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ブラック・フォンのmaroのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
4.0
2022年日本公開映画で面白かった順位:34/103
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

暑さが続くこの時期にヒヤッとする、ほどよい怖さのあるサイコスリラー映画。
いや、ホラーでもあるのかな、、、?
この2つの定義が曖昧だけど、強いて言うなら、ホラーはゾンビやオカルトなどの超自然現象。
スリラーは現実世界の殺人鬼や犯罪者を描いたものであることが多いらしい。

さて、本作の話。
原作となる小説はあの「ホラーの帝王」であるスティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒル。
そして監督は『ドクター・ストレンジ』シリーズでメガホンを取ったスコット・デリクセン。
5月に観た『ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』はややホラー感もあったので、この手の映画を手がけるにはうってつけの人物だろう。

本作は誘拐されて密室に閉じ込められた主人公フィニー(メイソン・テムズ)が、いかにしてそこから脱出するかというサバイバル要素の強い話だ。
場所は地下で防音加工が施された室内なので、中からの声は外には聞こえない。
目の前には唯一の出入り口。
ただ、その扉を出て階段を上ると誘拐犯のアルバート(イーサン・ホーク)が待ち構えているという逃げ場のない状況だ。

そんな絶体絶命の状況に陥るフィニーの唯一の手助けとなったのが、壁にポツンと掛けられた黒電話。
断線していて通話はできないはずなのに、ある日突然「ジリリリ」と鳴り響く。
「……もしもし?」
恐る恐る出てみると、声の主はなんと……?
っていう、僕が小学校時代に大流行した『学校の怪談』のような設定にヒヤッとしたよ。

いつ殺されるかわからない中で、黒電話からの声を頼りに、身のまわりにあるものだけで脱出を試みる展開は、ゲームで遊んでいるかのような感覚にもなれる。
限られた時間と空間における脱出劇ってスリルがあって面白いよなあ。

結局、誘拐犯の目的はわからなかったし、妹のグウェン(マデリーン・マックグロウ)が不思議な夢を見るという設定も、だいぶ都合のいい形に使われてしまったけど、その分テンポよく進んで観やすかった。

そんなわけで、この夏の肝試し的な意味で観るのに最適な映画かと!
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