さかい

ボイリング・ポイント/沸騰のさかいのレビュー・感想・評価

3.5
・『狂武蔵』…敵は吉岡一門70人…から大幅に脚色された400人。主演がガチ負傷しても撮影続行、一乗寺の決斗77分ワンカット一本勝負
・『ボイリングポイント』…プライベートにも悩みを抱えキッチンもフロアもトラブル続出の超繁忙期のレストラン90分ワンカット一本勝負

どっちだろう泣きたくなる場所は!



面白かった。
テンポよくて、ぼんやり観てても話ついていけて、キャラ多いけどすっきり整理されてて覚えやすい
主人公アンディは、リスカ君をほめて和ませてる場面などみると、本来なら料理の腕だけでなくスタッフ達をまとめる人間的器量もありそうな人に見えるけど…今夜はとにかく色々重なってイッパイイッパイ。
面白かったから「面白かった」と書いてしまったが、アンディの立場と似た経験ある人などは心的外傷後ストレス障害えぐられてフラッシュバックしてしまうかもしれない
映画館に掲示されてた雑誌のレビューで「観るとレストランでワイン飲みたくなるから鑑賞前に予約がオススメ」とか書いてたLiLiCoさんは鬼。

90分ノーカット撮影、舞台もほぼレストランの中だけで完結というアイデア作品。パンフには地図・見取り図がほしかった!




パンフのコラムも興味深い話だった。
①イギリスは昔から上流階級と労働者階級の大きな格差がある。その壁をこえるにはサッカー選手かロッカーになるしかないと言われていた
②俳優もスポーツや歌手と同じ、才能と実力がすべての世界に思えるが、シェイクスピアの昔より王室が演劇を保護してきた歴史から、俳優はどちらかというと上流階級の仕事とされてきた
③1960年代にはそれが一旦崩れ、ショーンコネリー、マイケルケイン、マルコムマクダウェルらの労働者階級ヒーローが生まれたが、新自由主義の蔓延に伴い元通りになった
④近年のスターはエディレッドメイン、ベネディクトカンバーバッチ、トムヒドルストンなど良家の子弟が多い

だという…。
さかい

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