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ブラック・フォンのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.6
ジョー・ヒルの短編小説「黒電話」の実写映画化。誘拐犯に地下室に閉じ込められた少年が脱出を図り犯人に立ち向かう。ホラー、サイコスリラー、ジュブナイルがバランスよく構成されていており、友情や兄妹愛を通じて1人の少年が一歩大人へと成長するという側面を持った爽やかな作品。とても良かった😆(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

ホラー界の帝王と呼ばれるスティーヴン・キングの息子ジョー・ヒルの短編小説「黒電話」の実写映画化。私、相当昔にこの話が収録されている「20世紀の幽霊たち」を読んだ気がするのだが、内容さっぱり印象に残っていない😂けっこう脚色されているのかな…?

でも本作【ブラックフォン】はホラー度の塩梅もストーリー展開も私の好みだったのでかなり楽しめた。鑑賞チューニング的には、ガチガチの視覚的エンタメホラーではなく、雰囲気ホラー×脱出系×ジュブナイルストーリーを楽しむ方向性の作品ととらえれば、恐怖面を期待しての“がっかり”はしないかも。ホラー全然ダメな人は厳しいかもだが、ちょっとでも耐性があれば問題なさそう。

あらすじ:コラルド州のとある町に住む仲の良い兄フィニーと妹グウェン。町では少年の連続失踪事件が起きておりフィニーの顔見知りや友人などもその犠牲者になっていた。そしてある日フィニーはマジシャンと名乗る男出会う。だがその男は事件の犯人であり、フィニーは誘拐され地下室に閉じ込められてしまう。地下室あるのは、断線した使用できない黒電話のみ…。しかし突然、その黒電話が大きくベルを鳴らす。一方、実は母親譲りの不思議な能力を持っているグウェンは予知夢を見る。それが兄を助ける道標になると信じ捜索を始めるが…という話。

ジャケットの印象から、てっきり「キラー」をメインに押し出すようなスラッシャー系ホラーだと思っていたがそのような作品ではなかった。「ホラー」「サイコスリラー」「ジュブナイル」がバランスよく構成されていており、友情や兄妹愛を通じて1人の少年が一歩大人へと成長するという側面をもつ爽やかな作品だった。「面白かった」というより「良かった」って感じ。

💖🐝「黒電話ってなんか趣があってレトロでいいですよね📞昔は我が家にもありましたが、あのベルの音ってけっこうけたたましく響くので、普通に電話がかかってきてもビックリします😂」

個人的には、誘拐犯であるマジシャンの男についてそんなに深堀がされないので、結局何者で、何が目的だったのかピンとこなかったところが気になったかな…。「ゲームがまだ始まってないから殺されない」みたいな話もあったけど「ゲーム」って具体的にどういうことを差していたの…?私の理解が乏しいだけかもだけど…。

なお、主人公のフェニーと取り巻く環境が、誘拐犯とか関係なく最初からけっこうバイオレンスというか、子供だとしても時には暴力で相手を屈服させるか、それなしでも周囲に一目を置かせるほどの勇気と度量と実力が必要であるという状況は、良いか悪いかは別としてなるほど大変だな…とは思いました。兄よりも血気盛んな妹ちゃんが可愛いです😂