プロジェクトXものとして、抜群の見応え。ただ、プロジェクトが完遂された先に待っているのは、大量殺戮とそれによって不可逆的に変わり果ててしまった世界。世界中に拡散されていく原子力の連鎖反応は、人類が制御>>続きを読む
人類皆変態。変態が変態を傷つけ、変態が変態を裁き、変態同士が寄り添い合って生きてる。「多様性の受容」とは、相互に受容し受容されること。ただ、多様な変態の中には犯罪者だって含まれてる。社会的に受け入れる>>続きを読む
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依存性のある快楽として、降霊体験を映像化してるのが新しい。言うなれば、サイケデリックなコックリさん。若者たちがそれにハマっていくことにも説得力がある。そんな刹那的快楽の先には当然、手痛いしっぺ返しが待>>続きを読む
宗教、政治、資源、血筋、科学と、あらゆる争いの火種が絡まり合いながら、破滅的戦争へと世界が導かれていく。それらの火種をコントロールする力を持った集団であるベネゲセリット達が、戦争へ続く扉を開ける鍵とな>>続きを読む
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巨大宇宙船が空に浮かんでる街で進行する、女子高生たちのモラトリアムな日常。ふと空を見上げれば、結構な非日常が来襲してきてる訳だけど、良くも悪くも、地上でやってることは来襲前と大して変わらず。いつ大爆発>>続きを読む
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映画や演技の魅力に目覚める一つのきっかけを与えてくれた、自分の中の記念碑的作品。そして、アンソニーホプキンスが演じるレクター博士は、サイコ演技の歴史に残る記念碑的名演。登場した瞬間から、品性と知性と強>>続きを読む
あったらいいなーと思うし、あり得なくはないけど、やっぱり現実には無さそうなシチュエーションが丁度いい。絶妙に非日常感のある出会いと街の中で、二人の他愛もない会話だけが、ほぼ全編に渡って映し出される。そ>>続きを読む
生々しさとリアリティに全振りした演出で、エンタメとしての華やかさは皆無。主人公がドキュメンタリーを撮ってるんだけど、その様子を撮ってるこの映画もドキュメンタリーみたい。ひたすらえげつない方向へ二転三転>>続きを読む
唯一無二のキメラであるベラが、世界を知り、人間を知り、自分自身を知る大冒険の物語。歪んだクリーチャー愛やエログロ趣味を突き詰めることで、それが鮮烈な人生讃歌へと昇華されている。超特急で成熟する肉体と頭>>続きを読む
フィルマークスでレビューを読むようになってから、折々で名前を目にするなーと思ってたカウリマスキ。この度、カウリスマキだったことに気付きました。失礼しました。そんな初心者が、代表作っぽい感じの本作から入>>続きを読む
主人公のウィルとカウンセラーのショーンが信頼関係を築く過程の会話に、笑いと知性が散りばめられていて引き込まれる。そして、人が容易には踏み込めない、深く埋もれた悲しみが垣間見える。それぞれの悲しみをぶつ>>続きを読む
陽キャヤクザに対する、眼鏡中学生の冷徹なツッコミが映える。性格も立場も全く違う凸凹バディはフィクションの世界に沢山いる中で、なかなか新鮮な組み合わせ。そして、X JAPAN「紅」へのトリビュート映画で>>続きを読む
神戸牛、イベリコ豚に続くブランド、フレンチヴィーガンの映画。倫理観のネジがぶっ飛んだネタの数々が、いかにもフレンチブラックコメディ。どこまで笑いとして許容されるかは、人によって国によって大きく変わりそ>>続きを読む
発達障害を持ち戦争も経験した、黒柳徹子の幼少期の自伝なんだけど、如何に大変な思いをしてきたかではなく、如何に多くの愛情に恵まれていたかが印象に残る。見てる自分も、深く大きな愛情に包まれたような気持ちに>>続きを読む
過去作のキャラがバンバン復活するし、極悪ヴィランがほいほい味方になるし、シリーズを重ねるたびに加速してきた節操の無いサービス精神が、ラストスパートに入ってる。MEGAMAXとの関わりが特に深い。サブタ>>続きを読む
浄化と癒しを与えてくれる、世界一優しい日常のルーティーン動画。ふとした瞬間に生まれる、自然の美しさや人の小さな営みの中に、微笑みを見出す主人公の平山。変化のないルーティーンのようで、そこには常に新鮮な>>続きを読む
ヒューマンミステリーとしては、非常に見応えがあった。穏やかな幸せを求めただけの人間が、求めていたのとは真逆の道を歩まざるを得なかった顛末が、彼女と関わってきた人達の群像劇をとおして語られる。杉咲花の演>>続きを読む
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アマプラで「クリスマス」と、試しに検索してみたら上の方に出てきたので再生。高枝切りバサミが体から生えた、剪定士兼美容師の恋物語。
人と違うということは、人より劣っていることでもなければ、人より優れてい>>続きを読む
王道アクションアドベンチャーに、SFとミステリーが練り込まれていて、エンタメとして非常に手堅い仕上がり。主演が80歳であることを除いては。もちろん、若い頃ほどの激しいアクションはできない。その代わり、>>続きを読む
やっぱり、ウィリーウォンカ性格変わり過ぎだよなー。あんなにキラキラした顔で、真っ直ぐに夢を追ってたティモシャラ・ウォンカが、こんなに屈折したジョニデ・ウォンカになってしまうまでの過程が知りたい。とか思>>続きを読む
最初からニコニコしながら観てて、最後までニコニコしてた。豪華な教育テレビみたい。もしくは、歌のお兄さんになったティモシャラのPV。ティモシャラなんでもできるな。まさに絵本のような世界の中で、その奥にな>>続きを読む
犬神家に妖怪が絡んだことで、より救いがなくなった感じの因習村。方々の団体がざわつきそうなくらい、因習の中身が振り切ってるので、子どもの耳元には、手のひらでミュートスタンバイが必要かも。一方で、キャラク>>続きを読む
記録映像としての所謂ドキュメンタリーではなく、人間デヴィッドボウイを、彼の楽曲やパフォーマンスとともに全神経で浴びる映画。デヴィッドボウイ教を布教する為の、啓発映画のようでもある。歴史的価値があると思>>続きを読む
ハリウッド映画制作にあたって、今や不可避なタスクと化した、ダイバーシティというテーマの取り扱い。そんな現状を冷めた横目で流し見しつつ、やたら楽しそうにピンク色の毒霧を吐きかけていく映画。スタイル抜群な>>続きを読む
序盤、あり得ないようなことが突発的に起こると考える新人映画監督の主人公と、物事が起こる背景には必ず理由があると主張する助監督が、平行線の言い合いを延々と繰り広げる。この主人公には、全編通して石井監督自>>続きを読む
サーチ2と銘打ってはいるけど、監督、脚本、キャスト総とっかえだし、原題には2なんて入ってない。…あやしい。本当に続編なのか。これはひょっとして、日本の配給会社がやっちゃってるのでは…とか思いきや、蓋を>>続きを読む
日本映画と山崎監督の、良いところも悪いところも全開のドラマパート。寅さんに出てきそうな下町情緒あふれる登場人物達が、ケレン味たっぷりの分かりやすい演技で、出力100%の感情をぶつけ合う。御都合主義上等>>続きを読む
憎しみ合いの源を辿っていくと、多分どちらにも悪意なんてなくて、あるのは性質の違いだけ。その違いは、潰し合う為ではなく、欠落を補い合う為のもの。相手を受け入れることは、自分の欠落を認め傷つき変化すること>>続きを読む
予告編観ればほとんど展開は読めるストーリー。器となる大筋は、そんな通り一遍のものでしかなかったので、そこに込められた中身によって、こんなに心を動かされるとは思わなかった。その中身をちゃんと受け取る為に>>続きを読む
オットーでマークフォースター監督に興味が湧いたので、また癒されたくて鑑賞。
叶えたい夢や守りたい生活があって、その為にみんな必死で頑張る。でも社会に揉まれる中で、必死になりすぎるあまり、本来の目的を犠>>続きを読む
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何度も全部投げ出したくなるけど、落ち着いてゆっくり死ぬこともできないし、とりあえず目の前に立ち塞がるタスクを、条件反射のようにやっつけていく。そんな煩わしさに命を繫ぎ留められながら、綱渡りで乗り越え続>>続きを読む
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完全に姿を現してなくても、悪魔がすぐそこに差し迫ってることが、演出の工夫でひしひしと伝わる。劇中に出てくるキーアイテムになぞらえるかのように、錯視と現実の狭間をいくような、視覚に訴える演出が効果的。特>>続きを読む
残機がいくらでも残ってると思って、気前よく命を浪費してきたヒーロー猫。逃れようの無い死と真正面から相対して、初めて本気で焦り始めるあたりがやっぱり猫。でも、そうやって死と向き合うことを通して、100万>>続きを読む
単品映画だったらちょっと物足りなかったかもしれないけど、死霊館ユニバースの広がりを補強する作品としては、そこそこいい仕事をしてた。朽ちかけた教会の佇まいや、禁忌を侵してる空気感がムンムン漂う礼拝堂のシ>>続きを読む
そもそも、大災害や殺し合いをエンタメに仕立ててしまうのは、よく考えなくても滅茶苦茶不謹慎なことなんだけど、それによって豊かになったり癒されたりする人生がたくさんあって、あくまで結果オーライだから、映画>>続きを読む
未知の世界への好奇心と未知の種族への恋心に浸食されて、海と陸を隔てる国境が消えていく。みんながハッピーな政略結婚。カラフル華やかな映像や、バリエーション豊かなミュージカルシーンは、安心安定のディズニー>>続きを読む