Natsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.5

語り継がれる音楽ドキュメンタリーは数あれど、それらはあくまで過去のもので、まさかリアルタイムでこのような傑作の公開に立ち会えるとは思っておらず、興奮を抑えきれない。フェスの映像とパフォーマンスが素晴ら>>続きを読む

アナザー・カントリー(1983年製作の映画)

3.5

おそらく初めて観た"パブリックスクール"モノで耽美を期待していたために、政治的な台詞の応酬に乗り切れなかった記憶。後にモデルになった人物を知るとかなり薄めてあったのだと気づく。

はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

ノンフィクションとは思えない(思いたくない)ドラマチックな面白さ。信じられないほど軽薄な人間が次々に登場し、特に前半はテンポの良い編集に大笑いしていたのだが、徐々に真顔になっていく…
これがコメディで
>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.5

マッツに冴えない高校教師させたら色気が滲み出てしまう、それはしかたのないこと。おじさん4人でバースデー祝ったりバカな飲み方してるの、わりと幸福な人生では?と思ってしまった。
デンマークの飲酒事情や高校
>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

陰影の美しい撮影、絞られた音の演出、ボリショイバレエの「白鳥の湖」、何よりもカンバーバッチの役者としての生き様が、重厚なドラマを完成させている。

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.0

容赦ない対比で浮き彫りになるマイケルの孤独の美しさよ。

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.0

ドン(マーロン・ブランド)の佇まい、マイケル(アル・パチーノ)の変貌ぶりに痺れる。音楽、撮影の陰影、洗礼シーンからのカットバック、全てに隙がなく秀逸。女たちの扱いはいただけないが、あのラストをやりたか>>続きを読む

河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

4.0

キャラデザがリアル寄りで可愛くないのだがすぐに愛おしく思えてくるクゥやオッサン(犬)たち無垢な存在と、小学生でも容赦ない愚かな人間描写の対比が辛辣で良い。

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.5

前半の緊張感と唐突なラストに疲弊する。ハビエル・バルデムの殺人鬼が至高。

二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.0

戦場の描写が全く出てこないのにこれほど力強い反戦映画があるだろうか。終戦から7年経って発表された小説を原作とし、その2年後に公開された本作にどれだけの想いが詰まっているのかが画面の端々から伝わってくる>>続きを読む

陸軍(1944年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

有名なラストの実際の出征シーンで、そこに至るまでの当時の日本の軍国主義の異常性が浮き彫りになる。本作が陸軍省後援として検閲を潜り抜け1944年12月に公開されたというのは考えさせられる。

ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

3.5

1956年の公開当時、敗戦の記憶も新しい人々にとっては美しい鎮魂歌であったのだろうか。

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

3.0

(公開当時の)現役首相についての政治ドキュメンタリーが日本で作られたことは良い傾向で、劇場も盛り上がっていた記憶がある。ただ挿入されるアニメーションや演出については絶望的にセンスがない。赤旗編集部への>>続きを読む

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

3.5

「目を見開いていれば気づけた」、もう二度とこんなことを口にする未来があってはならない。
原題は破滅、崩壊、滅亡といった意味で、ヒトラー自身というよりもその周囲がいかにして敗戦を迎えたかを描いたドイツ制
>>続きを読む

わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.5

非常に興味深い内容で、アメリカ制作なところもまた面白い。

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

I'm smart! I'm brave! I'm the coolest! そして唸る!
この夏の傑作だった。女の人生と信仰の話。「人間だって信じられる」という台詞からタイトルの"Saint Fra
>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.5

問題の多い料理店ワンカット映画。鑑賞後の疲労感たるや。ロンドンの労働環境としてのリアリティに打ちのめされる。

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

最高のアトラクションムービーには違いないのだが、前作の後アメリカが現実の世界で何をしてきたかを考えると手放しで絶賛はできない。"Don't think."は無理だった。
まぁ劇場で爆音Danger Z
>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

おそらく意図したよりもポン・ジュノフォロワー作品になっており、これなら日本でやってほしかったというのが正直な感想。役者陣は総じて素晴らしい。

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

音と静寂、月と暗闇。ラストの海辺で月明かりに照らされる背中に天使の羽が見える。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ワンダがヴィラン超えてホラーになってしまったのが悲しすぎて評価が難しい。ダニー・エルフマンの劇伴と音符バトルこれは好きなやつ。

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ワーナーロゴから景気が良い。バズ・ラーマンらしいスピード感のある編集で、アメリカ史を交えながらElvisの音楽的ルーツを追体験できる。Doja Cat、Diplo、Maneskinなどの劇伴も楽しい。>>続きを読む

罪と女王(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

安易なジェンダー観の揺さぶりだけにとどまらず、彼女も過去に被害者であったことが示唆され、冒頭と終盤に同じシーンが繰り返される構造によって、加害の連鎖を浮かび上がらせる。