nagaoKAshunPEiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

nagaoKAshunPEi

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エル・クラン(2015年製作の映画)

3.5

アルゼンチンの独裁政権がようやく終わったのに、うちの親父の独裁は、なかなか終わらず、むしろ悪化する一方で…というなんとも皮肉が効いたオープニングから見事。
さらに全編に渡って、暴力と日常生活、暴力とセ
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神様の思し召し(2015年製作の映画)

4.0

ゲイには寛容だけど、神とか宗教の類いは全く信じていない現実主義的な父親に、息子が神父になりたいと言ったことから始まる、イタリアのコメディ映画。

息子の神父になりたい宣言から夫婦不和、そして家庭崩壊寸
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.5

この映画を観て、「あれ?夏休み明けてあいつなんか雰囲気変わってね?」っていうあの感覚が万国共通だということを知りました。

映像魔術師ミシェル・ゴンドリー最新作は、クラスのはぐれ者2人組による一夏のD
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SCOOP!(2016年製作の映画)

3.5

冒頭の長回しで心を鷲掴みにされ、どこかに美味いエサ(ネタ)は転がっていないかと、さもゴキブリのように東京の繁華街をカメラを抱えて這いずりまわる前半は、胸が躍った。
福山雅治演じる都城の、でかいネタのた
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.5

「青春」という言葉が、若者という限定された年代に向けられた言葉でなければ、この映画は紛れもなく中年による「第二の青春」映画だろう。
函館の職業訓練学校の淡白なスクールカーストを描くのと同時に、過去に傷
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.5

『宇宙兄弟』という漫画のなかに、「ネクタイを締める理由はなにかって?それは、仕事が無事に終わったときに、“緩める”ためだ」というセリフがある。
つまり、ネクタイを“緩める”という行為は、服を公的なもの
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怒り(2016年製作の映画)

4.5

「立入禁止」と書かれていると入りたくなる。「押すな」と書かれているのに押したくなる。よせばいいのに…と思うことほど知りたくなる。これが人間の性なんだろう。
「信じること」をしなければ、人から裏切られる
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レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

4.5

間違いなく、家族の映画であり、人生の映画であり、愛の映画だった。
誰かを好きになり、親となり、そしていずれくる別れがあり、人生の尊さや儚さが滲み出ていて、まさかここまで琴線に触れるとは思いもしなかった
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ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

4.0

したコメ映画秘宝祭にて。

『グリーンルーム』にばかり目がいっていて、ほぼノーマークだったけど、期待を良い意味で裏切る豪快なスラップスティック・バディムービーで、面白った!
ライアン・ゴズリング演じる
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グリーンルーム(2015年製作の映画)

-

したコメ映画秘宝祭にて。

極貧バンドが辺境の地にライブしにやってきたらネオナチの巣窟だった!
張り詰めた緊迫感と景気のいい切り株描写、あと所々抜けのあるほどいい笑いが、会場の一体感含め楽しめた。
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カンフー・パンダ3(2016年製作の映画)

4.0

前作のラストに示された、主人公ポーの生みの父親(パンダ)が登場で、育ての父親(ガチョウ)と血なまぐさい親権争いに突入…⁉︎なんて内容では全くなく、魂の世界から蘇ったかつての達人を相手に、お得意のポジテ>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

2.5

ハーレイ・クインことマーゴット・ロビーがひたすら尊い映画だった。
彼女がスクリーンのなかで、動いて、しゃべって、高らかに笑っているだけで、目が離せなくなるほど輝きを放っていた。凄まじい求心力。つまり最
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グランド・イリュージョン 見破られたトリック(2016年製作の映画)

3.5

強きを挫き、弱きを助けるアメリカ版鼠小僧、フォー・ホースメン再結集の続編。と、思いきや前作とは女性メンバーが変わり、さらに絶対正義メラニー・ロランがどこかに左遷されてしまったのか、映画から離脱してて残>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.5

普段、新宿を拠点に映画を観ていると、都会のど真ん中にありながら緑溢れる新宿御苑は言わずもがなだけど、それ以外の部分(電車から見上げるビル群、都会の喧騒など)をここまで美しく描けるのかと感嘆してしまう。>>続きを読む

星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.0

ジブリ作品、主に2011年までの宮崎駿作品を全部観れた気になれる不思議な作品。
この作品のこと思い出すと、キツネリスと飛行石とロボット兵とジジとだいだらぼっちと白とカリオストロの城とかいろいろ出てきた
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

はじめ観たときは、叙情的で叙情的な三話からなる物語のなかでも、物理的な障壁に悩まされる「桜花抄」が断トツで好きだったんだけど、最近は精神的な障壁に阻まれる「コスモナウト」が一番好き。
弓道部に入り、お
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.5

宇宙が夢見るという発想の奇抜さや、北海道(蝦夷)と本州を境に分断された日本という独特の世界観が面白かった。
並行世界の合致や思いを寄せ合ってた2人が巡り会う場面など、『君の名は。』に繋がっていく展開が
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ほしのこえ(2002年製作の映画)

3.0

戦争で宇宙のはるか彼方の最前線まで行ってしまった超エリートな女子となんとかしてそれに追いつきたい男子の8光年離れた遠距離恋愛。
8年越しに届く、メールのありがたみたるや。

彼女と彼女の猫 -Their standing points-(1999年製作の映画)

3.0

猫の視点から見るモノクロな世界。点描される写実的な風景描写と新海誠独特な台詞回しが花開いた記念碑的なショートムービー。
主人公の猫チョビが、まどマギのキュウベエに似てて、可愛いのとどこか怖いのと半分半
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.5

歯が鳴るぐらい、むせび泣いた。
物凄く月並みな感想だけど、本当素晴らしかった……。
男女入れ替わりものからさらに1段階も2段階も踏み込んだ綿密なストーリーから、目を奪わられるような美しい画面など、たく
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

4.5

夏の終わりと新学期の始まり。
アメリカの郊外の街で起こる、学生たちのスリープオーバー(お泊まり会)を描いた群像劇。

アメリカという国に生まれたわけでもなければ、海外旅行に行ったことすらない自分が、新
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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

3.5

アイルランドのセルキー伝説を下敷きに、母の不在によって不仲となった兄妹が、ひとつの冒険を通して、ひとつの家族になっていく。

特徴的な流線型のビジュアルとキャラクターたちがとても愛らしく、大人にも子供
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イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

総勢11人+1匹による群像劇が、ラストで一同に交錯したあの瞬間を見て、映画全体を通して、各々の走馬灯のようなものだったと感じた。

起こりうる全ての物事は、偶然であり必然である上、もちろん「死」とい
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ペット(2016年製作の映画)

3.5

「人間が家にいないとき、○○は何をしている?」という、ピクサーで言うところのトイ・ストーリー、日本とかで言えばとっとこハム太郎など、もはや出してしまったもん勝ちの大喜利ジャンルを、『ミニオンズ』のイル>>続きを読む

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

3.5

20を過ぎてから観たせいなのか、オリジナル2作のゴーストバスターズをそこまで面白いと感じることができず、正直バスターズに対しては懐疑的な思いを抱いてたんだけど、今作は面白かった。

バスターズ4人とイ
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ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

4.5

父の影響で友人のアールとパロディ映画を作るほど映画オタクなグレッグは、学校では全てのカーストに所属することで、極力、目立たぬよう生活を送っている。
常に世間体を気にし、八方美人。それゆえに広く浅い人間
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.5

ゴジラの新たな幕開けを告げる「今」の怪獣映画であるのと同時に、会議における各者の発言による視線誘導と画面の上手下手を意識した二項対立構図の構築がめちゃくちゃ気持ちいい会議アクション映画で物凄く面白かっ>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

4.5

天災であり、人災であり、今なお君臨し続ける初代の圧倒的存在感。
そして、映画を盛り立てる伊福部昭の劇伴が、初公開から半世紀以上経った今でも、色褪せない高揚感と恐怖感を煽る傑作。

喝采(1954年製作の映画)

3.5

落ち目にある舞台俳優フランク(ビング・クロスビー)が、彼の妻ジョージー(グレイス・ケリー)と舞台演出家バーニー(ウィリアム・ホールデン)の助力もあり、過去のトラウマを乗り越え、再び舞台に立つことを目指>>続きを読む

ヒップスター(2012年製作の映画)

4.0

『ショート・ターム』のデスティン・クレットンの初監督作。

大切な人を失った人間の自棄と再生の物語。
日本での出世作となった監督2作目の『ショート・ターム』と比べてみても、一貫した作家性と人間の温かみ
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

4.0

一見、短所に見えがちな特性も、見方を変えれば長所になるというメッセージに見られる固定概念の転換はこれまでのピクサー作品でも顕著に描かれてきたものだが、今作はハンディキャップという、割と重めな題材を自然>>続きを読む

時をかける少女(2006年製作の映画)

5.0

角川シネマ新宿の細田版時かけ10周年記念リバイバル上映にて。

何度観ても大好きだなと思うのと、今作観ると夏始まったなという気になる。

たとえ、時間を越える能力を持って何度同じ時間に戻ったとしても、
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暗殺(2015年製作の映画)

3.5

1930年代の日本占領下にある朝鮮半島を舞台に、日本からの独立を目指す韓国のレジスタンスと日本軍、さらにレジスタンスを始末するべく雇われた殺し屋の抗争を描く。

予告を観る限り、かなりシリアスな空気か
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ブルックリン(2015年製作の映画)

4.5

素晴らしかった。
人生は選択の連続で、複数ある選択肢を並べられたときに、必ずなにかひとつを選ばなくてはならない。
そして、何かを選択をするということは、何かを得ると同時に、一方で何かを捨てなければなら
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ペレ 伝説の誕生(2014年製作の映画)

4.0

目立ったエピソードや事実を羅列するあまり、一本の映画として平坦な印象になってしまいがちなのが伝記映画というジャンルだけど、今作は一本通して起伏に富んだサクセスストーリーになっていた。

ペレの生い立ち
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ジャズ・シンガー(1927年製作の映画)

3.5

諸説ありますが、世界初のトーキー映画。
厳格にはパートトーキーで、無声映画のときから映画に合わせて生伴奏があったという記録もあるし、日本では映画に合わせて活動弁士が解説していたという例もあるけど、実際
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