ベビーパウダー山崎さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ショットガン・ウェディング(2023年製作の映画)

1.5

地獄のつまらなさ。今さらレニー・クラヴィッツのコスプレしているようなキャラクターが出てきたと思ったら、本物の(老けた)レニー・クラヴィッツだった。ジェニロペの「私いま全力でコメディしてます!」って感じ>>続きを読む

白虎(1923年製作の映画)

3.0

エドガー・アラン・ポーも、そのイカサマについて書いているらしい「機械仕掛けのチェスプレイヤー」(隠れた人間が自動人形を動かしている)が面白かった。詐欺師たちが小屋に立て籠もってからが長い。兄は死に、生>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

任天堂の金かけたプロモーションビデオぐらいの感覚で見れば十分楽しめる。マリオにクリス・プラット、ピーチ姫にアニャ・テイラー=ジョイ。今のアメリカ映画のど真ん中(本気)の人選。ドンキーコングはセス・ロー>>続きを読む

城市特警(1988年製作の映画)

3.5

ジョニー・トーとアンドリュー・カムの共作らしいが、プロデューサーのツイ・ハークも大分関わっている(勝手に撮ってる)と思う。人がぐちゃぐちゃになる80年代香港映画特有の過剰な人体破壊、トーは紳士(のヤク>>続きを読む

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)

4.0

誰にも愛されず道化師として死ぬ。幸福や成功を手にする前に人は裏切られ、挫け、狂っていく。結局、人生に意味なんてない。あの偽物のハートを渡されるぐらいの、ちっぽけな喜びのために私たちは生きて呆気なく死ん>>続きを読む

妖術秘伝・鬼打鬼(1981年製作の映画)

3.0

浮気した妻へのやり過ぎなラストが酷すぎて声出して笑ってしまった。みな無駄に死にまくるのも最高。妖術師の一人が霜降りの粗品にそっくり。にしても、改めてサモハンの動きが異次元。これだけ動けるぽっちゃりは、>>続きを読む

グレイハウンド(2020年製作の映画)

2.0

昭和の海戦ゲームを立体化させただけのようなつまらなさ。船内でちまちなと、伝令を受けて大声で指示出しての繰り返し。敵軍との駆け引きも船員との関係性も淡薄。一つ引っかかりのあるドラマを捏ち上げて緩急つけれ>>続きを読む

バト・ミツバにはゼッタイ呼ばないから(2023年製作の映画)

2.5

ついに娘を主役にして映画を作り出したアダム・サンドラーとNetflixの異様な癒着。友だちだらけでも胃もたれしていたが、一家総出のコメディは血が濃すぎてリアリティショーを見せられている気持ちに。マジで>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

その代表作(演劇)を上演する劇作家を語るテレビの特別番組を映画として見せていく三重構造ぐらいになっていて、もう入り組み方が手に負えない。これもウェス・アンダーソンの過剰な妄想から創造する架空人物の伝記>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

2.5

『スターウォーズ』『ブレードランナー』に続き、ハリソン・フォードの終活に付き合わされるアメリカ映画。
フィービー・ウォーラー・ブリッジは難しい役柄。知性と野心でフォードをサポートする相棒的な役割だが、
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ランド/再生の地(2021年製作の映画)

2.0

サバイバルの一人芝居。一時、流行った気がする。監督主演なら、それほど予算もかからなかったと思う。深い哀しみから自らを傷つけ、立ち直る代わりに、その恩人は病気で死ぬ間際。もちろん、幸福も不運も生も死も平>>続きを読む

Emily the Criminal(原題)(2022年製作の映画)

3.0

手持ちキャメラで常に対象を追いかけるように映していくドキュメンタリースタイルというより、サフディ兄弟のバッタモン感。
軽い気持ちで闇バイトに手を出し、人生めちゃくちゃになる弱者はどの国にもいて、それは
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

マザコンで白痴の小太り中年なホアキン、歪な親子関係がトラウマとなりマトモな生活が送れず、その理不尽な代償として更に狂った社会がホアキンを笑いものにし、徹底的に虐げ、無垢な心を抉り、誰一人幸福にならずに>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.0

イきそうイカせてくれない自慰行為を延々と見せられているような映画で、クローネンバーグの頭の中ではとっくに完結している箱庭の今さらの観覧ツアーというか。集大成と言ってしまうには映画は弱く、新しい発見は特>>続きを読む

土砂降り(1957年製作の映画)

3.5

『土砂降り』というシンプルなタイトルが格好良くて、まず満点。メロドラマというより、負のホームドラマ。これだけ気まずい葬式のくだりもそうない。妾の子どもの名前が「松子」「竹之助」「梅代」この適当さが最高>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

2.0

ひねりも工夫もないラッセル・クロウの悪魔祓い、その豚のような体格そのままに鈍くてずさんな100分弱。監督の前作『サマリタン』もそうだが、王道(力技)というより単にイメージが貧困なんだと思う。トラウマを>>続きを読む

コンフェッション(1998年製作の映画)

2.5

90年代トレンドの一つジョン・グリシャム的なミステリーに寄せているのだと思う。ばればれでバカみたいな変装している犯人を大まじめに映している間抜けな映画は嫌いじゃない。映画における「変装」って何なんだろ>>続きを読む

108~海馬五郎の復讐と冒険~(2019年製作の映画)

2.0

映画としては論外で、コントとしてはナイーヴ過ぎる、AVとして見ても抜けないし、ポルノ(映画)の括りにしてはセックスを舐め腐っている。それでも、その無駄な100分を松尾スズキの「表現」として俺は受け止め>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

4.0

やんちゃで狂ったように暴力的で、それでいてどこか切なくて守ってあげたくなるクロエ・グレース・モレッツが俺たちは猛烈に見たいんだよ!という『キック・アス』から思考が停止している全世界のキチガイマゾヒスト>>続きを読む

パリ 05:59(2016年製作の映画)

2.0

ハッテンバーでの男たちの濡れ場が冒頭20分。吸茎も挿入もあるモロ出しだが、射精が足りない。ドドスコと鳴り響く音楽と共に行為を見せていくだけなら洒落たMV止まり、それから映画に一段上げるには精液が大切。>>続きを読む

死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

2.0

激安団地でどうにか暮らしている低所得層の家族が「死者の書」を見つけて親子もろとも地獄堕ちって全然乗れないのだが。悲惨な目に合い、殺されるべきクズはもっと他にいくらでもいるだろ。
刺青彫ってる母親があっ
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7月14日の娘(2013年製作の映画)

2.5

それなりに映画のツボを押さえた作品を狙ってはいて、夏(バカンス)というより「遊び」の映画で、そこで土台になるのがゴダールやロジェ、リヴェットあたり。出鱈目なバカ映画へのアプローチはインテリ(映画狂)が>>続きを読む

ハート・オブ・ストーン(2023年製作の映画)

1.5

ネトフリ大作のいつものゴミ。アクションは軽くてペラペラ、わざわざ興を削ぐ方向へと無駄にひねる展開(ストーリー)。
映画館に行くまでの面倒もなく、月に幾らか払って適当にチョイスした映画を片手間に眺めてい
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

偶然=神からの啓示(だと勝手に思っている人の妄想)を物語にするのは、俺も好きなんだけど、シャマランが描くと、なんだか過去作の焼き直しにも見えてきたりして。それがマトモ(真実)なのか異常者(パラノイア)>>続きを読む

マンハッタン殺人ミステリー(1993年製作の映画)

3.5

そして、ミア・ファローとは不幸な結末を迎え、その役を引き継がせながらダイアン・キートンを再登場させるウディ・アレン。久しくなかったアレンの気味の悪い(本気)笑いも見れたりして心底楽しそう。冬の、おそら>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

2.0

ホームランキャッチするメキシコ人が面白すぎる。あいつのふざけた表情だけ満点。ドキュメンタリーとしてはTVサイズの凡作。世界と戦うガチのスポーツ選手を映しているはずなのに、陽の部分、前向きな姿しか見せて>>続きを読む

ナイフ・プラス・ハート(2018年製作の映画)

3.5

これだけ好き勝手に撮っていると、こちらも見ていて勇気づけられる。表現に限界はないと言うか、作り手のど真ん中にある世界観のツギハギで一本表現にしてしまうど根性。それが許されるのも才能。
クラブをどう(格
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.0

時間軸ぐちゃぐちゃにしてサスペンス風なんだけど、実際は生き残ってしまった人の喪失のドラマで、そのあたりがマチューは監督としては真面目過ぎる。「悪い」方向にいつでも舵を切れる作りだが、ハネケやミシェル・>>続きを読む

スカイ・ハイ(1975年製作の映画)

3.0

能天気にジミー・ウォングと関わってしまったがために善人も悪人もデタラメに死にまくる。どれだけ切られて血を吹いても、一人涼しい顔して生き残るジミー・ウォング。男は殺して女は抱くが基本。格闘も強いがセック>>続きを読む

65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

2.0

寝起きでムニャムニャしながらよく見ずにU-NEXTで購入したら、いつもの399ポイントではなく1500ポイント!、知らない町で財布を落としたときぐらい動揺して過呼吸。
『ジュラシック・パーク』のバッタ
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.0

動物が助けに来るのは『フェノミナン』だけど、『デスプルーフ』を見て殺人鬼を白いバンに乗らせたとか言ってるぐらいなので、飼い犬に合図して飛びつかせるのは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の>>続きを読む

人類遺産(2016年製作の映画)

3.0

ナレーションは入れずテロップも付けず、異形の遺産として存在している廃墟の映像集。荒れ果てた床を本や雑誌、無数の用紙が埋め尽くしている廃墟。壁や天井に穴が空き、そこから光が射し込む廃墟。資料のひとつとし>>続きを読む

金曜日の夜(2002年製作の映画)

2.5

渋滞に巻き込まれている人々の生活が垣間見える前半は、人生のどん詰まりと停滞がうまいこと重なり、ぼんやりと心地よく受け止めていたが、男と女がえらくあっさりと逃避のように結びついてしまう後半は、その無意味>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.0

潜水艦は難しいのよ。よっぽど上手く撮らないと安っぽく映る。画もペラペラで、長すぎる映画の冒頭としては失敗している。俺がプロデューサーなら最初の三十分削って砂漠から始めるね。
これがスパイ活動なのかどう
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アリス(1990年製作の映画)

2.5

退屈な男や無意味な金儲け、大衆のゴシップなどから離れ、己の道を歩んでいくミア・ファロー。現代でもリメイク可能な中年女性の自分探し映画……なのだが、どうもウディ・アレンの気持ちが乗っていないと言うか、フ>>続きを読む

ウディ・アレンの重罪と軽罪(1989年製作の映画)

4.0

マーティン・ランドーの愛人殺しの話とウディ・アレンの売れない映画監督の話、二本を一本にしているのが閃きというか剛腕というか。なんならアラン・アルダの成功している俗な表現者からも切り込めるし、志高くても>>続きを読む