もやマン

カッコーの巣の上でのもやマンのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
3.9
【アメリカンニューシネマって知ってます?】
その後期の傑作なんですって奥さん。

単純にはいかない皮肉めいた物語。
僕は平成生まれの日本人なので、アメリカンニューシネマの一つと言われるこの映画をきちんと理解することはできないのかもしれない。
それでも、鑑賞後には心に残るものがあった。

名作と名高い本作。
中盤までは、ありがちな展開なのかなと思ってた。
後半、主にラストのほうは想像とは全く逆の展開で、その物語をハッピーエンドと言えるのはわかりません。
それでも、希望は見える。そんなラスト。
苦しくも、切ない。敵と思われる婦長も、我々がマクマーフィーに感情移入するから彼女が悪者に見えるだけで、実際は逆。マクマーフィーが、そもそも善か悪かでいったら悪。

完全な悪なんて誰もいないが、それぞれの「正しい」が他人と共有されることは難しく、その中で、人の尊厳というものを尊重していたマクマーフィーが、いちばん「いいやつ」だった。

その、複雑な関係性にある婦長たちとマクマーフィーたち。


キャンディと一夜を過ごしたビリーがみんなのもとに戻ってきてから、婦長に「あなたの母に伝える」と脅されるまで、吃音も出ずにふつうに会話していたのが一番印象的シーン。
脅されるとすぐに吃ってしまった。

こういうシーンが、体制への批判なんだとおもう。

そこからは苦しくつらい。
ラスト、チーフの行動が、一矢報いた気がする。

一筋縄ではいかないが、アメリカンニューシネマは普通のハッピーエンドの映画よりは心に残る。

そして、ジャックニコルソンの名演。
あの笑顔が好き。もう見れないのかな。。。