とらキチ

劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート デジタルリマスターのとらキチのレビュー・感想・評価

3.8
名古屋人にとってパヴァロッティというと1997年行われたナゴヤドームの柿落とし公演を思い出す。
“太陽のテノール”“キング・オブ・ハイC”ルチアーノ・パヴァロッティが1991年7月30日、ロンドンのハイドパークで行った野外公演の映像化作品。この公園の歴史上初のクラシック演奏会となり、当日は大雨の天気だったにも関わらず15万人という記録的な人数の聴衆を動員したという。たしかにその光景は、まるでロックコンサートのようだった。また客席の最前列には、チャールズ皇太子、ダイアナ妃が招待されていて、パヴァロッティはダイアナ妃に捧げた唄を披露するという、天性の人たらしっぷりを発揮。これをキッカケにして2人は親交を深め、パヴァロッティは世界の地雷除去のための寄付もするようになったという。他にも観客席にはマイケル・ケイン卿の姿もあった。
セットリスト的には、聴きたいなぁ、と思っていた曲を大体披露してくれていて、とても満足。ただ、歌謡ロックコンサートではないので、ずっと1人で歌い続ける訳にもいかず、基本一曲一曲休む。そして休んでいる間に何かをはさむ。今作ではそれがフルートの演奏で、とても素晴らしかったのだがどうしても時間をどうにかつないでた、という印象になってしまう。その後パヴァロッティは、三大テノールやポップスとのジョイントコンサートをやるようになっていった。
音源は5.1chデジタルリマスターされ、素晴らしいものがあったが、惜しむらくは、映像。当時TV中継されたという事もあって、ビデオ方式での撮影収録だったんですよね。もうディティールとか全然潰れてるし、正直映像が粗くてツラい。どんどん周囲も暗くなってきて、余計に見えなくなってくる。結構「コレで金を取るのか⁈」レベルだったりした。年代的に仕方ないのですが、せめてフィルム撮影であったならば…と思ってしまう。70年代、80年代前半だったらフィルムで撮影されていて、それならば現代の技術で結構キレイにスキャニングしてリマスターできるし、実際そんな当時の映像がNHKで放送されたりする。
昨年もちょうどこの時期に三大テノールのコンサートドキュメンタリーを鑑賞した。もうこうなったら、毎年1本ずつコンサートフィルムをリマスターしてもらって正月に公開するのを吉例行事にして欲しいなぁ、と思ってしまった。