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プリジョネイロのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

プリジョネイロ(2021年製作の映画)
3.7

格差社会🎬

ストーリーはブラジルのサンパウロを舞台に家族を養う為出稼ぎに出た主人公が廃品工場で強制労働させられる姿を描いた作品でした。作品はブラジルの格差社会・人身売買ビジネスの裏側を描いていました。日本ではあまり想像できませんが、世界に目を向けてみると法律で禁止されていても中東・アフリカ・ラテンアメリカでは現状人身売買が行われています。人身売買の根底にあるのは臓器売買・結婚などお金が主ですが、紛争などの争い事も要因とされています。貧困問題を解決するには法整備や他国の援助など並々ならぬ時間・制度・協力が必要ですが、一つ一つの課題をクリアしていく以外解決策がないというのもやるせ無さを感じました。彼は仕事が認められ、底辺から脱出したことをきっかけに多少なりとも自由や権限を手に入れました。彼は快楽や権力に溺れ、次第に心を閉ざし、家族・自分の為に生きる姿は人身売買を行なっているマテウスの姿と重なりました。貧困という一言では片付ける事のできない現状があり、何か希望となる光や私たちが出来ることについて考えさせられました。
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