ゆっけ

ウソはホントの恋のはじまりのゆっけのレビュー・感想・評価

4.0
”こじらせ男子”とはこういう男を言うのでしょうか?

パッとしない小説家のサム。既に映画化されているメジャー作を小説化する仕事を請け負っています。当然自分の作品ではないからモチベーションも低い。

そんな彼が、カフェで働いている女の子に一目惚れします。
気になって、Facebookで彼女について調べ上げて彼女が好きなものに合わせて、料理や社交ダンスや柔道など、自分の興味がないことをして彼女にアプローチしていくというお話。

口説き落とすために、学習していくという設定は、『恋はデジャ・ブ』と同じですよね。

ただしこの映画では、最終的に彼女に合わせている自分は”本当の自分なのか?”という問いにつながっていきます。

好きな人に気に入ってもらうために、自分が興味ないことをし続けること。初めはいいですが、だんだん疲れていくサム。次第に逆ギレしていくので、「この男はなんなんだ!」とだんだんとイライラしていきます。

何でもかんでも、共通点があれば一緒にいて楽しいとは限らなくて、好きなものが違くても一緒にいて心地良いときもある。

接点を作るために相手に合わせようとすることは、結局は相手のことを考えてのことだから、それ自体は悪いことではなくて、嘘でも本当でも、楽しませようとしている姿勢が伝わればきっとそれは嘘ではないのだとそんな風に思わせる、安定のラブコメディでした。

サムが嫌がっていた映画の小説化も実は同じことかもしれません。ただのコピーのように思えてそこに一生懸命であること、行動こそ、自分の個性であるのだって。


原稿の打ち合わせ時に意図していないことを深読みされるというシーンはよかったです。恋愛しているときは客観的にみれないものなんですね。。。。
ゆっけ

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