最後はネタバレになるので詳しく書きませんが、松坂桃李に完敗しました。
本当にすごい俳優さんです。

2022年公開作品 61本目



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【ご報告】
こんなところに書くのもどうかと考えましたが、少なからずレビューを読んでいただいている皆さんにお伝えしたくと思います。

シネマンションの管理人としてシネマンションの動画では扱わない、もしくは取り上げていない映画を少しでも届けれればなと始めたFilmarksでした。
ですので、これまで基本的には新作映画のみを取り扱ってきました。少しでも気になって、映画館で観てもらえたら嬉しいなぁという思いでこれまで。

ですが、今年はなかなか更新が滞ってしまい自分としてモヤモヤが残りました。というのは、ちょっと前ですが第一子が誕生し、どうしても本業の仕事や家庭のことなどのバランスを取りながら生活すると、じっくりと書く時間を設けることが難しかったためです。言い訳がっぽくなってしまい、申し訳ないです。

今年、2023年はなかなか映画館に行く時間を設けるのが難しく本数も減るかもしれないですし、配信作品でのレビューが増えるので「映画館でみて欲しい」という当初の思いから少し変えて「どんな形でも映画を見る機会」になればという思いでレビューを書いていきたいと思います。

引き続き、立ち話程度の映画感想として読んでいただければ嬉しいです。

よろしくお願い致します。

竹野 康治郎

他のユーザーの感想・評価

Arisa

Arisaの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

\2023年映画初めに🇯🇵/
第二次世界大戦終了後に約60万人の日本人が不当に極寒のシベリアへ収容されていた実話を描いた作品。

あんなにダモイを信じてみんなに希望を与え続けていた人が、1番大切な家族に再会できず亡くなってしまう。これがフィクションならきっと再会できたのに、現実はハッピーエンドにしてくれない。

この人達とたった80年しか変わらない時代に今生きてるなんて😢普通に家族と暮らしていけることが、どんなに幸せなことか考えさせられる🍀

にの今回も素晴らしかった🫶
みずを

みずをの感想・評価

4.2
非常に良かった
二宮くんありがとう
2022.12.18
@toho日本橋
open

openの感想・評価

4.7
映画館で号泣しました。生まれてくる時代が80年くらいしか違わないのにこんなにも生活が違うんだて思ったしなによりこんな平和な時代を生きられてすごい幸せなんだなて感じた。山本さんの常に希望を持つ姿勢が素晴らしかった。安田顕と松坂桃李のところがまじでやばかった。花粉症も相まって顔面崩壊してたけどほんとに映画館で見てよかった映画でした。
mity

mityの感想・評価

4.0
予告からして、泣くことは分かっていた。でも、何の涙かまでは考えていなかったから、山本幡男さんがどんな生涯を辿ったのかはとても興味深く、そしてその人間性にとても驚かされた。

「これは戦後の混乱の最中で起きた不幸な出来事にすぎません。」
そう言って穏やかな表情をみせる山本。決してダモイ(帰国)を諦めず、周囲を鼓舞したその姿に、山本が其処に居たことそれ自体が、彼らにとっての希望のようだと思った。松田に相沢に、多くの者たちが山本に救われる中、とりわけ原にとっては大きかったように思う。過酷な環境下で取ってしまった行動。表面がどうであれ、心の底では後悔や罪の意識が渦巻いていたであろうその心境のまま生き続けるのは、きっとしんどすぎる。その固く閉ざした心をも溶かしてくれた山本の存在。この人の為に、との思いが湧くのも想像に難くない。

時折笑みさえみせ、常に穏やかに前を向き続けた山本が、ほんの僅かみせた翳り。やっとダモイ出来ると歓喜した後の25年の強制労働の言い渡し、その訳の分からない理不尽を被った理由···それを知った時の山本の表情、行動に、私は少し安堵した。彼もまた同じなのだと。

一度戦争が起きれば、それを境に、その後はずっと戦後。“もはや戦後ではない”の新聞見出しに違和感しか感じないほどの過酷なシベリアでの抑留生活は、不幸な出来事なんかで納得出来るものでは到底なかったと思う。想像を絶する飢えと寒さの中、それでも人間としての尊厳を失うことなく希望を信じ続けた山本旗男さん。
「ただ生きるだけじゃダメなんだ。山本さんのように生きるんだ。」それが如何に尊く凄いことか。その言葉の意味を、映画は教えてくれた。


#131_2022
月

月の感想・評価

4.1
東京国際映画祭オープニング作品。

The邦画な王道展開ではあるものの、実話ベースなのでくどさを感じない。
どころか、流石に誇張やろという凄惨な諸展開にももれなく説得力が付与され、単なるお涙頂戴アイドル映画とは一線どころか数十線を画している。

野球や俳句、子犬を媒介して繋がる小さな小さな希望に、素直に涙してしまった。

しかしニノの演技、良い意味でスター性を完全に雲隠れさせており凄まじかった、個人的今年の主演男優賞、既に最有力候補。

これ、日本版ショーシャンクも過言でないな…?
ごま

ごまの感想・評価

4.0
観て本当によかったと思う作品。
映画としてももちろん良かったけど、戦争を知らない世代は必然的に増えていくのだから何らかの形で残っていくことは必要だよなぁと感じる。
だし、この作品は戦争の惨さだけじゃくてその中でどう生きるかというか“どうあるか”みたいな。知らない世代がこの言葉をつかうと綺麗事みたいになってしまうけど、人としての戦いを見たようにおもう。

山本さんはどうしてあんなに強く生きることができたんだろう。
ああありたいとおもうけど、いざとなったら自信がないなぁ。
実在の方だし、映画では省いて語らなかった部分もあるだろうから原作とかも読んでみたいな。
二宮さん演じる山本さんがスーパーマンなんでなくて、1人の人間であるということが素敵だった。
山本さんはたった1人存在したんではなくて、表立って現れていない山本さんのような人々の“意志”として描かれているようにも思えた。
opi

opiの感想・評価

3.6
主題歌Soranjiは誦じる(何も見ないで言えるように覚える。 そらで覚える。 暗記する)からきているらしく、ラストシーンからのエンディング曲で2度泣いた
4

4の感想・評価

3.8
野球のシーンが希望に満ちてたな
頭で考えたことは誰にも奪えない、良い
NA

NAの感想・評価

5.0
当たり前。を改めて考え直すきっかけになった作品。
自分の周りの大好きな人達に、大好きがすぐ伝えられるこの環境はなんて幸せなんだろうか。
今更ながら観に行ったけど、観てよかった!
本当に感動して泣いた。

こんな時代があったのか…と衝撃だったけど、
どんな状況でも希望を捨てない山本さんの生き方は素晴らしく、現代に通じるものがあるなと感じました。

あと、ストーリーとは関係ないけど、撮り方が綺麗でした!
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