こーたさんの映画レビュー・感想・評価

こーた

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マローナの素晴らしき旅/マロナの幻想的な物語り(2019年製作の映画)

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美術館へ(特に現代アートを観に)行きたいのだけど、なかなか時間が取れないな、とおもっていたところに観られて、ちょうどよかった。
ルーマニア版、吾輩は犬である。名前はその時々。
生(活)と死。
充たされ
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

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日本文学の描写を忠実に映像化しようとすると、アニメーションという手法に頼らざるをえないのではないか。クローズアップにしろ、奇っ怪な変化(へんげ)にしろ、その境界はあいまいで、ひとつづきに展開する。カッ>>続きを読む

レッド・スパロー(2017年製作の映画)

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ファンタジー、なのだとおもう。おもいがけず放りこまれた世界で、戦うことを余儀なくされた女性の唯一の武器は、無私。そして無欲。過酷な訓練を潜りぬけ、敵のなかに潜りこんで味方をつくる。架空の国でバトルロイ>>続きを読む

籠釣瓶花街酔醒(2012年製作の映画)

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あばたの男が吉原の花魁に、ひとめ惚れしちまったのが不幸のはじまり。いや不幸なんて甘っちょろいもんではないのである。吉原百人斬り。なんと実話なんだそうで。玉三郎のながし目、勘三郎の、これでもかというほど>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

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アメリカの、忘れさられた街のはずれにある、三枚の広告看板(スリー・ビルボード)。さいごの広告が貼り出されれたのは1986年で、板は朽ち果て、みる影もない。どうせ誰も通らない道だ。母はその看板を利用する>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

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歌舞伎でも落語でも、いい古典は演じ手をかえ、さまざまにその物語を描いていく。語りとは騙りであり、おなじはなしを、いかにおもしろおかしくかたれるか、という優劣をきそったのが、そもそもの物語の起源なんだと>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

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小説を読んでいると、ふっと自らの記憶が甦ってきて、なかなか頁の進まないことがある。
物語という情報を仕入れる以上に、読書は体験といっていい。
本を読むわたしたちがその物語に共感するのは、自らの経験に根
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

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ロビイスト。縁の下の力持ち。
政治にはお膳立てがいる。
政治家の関心は、正義や信条、ましてや国民などには向いていなくて、いつだってカネと票にある。それはいつの時代も、どこの国でも変わらない。
だからロ
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

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男もすなるスパイといふものを、女もしてみむとてするなり。
だが彼女、ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)は、けっして女であることを武器にしない。色気は使わず、泣き言はいわず、寸分も弱さを見せな
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ドリーム(2016年製作の映画)

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学生のころ、理系の世界に身を置いていた。
よかったな、と思うことのひとつが、偏見というものがほとんどない、ということであった(完全にない、と言い切れないところが幾分か残念ではあるが)。
肌の色が白いと
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スクランブル(2017年製作の映画)

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子どものころ、車が大好きだった。
家のなかではミニカーをならべて悦に入り、おもてへ出ては道を過ぎる車を眺めて、その車種を悉く言いあてて飽きることがなかった。
好きだったのは、どちらかといえば国産車であ
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