ケイスケ

ブラック・フォンのケイスケのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.7
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子供の失踪事件が相次ぐアメリカ・コロラド州の町。気弱な少年フィニーは、ある日マジシャンを名乗る男と出会い無理やり車に押し込まれ、気が付くと地下室に閉じ込められていた。その部屋には頑丈な扉と鉄格子の窓、断線している黒電話があり通じないはずの電話が突如鳴り響く。それはこの部屋の真実を知る死者からのメッセージだった。

スコット・デリクソン監督の映画って、どれも悪くないんですけど、毎回あと一歩ハマりきれないんですよね。でも『ドクター・ストレンジ』のビルがグニャグニャしたりトリップ空間の描写は良かった。あれは『マルチバース・オブ・マッドネス』には無いデリクソン監督の良かった部分だと思う。

本作を観て思ったのはデリクソン監督は子どもに容赦ねえなと。いじめ描写も胸糞だし、子ども同士といえど顔面をボッコボコにするのがなかなかエグい。あとフィニーとグウェン兄妹の親父もブチ切れ方が凄まじくかなりイヤ〜な気分になります。この辺りの描写は好き嫌いはあれど演出力はかなりあると思いました。あとフィニーがグラバーに誘拐されるところは普通に怖かった。

グラバーの元から脱出するところは、なかなかハラハラするしフィニーと電話のやり取りも面白いのだが若干テンポが悪く、失敗する場面も多いためちょっとイライラしてくる。ここ『スプリット』の監禁を思い出したんだよな。でもイーサン・ホークの不気味な演技はさすが。かなり良かったですね。

あとフィニーの妹グウェンがもっと重要なキャラクターになってもいいと思うんですよね。兄妹の亡くなったお母さんも同じ力があったと言われる割には、特に回想も無いからもったいないと思いました。

でもラストのフィニーがグラバーに返す台詞は上手いと思うし、全体的にはよく出来たホラーだと思いました。あと原作のジョー・ヒルがスティーブン・キングの息子だからか思ったよりキング感はありましたが、キングとはまた違った良さもありましたね。面白かった!