竜平

アンビュランスの竜平のレビュー・感想・評価

アンビュランス(2022年製作の映画)
4.3
とある兄弟が銀行強盗を決行、やがて逃走のために奪うことになるのがまさかの救急車で、というところから巻き起こっていく事件を描く。マイケル・ベイが贈るノンストップ系アクションサスペンス。

ベイ作品特有のテンポ感と息もつかせぬ銃撃戦に怒涛のカーチェイスに、とにかく見ていて楽しい、アクション映画好きにはまーーたまらない内容になってるんじゃないかなと。それに加えて登場人物たちの内面がぶつかり合っていく構成の妙、これも良き。登場人物それぞれにある心情、その配置が見事で、片や逃げなきゃ、片や助けなきゃという対比がよく効いてたり。さながら『スピード』のような没入感と、マイケル・ベイの初期作品『ザ・ロック』とか『バッド・ボーイズ』とかを彷彿とさせるようなワクワク感、てか会話の中で不意にその自分の作品名が出てくるのには笑う。あと中盤のとある手術シーンで力抜けちゃうの俺だけじゃないはず。

今作は人間ドラマも意外や意外、重厚且つグッとくる仕上がりになってる気がする。近頃のベイ作品としてはめずらしい、ってのは皮肉混じりの感想ね。で個人的お気に入り俳優のジェイク・ギレンホール、そして『アクアマン』などのヤーヤ・アブドゥル・マティーンII世、『ベイビー・ドライバー』などのエイザ・ゴンザレスといったキャストがこの物語をバッチリと彩る。兄弟間の絆、男たちの侮りや決断、一人の女性の成長、正義と悪などなど最後まで無駄なくちょうど良く散りばめられてるし、設定を活かしつつ最後までしっかり駆け抜けてくれる感じ。今までありそうでなかったジェットコースタームービー、もといアンビュランス(救急車)ムービー。アクション映画を堪能したいってな気分だったもんで、いやはや満足。
竜平

竜平