2022年25本目(映画館13本目)
1998年から2006まで「花とゆめ」において連載されていた高屋奈月原作の大人気少女コミックが2019年に2度目のアニメ化。1度目のアニメ化の際は連載途中でもあったため、原作の全ては描かれなかったが、2度目では全3rdシーズン5クールに渡り制作され、その全てが描かれた。
そして今回そのテレビシリーズを再構成した総集編に加え、高屋先生書き下ろしのヒロインである本多透の両親、今日子と勝也視点の前日譚を描いたエピソードが映画化となった。
本作の公開前に放送された2度目のアニメ化シリーズを最終回まで観終えての鑑賞。
原作は全部ではないにしろ読んだか読んでないか記憶があまり定かではないけど、今回のアニメシリーズは結構楽しんで観ていた。
総集編が盛り込まれるとは聴いていたが、序盤に透と夾を中心とした、しかもFinal Seasonの内容メインのダイジェスト的な感じが一気に流されて、直前にFinal Seasonを見たものとしては感動が蘇ることは特になく、切り取り方も内容を全部知ってますという体でないと、理解できないレベルだったと思う。
フルーツバスケットにおける重大なキー設定でもある十二支の話にも一切触れず、ただただ透と夾の話のコマ切りを見せられただけにすぎず、なんともな気持ちになった。もちろんテレビシリーズで見てた時の方が感動はあるし、あの長い内容を30分程度に押し込める方が無理である。
ただ後半の書き下ろしエピソードである透の両親の話はとても良かった。これまで名前程度にしか出てこなかった透の父親もしっかり出てきて、彼のこの性格や佇まいがあるからこそ、透の人となりもあるのだなと感じた。
もちろん母の今日子についても、手に負えない元ヤンであることは本編からもわかっていたが、ここまで闇を背負った感じであったとは思ってなかったし、家族との幸せだけを願い続けてたのだなと思うとグッと心が熱くなった。
本編も重い話は多いけれど、本作も幸せなシーンもあれば辛いシーンもある。ただ少し本編とはストーリーのタッチが違う気がした。
これまで語られなかった部分が描かれたのは良かったし、連載終了から時間はたったけど、こうして原作の全てをアニメ化してくれたのはとても良かったなと思う。
本作はかなりファン向けな内容ではあるし、本編未見の人にはオススメできないかな。
あと序盤の3分の1くらい使った総集編もいらなかった気がする。
それならしっかり総集編として作って欲しいし、今回の番外編は多少回想含む新作エピソードのみの方がスッキリしたと思う。