Mikiyoshi1986さんの映画レビュー・感想・評価

Mikiyoshi1986

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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

ビクトル・エリセが30代前半で完成させた名画「ミツバチのささやき('73)」から実に半世紀。 
エリセ御年83歳にして、彼の長編最新作をまさか劇場で観られる日が来るとは…!
その間にも様々な試行錯誤や
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

WW2以降「民主主義国家でありながらもロシアには絶対服従!」という理不尽極まりない"フィンランド化"の下に、それはそれは長い間、旧ソ連・ロシアにとことん虐め抜かれてきたフィンランド。

しかし、202
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.6

昨今のハリウッドを取り巻く"キャンセル・カルチャー"の矢面に立たされ、イタ~い過去を蒸し返されてしまった御年85歳のウディ・アレンでしたが、
そんなゴタゴタを押し退けなんとか公開に漕ぎ着けた最新作。
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.7

6月18日はSirポール・マッカートニーの78歳のお誕生日です。
おめでとうございます!

未来永劫歌い継がれる名曲を数多く生み出した、英国が誇る20世紀最高のアーティストTHE BEATLES。
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

間違いなくジャームッシュ史上最高に笑えたコメディであり、正統ゾンビ映画に対するリスペクトと踏襲で彩られた棺桶型オモチャ箱な最新作。

『Only Lovers Left Alive('13)』のジャー
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.8

いかにもミニシアターでひっそり上映してそうなドキュメンタリー映画ですが、(名古屋なら名演小劇場かシネマスコーレぽい)
閉鎖的ムードの昨今、閑散としたシネコンで本作が粛々と上映されている状況に、物凄いア
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.3

20世紀最狂のベトナム戦争絵巻『地獄の黙示録』がコッポラ指揮の元、装い新たにFINAL CUT版で蘇った!
IMAXならではのド迫力サラウンドで戦地へどっぷり没入し、4Kレストアの圧倒的高画質が我々を
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.7

観賞後は暫し「さ…最高だった……」という感想しか浮かんできませんでした。

ルカ・グァダニーノ版『サスペリア('18)』でも思ったけど、やはりパゾリーニのDNAは現代にもしっかり受け継がれているんだと
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

まるでタルコフスキー監督『僕の村は戦場だった('62)』を想起せずにはいられない、WW1のノーマンズランドを次々に再現…!
そこを駆け抜ける決死の伝令兵をワンカット風に追っていくカメラ。
その臨場感と
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.5

鑑賞中"Paint house"が"Assassinate"の隠語だと気づくまで、暫し時間を要してしまった人間です。

実在したある殺し屋の半生、そして70年代にアメリカ全土を震撼させたジミー・ホッフ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.1

冒頭、あれ?いつもの「OUR FEATURE PRESENTATION」がないじゃん…!て思ったけど、後々ちゃんと用意してくれてましたね。

『KILL BILL』では大好きなエクスプロイテーション映
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.2

きょう、ママンが死んだ。

窪田啓作がフランス文学の傑作「異邦人」の書き出しを"母親"でも"母さん"でも"ママ"でもなく、"ママン"と翻訳したのはつくづく天才的だなと思いますが、
畏れ多くもあのヴィラ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.8

ヒトラー総統への「I wanna hold your hand」な気持ちを募らせ、10歳の少年の目線で描かれるナチス期ドイツ社会。

プロパガンダにすっかり侵されてしまった純朴な国粋少年ジョジョ君が如
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

裕福=学歴。
本作を観ながら、私はある2人の韓国人のことを思い出していました。

一人は姉の知り合いでカンナムに住む40代の弁護士さん。
去年姉と友人がその方に招待されてカンナムを訪れた際、豪華な料理
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.6

八千草薫さん、京マチ子さん、大原麗子さん…続々と鬼籍に入っていかれたマドンナたちを含め、彼女たちの可憐なインサートシーンは感涙ものでした。

「男はつらいよ」がまさかの続編。
しかも第一作公開からちょ
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アラジン(2019年製作の映画)

3.0

アニメ版珠玉の名シーンは月夜のマジックカーペットライドでしたが、
実写版だと調子に乗っちゃったアラディンがジーニーに窘められるシーンに一番グッとくる。

ここでの精霊ジーニーは単なる騒がしいお調子者で
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ダイ・ハード(1988年製作の映画)

3.4

火災の恐怖がテロリスト集団に変換されたアクション版『タワーリング・インフェルノ』
しかし最大の脅威はテロリストでも、爆薬でも、ハイテクビルでも、人質にされた別居妻でもなく…
そう、ガラスなんです。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.3

前作ライアン・ジョンソン監督の尻拭いを見事やってのけ、
更には2019年冬、このサーガの終結になんとか間に合わせてみせたJJエイブラムス監督!
想像を絶するような重圧と責務に耐え、しかもディズニー帝国
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グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)

3.9

ゴダール第2のミューズとして、公私共に彼を支えた女優アンヌ・ヴィアゼムスキー。
そのアンヌが巨匠ゴダールとの私生活を赤裸々に綴った自伝小説が遂に映画化!

惜しくもアンヌは2017年に逝去されたばかり
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

4.4

SWスピンオフシリーズ「A STAR WARS STORY」第二弾は、超絶気になる若きハン・ソロの冒険譚!!

昨今、ディズニー帝国が展開する怒濤のスターウォーズ商法にファンとしては辟易せざるを得ませ
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気のいい女たち(1960年製作の映画)

4.2

6月24日はヌーヴェルヴァーグを支えた映画監督クロード・シャブロルのお誕生日。
存命ならば今日で88歳に。

『大人は判ってくれない』のフランソワ・トリュフォー、『勝手にしやがれ』のジャン=リュック・
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.0

『誰も知らない』から『歩いても歩いても』『そして父になる』『海街diary』『海よりもまだ深く』など、
その手掛けてきた作品の中で「家族の在り方」についてを重要なテーマとしてきた是枝裕和監督。

この
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サロン・キティ/ナチ女秘密警察 SEX親衛隊(1976年製作の映画)

3.3

明日5月29日はヴィスコンティ監督が晩年、寵愛した俳優ヘルムート・バーガーの74歳のお誕生日。

ナチスとデカダンの名作『地獄に堕ちた勇者ども』で一躍スターダムに駆け上がったバーガー氏は
ヴィスコンテ
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残虐全裸女収容所(1972年製作の映画)

3.7

5月26日は"世界のゴッド姉ちゃん"こと、女優パム・グリアのお誕生日!
御年69歳ながら、その美貌は未だ衰えることを知りません!

ロジャー・コーマン製作、ジャック・ヒル監督、そしてパム・グリアのスク
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.4

ウェス・アンダーソン監督、待望の最新作は日本が舞台!
これぞ世界視点のクールジャパン!
端々に溢れるアンダーソンの日本愛!
"あの"黒澤作品の"あの"曲も二度ほど登場!

エキセントリックな20年後の
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春婦傳/春婦伝(1965年製作の映画)

4.4

5月24日は昨年逝去された鈴木清順監督のご生誕日。
存命ならば95歳に。

田村泰次郎原作、鈴木清順監督、そして野川由美子のスクリーンデビュー作である『肉体の門』から一年後、
再び田村泰次郎原作の『春
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

東映やくざ映画の再興!
佐藤純彌監督の次に東映にて「彌」を継ぐ男は、白石和彌監督で決まりだ!!

広島を舞台にした警察とやくざの癒着モノは、かつて深作欣二監督が『県警対組織暴力』並びに『やくざの墓場く
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.5

ジェームズ・アイヴォリーのBL映画が再び!!
彼がかつて手掛けたBLの傑作『モーリス』(1987年)は、20世紀初頭の美しい英国の園を舞台に禁断の同性愛を描いていました。
そして今回は1983年の北イ
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マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)

3.1

5月16日は5代目ジェームズ・ボンドこと、ピアース・ブロスナンの65歳のお誕生日でした!

007引退後も、そのセクシーさはまったく衰えることを知りませんね。
特に『マンマ・ミーア!』出演時のロマンス
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山椒大夫(1954年製作の映画)

4.2

本日5月16日は世界に誇る巨匠・溝口健二監督の生誕120周年に当たります!

溝口の代表作の一つ『山椒大夫』は、安寿と厨子王の伝説として日本古来から親しまれる説教節『さんせう太夫』をベースに、文豪・森
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お葬式(1984年製作の映画)

4.1

5月15日は伊丹十三のご生誕日!
生きていれば今日で85歳に。

伊丹十三が俳優から映画監督へ、本格的な転向を決定的にした長編デビュー作『お葬式』from ATG

厳粛な葬式にまつわるエピソードをあ
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中国女(1967年製作の映画)

3.9

5月14日は昨年逝去された女優アンヌ・ヴィアゼムスキーのお誕生日。
存命ならば今日で71歳に。

ロベール・ブレッソン監督『バルタザールどこへ行く』でスクリーンデビューを果たし、
次なる主演作『中国女
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ブルー・イン・ザ・フェイス(1995年製作の映画)

3.7

5月13日はアメリカの名優ハーヴェイ・カイテルのお誕生日!
79歳おめでとう!

そしてずっと気になってて今回ようやく観賞できたのが、カイテル主演作『SMOKE』の続編として制作された『Blue in
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ダンケルク(1964年製作の映画)

3.8

ジャン=ポール・ベルモンド主演で描かれるフランス兵視点のダンケルク。
ベルモンドと最も多くコンビを組んだ巨匠アンリ・ヴェルヌイユ監督が自国の戦争に斬り込みます。

ナチスドイツの猛攻でダンケルク港まで
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最後の博徒(1985年製作の映画)

3.5

70年代に一世を風靡した東映実録路線も、山下耕作監督にとっての実質的な終焉は85年『最後の博徒』がそれに相当すると云えます。

時代劇~任侠映画の世界で様式美に拘った山下は、深作欣二監督と中島貞夫監督
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.1

スカンジナビアから全世界に発信された、現代人に捧げる四角い枠組み『The Square』

人々に問題意識を喚起させる現代芸術作品「The Square」を通し、
エッジの効いたアイロニーとバツの悪い
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