にゃんこむ

カッコーの巣の上でのにゃんこむのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.6
1975年のアメリカ映画。『シャイニング』もまだ見られていないので、ジャック・ニコルソン出演の映画は初レビューです。

○主人公のマクマーフィーは刑務所の作業から逃れるために精神病を偽り精神病院に入院してきた。マクマーフィーはテレビでワールドシリーズが観たいとグループセラピーの時間を削ろうと婦長に願い出るが、多数決で負けてしまう。他の患者たちは、従来の生活を大きく変えたくないため、マクマーフィーに賛同しなかったのだ。しかし、婦長に反抗したり、やりたい放題なマクマーフィーに次第に心を開く患者たち。
他の患者を連れて無断外泊したり、部外者を病院内に入れたりと、破天荒な行動に出るマクマーフィー。ある騒動が起きた日、ある患者から衝撃的な発言を聞き……

ラスト10分は、普段なら毛嫌いするような展開なのですが、この作品はとても心に響きました。主人公のそれまでの行動がその終わり方を納得させられますし、脇役も含めて役者さんたちの演技が真に迫っていて現実の出来事のようでした。

マクマーフィーは意識して行動しているわけではないと思いましたが、洗脳や体罰、治療という名目で行われる理不尽な行為の数々を否定し、反骨精神で挑んでいきます。
その意思はチーフに受け継がれ、最初は自分を押し殺して生きていた彼ですが、最後は自分を解放していく様がとてもカタルシスを感じます。

やるせない終わり方なのに、見た後はとてもスッキリした気持ちになる不思議な映画でした。
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