試写にて。
『ゆれる』『夢売るふたり』などの西川美和監督4年ぶりの新作です。
妻を不慮の事故で亡くした人気作家のこれからの人生を描いたお話。
本木雅弘演じる主人公が、冒頭からダメ男感たっぷりなのですが、どこかキュートで愛せるキャラクターになってきます。
弱い人間なんですよね。。
「育児は男にとっての免罪符」
というセリフが心に突き刺さります。
東北の震災をきっかけに作られた本作。
”自分”が常に大事だと考えてるものにとって、突然大事な人が目の前から消えてしまったとき、残された側の人はどんな悩みを持ち、どうこの先生きていったら良いか?
SNSを通じて遠くにいる人からも承認を得たいという願望は増えるばかりですが、
目の前にいる大切な人を大事にしたいと考えさせる温かい映画でした。
監督の過去作品が、徐々に人が壊れていく過程を描いているのに対して、
本作は、はじめに壊れて、そこから徐々に回復していく過程を描いているという違いがあると西川監督は語られました。
自分ではない、他者を真剣にみつめることできっと人は立ち直れると、深いメッセージ性を感じ、私にとって大切な作品となりました。
妻を亡くしたけれど、涙を流せない男。
妻を亡くして、立ち直れない男。
母親を亡くして、自分がやりたいこと以外に背負うものが増えた男の子の
3者の視点から、立ち直っていく軌跡を描かれています。
良い面、悪い面含め、きっと、誰かに共感するはずです。
もっくんの可愛い子育てシーンたっぷり。
子供たちの自然な演技にもほっこりさせられる、おすすめ映画です。