「ディナーラッシュ」を観て気付いたんだけど、僕はレストランの裏側、キッチンの喧騒を描いた作品が好きなのかも??
しかも、これは
ワ ン カ ッ ト ♡
90分1発勝負!!
無類のワンカット・長回し好きとしては、何としても劇場で観たかったのに、ことごとく予定が上手く空けられずに見逃してしまっていた作品。U-NEXTでポイントをお布施して鑑賞。
1年で最も多忙を極めるクリスマス前の金曜日、ロンドンの人気レストラン。妻子と別居し疲労困憊のオーナーシェフのアンディ(スティーヴン・グレアム)は予約客で一杯の店内で、衛生管理検査やライバルシェフと著名なグルメ評論家が訪れ、次々とトラブルに見舞われる事に—— 。
お!この小さいおっさんオーナーシェフは、「スナッチ」にも出ていたスティーヴン・グレアムではないか!!
ワンカットの素晴らしさに、ひたすら目を奪われ、溜め息が漏れてしまう。
それぞれのキャラクターが魅せる演技をシームレスに繋げていき、それぞれが抱えている問題が次第に浮き彫りになり、沸点(ボイリング・ポイント)に達するまでを描く。そう、一筆書きのように。
離婚の危機に直面したオーナーシェフ、彼の尻拭いばかりに不満を募らせるスーシェフ(副料理長)の女性、傲慢な態度で皆んなから嫌われ者の女性支配人、その他スタッフそれぞれが個性的。1人1人のキャラが見事に立っているし、彼らがホールと厨房を行き交う毎に小さなドラマが幾つも生まれる。
怒号が飛び交うストレスフルな職場を映し出しているだけなので、決して見ていて心地良いものではないが、まさに一触即発で何かが起きそうな居心地の悪さが逆に楽しい。
演者だけではない。
彼らの動線を邪魔しないように動く必要があるカメラマンも音声も、この作品に携わる人達皆んなのミスが許されないワンカット。舞台劇に近い緊張感があるんだろうなぁ。
これだからワンカットはやめられない。何度でも観たくなる中毒性。しかも耳にも嬉しいイギリス訛りの狂想曲。
これは…
大好きだァァァ!!
個人的な嗜好により、スコア高めの評価です。