よしだけんいちさんの映画レビュー・感想・評価

よしだけんいち

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映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.2

フィッシュマンズ、それはメンバーですら他人事のように語る、実在からかけ離れた怪物のような存在だった。
映画が、絶対に到達することのできない過去と死への純粋なセンチメンタルであることも拍車をかけるように
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梨君たまこと牙のゆくえ(2018年製作の映画)

4.0

吉本が一枚噛んでいることで、製作費を捻出してもらう代わりに、お笑い芸人をキャスティングせざるを得なかったのかと邪推した。

陳腐とも呼べるストーリー展開やカメラワークの間に差し込まれる陶酔的な映像に心
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Grand Bouquet(2019年製作の映画)

3.5

あんまり好きではなかった。
が、インタビューで監督自身が死んでしまいそうな時期に作ったことを聞いて妙に納得をした。
一見するとレイプやDVといったジェンダー的キーワードを連想させる。

個人的にはSN
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Wheel Music(2019年製作の映画)

4.0

日常の中に潜む陶酔

例えば、街の小さなクリニックでの何気ない会話。
会話の主題となっている藻の茂る水槽に住まう金魚の鮮やかさ。
その会話はこっそり録音したものだろうか。

自転車に乗る姿を後方から撮
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国葬(2019年製作の映画)

4.4

この作品を観た後、何を思うのか。鑑賞者自身に委ねられている点に大きな恐怖を感じる。
独裁政治とはこうも人間の創造力を破壊し、想像力を蝕んでいくのか。その恐ろしさと滑稽さが詰め込まれている。

本作は、
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コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

4.0

都市を空撮したショットの後、すぐに差し込まれるICチップや半導体の画は人間の行為の本質である模倣を示唆している。
最初の壁画も後世のビル群を描いているようにしか見えないのは、人間のイマジネーションと知
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.2

恋する惑星を見た次の日に、友人と上野で飲んだ。
締めにラーメンでもと秋葉原に向かっていた道中、知人が酒屋のテラス席で見知らぬ男性と食事を取っているのが見えた。
声を掛けようか一瞬迷ったが、知人といって
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恋する惑星(1994年製作の映画)

4.5

街が用意した偶然の出会いを、カメラで写し撮ったただそれだけの作品でありながら、そこには我々が運命と呼ぶ取捨選択の反覆の末の、一本通った糸の美しさと儚さが表出している。
東京だけでなく、現代の“街”がそ
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Tokyo Noise(原題)(2002年製作の映画)

3.8

都市は人間にとっての森である。
本能が隣り合わせになり、触覚同士の絶え間ない邂逅により愛情と憎悪を生み出す。
セックスから殺人に至るまであらゆる誕生と破壊が繰り返されることを意図して、ビルを大木に見立
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.5

二項対立を執拗に強調するが、そこから抜け出さなければ争いがなくなることはない。
宮崎駿はアシタカ、モロ、シシガミ様の三者に超越者としての属性を付与しているように見える。アシタカはその瞬間での自分の選択
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

ノーラン版サマータイムマシンブルースなのは確かなんだけど二回目でなんとなくわかりました。

一見悪の権化に見えるセイターが一番達観している。
並行世界の存在が前提だとすると、セイターはアルゴリズムと逆
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大海原のソングライン(2019年製作の映画)

1.0

少数民族や彼らの文化に対する敬意を感じない上に、随所に差し込まれる軽薄限りない環境問題への訴えは、個性や文化を一方向的に捉え硬質化させる非常にグロテスクな表現である。
不快極まりない映像、音楽であった
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

2.5

淡々とスケートとバカやってる映像だけでよかった。
親子関係や友情関係といった描写が非常に陳腐で、ノイズとなり苛立ちを感じた。
日本の月9ドラマと同じ分類ではないでしょうか。

インセプション(2010年製作の映画)

4.5

ノーランは完全に変態です
その変態性は説明することできないほどなので、深読み探偵 岡江門さんの30話に渡るNoteの考察を読んでいただきたいです!!

https://note.com/okamasa
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花様年華(2000年製作の映画)

4.0

未来現在過去
時間の進行はそこに重層的な構造を感じさせるものである。
しかし、その時間を表すはずの時計は秒針・分針共に回り続け、ある種の不変性を含んでいる。

変化のない日常、寸分の狂いなく訪れる毎日
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.0

画面内構成へのこだわりが随所に光る作品でありながら、ギャグシーン等脚本の緩急、テンポの良さを保つのはさすがポンジュノ
勿論ソンガンホ他演者も凄い

実際の犯人が刑務所かなんかでラストシーンを見てたと思
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

3.6

カット割とか演技とかライティングとか
全面的に商業映画感が漂いすぎてちょっとだったかな
ソンガンホだけが飛び抜けてた
ベタすぎる展開だったけど、そう思わせるほどのベースになった実話が気になる
5.18
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

3.8

労働=生きること
労働=アイデンティティ

つらいなあそんな世界。


一度あったことは思い出せないだけで忘れない。ってセリフが一番印象に残った。
最近ふと幼少の頃に見た景色や人の顔を思い出すことがあ
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.8

作画が素晴らしかった。
最初の夢のシーケンスから心と目をつかまされる。

闇には光、夢には現、男と女という二元論的対立から、最後は理事長と合体し世界の平穏を取り戻すが、そもそも夢と現実は対比構造ではな
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

出ていくべき街
そうしていろんな背景を持つ人が集まった大都市で生まれた俺は
どこに行けばいいんだろう

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

2.8

4DXで初めて鑑賞
椅子が思った以上に揺れたり、風が吹いたり触感が伝わったり、没入感は凄まじい。

この映画が作られた2009年は3.11の2年前。当時は今ほどSNSが発達してなかった記憶があるし、原
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

この映画は世界の真理そのものだ。
猿の持つ棒が宙に投げられ、宇宙船へのシーンへと移行するシークエンスは、木の棒が本質的には宇宙船を代表とする人間の生み出した"テクノロジー"と同義であることを示している
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不夜城 SLEEPLESS TOWN(1998年製作の映画)

3.8

相関図が全く入ってこないけど、アジアンな歌舞伎町が納められてた
馳星周読まないとね

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

カットと画、テンポが凄かった
家政婦シーンのモンタージュは圧巻
執拗ともいえる上下のメタファーはむしろ、ジョーカーにも通ずるような安易に「格差社会」を落とし所にしてしまう解釈が正解ではないと言ってるよ
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天使の涙(1995年製作の映画)

4.2

インターステラー にしろ、ビデオって本当に感動的だな

香港や台湾は街に人が生きてる、息遣いを感じる
今の日本の街にはそれが足りないね

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