NAOKI

ブラック・フォンのNAOKIのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
3.9
これは!名作じゃないか!って話…

なんか…年寄りの愚痴みたいになっちゃうけど若い頃に比べると心から驚いたり感動する映画が減って来た気がするのです。

今の方が昔より熱心に映画観てる気がするのだけど最近「人生変わる」ぐらい衝撃を受ける映画になかなか出会えない。

なんとなく最近の映画のせいにしたいところだけど…実は自分のせいであるということに気づいてはいるんです(泣)

感性も老いてくるのです…涙腺は弱くなってしょっちゅう泣くくせに感動の度合いが鈍く小さくなって来ているのを感じずにはいられない…

そんなおれをまるで映画を観はじめた映画小僧だった頃に引き戻すかのようなワクワクを感じさせる映画に久しぶりに出会いました!

「ブラック・フォン」

映画館にかかってた記憶はなく、TSUTAYAの棚にDVDが並んでからもこのジャケ写見て「どうせ粗製濫造され続けているB級ホラーの一本」だろうとついスルーしていました。
まさかこのマスク男が我らがイーサン・ホークだなんて思ってもみなかったのです。

子供達が消える…そんな不気味な誘拐魔の噂が絶えない町…そんな町で自称「パートタイム・マジシャン」に拉致されてしまったいじめられっ子の少年…壊れた黒電話が壁にある薄暗い地下室に監禁される…果たして彼の運命は?

もう聞き飽きたくらいの設定…
それに色んな要素が詰め込まれる!

兄妹愛(妹可愛い!)
友情
超能力
心霊現象
誘拐殺人捜査
脱出サスペンス
コカイン中毒の陰謀論者(笑)

おいおい!いくらなんでも詰め込みすぎだろ?
ところがこれが見事に絡み合って最後まで息を呑む見事なストーリーテリング!

そしてそのルックは「スタンドバイミー」や「イット・それが見えたら終わり」の手触り…つまりホラーの帝王スティーヴン・キング感が半端ない!

いくらパクリでもここまで見事に見せてくれたら最高だ…と思ってたら、原作ジョー・ヒル…キングの実の息子です。どうりで…(笑)

とにかく心霊現象シーンは充分怖いし、それが少年が誘拐魔と戦うヒントになるストーリーは実に胸熱…必死に兄を探す妹の健気さに打たれます。

こういういわゆる「ジャンル映画」でこんなに興奮したのは久しぶり。

おれにもまだまだこういう映画に興奮できる感性が残っているんだ!と嬉しくなりました。

おれと同じような理由でスルーしている人がいたら是非!
「スタンドバイミー」級の名作です!
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