ももんがさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

4.0

凄惨なドイツのホロコースト。風化防止に若者達に記憶伝承させていく。落ちこぼれクラス担当の歴史教師。魂を揺さぶる生存者の話’診療所’の存在が恐ろしい。団結したコンクール出場の結果はいかに。実話ベース。

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.0

タランティーノ監督のナチへの凄惨な復讐劇。幹部集結の千載一遇のチャンスを生かすべく集結するゲリラ隊。会場には関係者に扮した男、形見の映画館を捧げる女。作戦相乗効果のラストが最高にして壮絶。長いのが難点>>続きを読む

私がケーキを焼く理由(2023年製作の映画)

3.7

実話ベース。LAで暮らす社交的なコリンと内気なジェーン。人脈を広げるため手作りケーキ持参でクラブに出かける。そんな折コリンが病に倒れジェーンは彼女を看病する。美味しそうな前半と切ない後半。

レールズ&タイズ(2007年製作の映画)

3.8

女性監督ならではの母性愛溢れる作品。末期ガンの妻と機関士の夫。列車親子心中の生残り少年を引き取る事に。母に続き妻の病気を知った衝撃が可哀想。夫とジオラマで楽しく遊ぶ少年。二人は手を繋いで歩き出す。

すべてをかけて:民主主義を守る戦い(2020年製作の映画)

3.8

米国の根幹である民主主義。そのための選挙が国土の広さも相まって余りに複雑。選挙権を持つ白人男性に加え徐々にマイノリティも増加。危機感を募らせた白人は彼らを排除する様々な法律を施行する。日本は平和。

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

4.0

監督脚本主演ジア•リン。中国では異色のコメディタッチのタイムトラベルもの。事故に遭い母は重症。娘は過去に遡リ母を喜ばせるため大奮闘。ぽっちゃりヒロイン良いキャラ。母娘の想いに泣けた。

シラノ(2021年製作の映画)

4.8

ミュージカル仕立てのシラノ。美しいロクサーヌをめぐる切ない三角関係。聡明だが容姿に自信のないシラノと正反対のクリスチャン。代筆する彼が呟く’魂を貸すだけ’の言葉が重い。だが彼女は魂を愛した。

マイ・ルーム(1996年製作の映画)

3.7

反抗期長男を演じるレオ様初々しい。正反対の性格で20年も疎遠だった姉妹。父を介護する姉の病が発覚し妹家族が駆けつける。最初のうちこそ喧嘩するも徐々に打ち解ける。心開く長男。愛する人がいて幸せ。

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

北欧夏至祭の奇習か。凄まじいものを観てしまった。ヘルシングランド入口は異次元への旅。狭い共同体での独自の死生観と儀式はほぼカルト。白夜ゆえ赤裸々過ぎて余計に恐ろしい。友人達を誘った学生の真の目的に鳥肌>>続きを読む

狩人の夜(1955年製作の映画)

3.8

不穏なモノクロ映画。銀行強盗の父は死刑前に子供達にのみ金を託す。身分詐称男は母に近づき結婚後殺害。それ以来兄妹の逃避行が始まる。右手LOVEと左手HATEタトゥーが不気味。Rミッチャム怪演。

死体が消えた夜(2018年製作の映画)

3.8

まさに羊の皮を被った狼だった。大学教授の主人公は浮気相手を優先。妻の監視と束縛から逃れるため非道な手段に出る。執拗に追求する刑事。彼らの間には恐るべき因縁があった。気の毒なのは犠牲者。

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

3.8

著名作家の人生の冬に巡り合った瑞々しい少年。文才がある彼と衝突しながらも友情を築いて行く。私立に転校してからレイシスト教授と闘いが始まった。作家は若き友人に救いの手を差し伸べるのか。

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.0

戦争終結間際、味方救出中に顔面損傷した兵士。悲観した彼が存在を抹消するのが切ない。絵の才能での個性的な手作りマスクで立ち直る。年の離れた同居の二人に現れる救いの女神達。切ないラスト。戦友との再会は天国>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.9

いやいや何て恐ろしい母親だろう。手段を選ばない束縛と狂気に社会との隔離はネグレクト。母は禁断の薬剤すら自由に操る。その異常行動に気付き聡明な娘は脱出を図る。彼女が知った戦慄の真実とは。ヒロイン大熱演。>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

3.5

1960年、香港。監督ご贔屓の俳優達が多数出演。夜や雨が多く退廃的な感じの物語。好きなチャイナドレスもだるーい感じ。ヨディは不幸な出自だからか単に浮気者だからか。この一分を忘れないというキャッチも弱い>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.7

韓国大統領直属の諜報部員パク部長。彼が身を挺して決断実行しなければ、多くの人々が犠牲になったはず。尊敬した人が道を誤るのを見る憤りと悲しさ。名優二人の熱演が見どころ。軍事政権継続がやり切れない。

読まれなかった小説(2018年製作の映画)

3.0

トルコ映画。作家を目指し奔走する青年。傲慢さが気になる。文学論やら宗教論やら議論が延々と続く。読まれなかったのは訳がある。長過ぎたのと好みではなかったので挫折。

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

4.0

イランの可愛く健気な兄妹。利発な兄は可愛い妹の靴をなくす。貧乏ゆえ妹と自分の運動靴を共有する。幼い二人だけの秘密は苦労の連続。武骨な父は息子機転で臨時収入を得て自転車などを購入する。大黒柱は頑張らない>>続きを読む

シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

風光明媚なシチリア。想い合う二人。彼が失踪した深い闇に大人達は沈黙を貫く。彼女は懸命に捜索を続け彼も過酷な時を耐える。ラブレターを少しずつ読むシーンは涙。実話で余りの鬼畜誘拐監禁事件に言葉にならないほ>>続きを読む

ルージュ(1987年製作の映画)

3.7

芸妓ヒロインが何とも艶めかしい。仕草や眼差し赤いルージュの唇。チャイナドレスも色っぽい。あの世に来ない心中相手を幽霊となり探しに戻る情の深さ。果たして彼は生きながらえていた。悲しいかな愛は永遠じゃない>>続きを読む

ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)

3.8

教える喜びと学ぶ喜び音楽は生きる支え。まさに魂を揺さぶられる思い。不遇の教師と困難な生徒達。王道パターンに南米ならではの闇が付きまとう。名曲の数々が場面を彩る。彼らの成長と演奏会が素晴らしい。

戦争と女の顔(2019年製作の映画)

3.8

戦後のレニングラード。心の傷を持つイーヤと体の傷を持つマーシャ。マーシャの息子を預かるイーヤは重大な過失を犯す。マーシャは余りに残酷で自分本位な方法でイーヤに償わせる。戦争での女性の役目は多様だった。>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

3.8

チベット自治区の物語。中国の一人っ子政策に対しチベット古来からの死生観を描く。3人産んだ妻と牧羊に従事する夫。彼は祖父の輪廻転生を信じ妻に次の出産を強要する。女性を家畜扱いする様で不愉快。文化の内部告>>続きを読む

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.8

夫が冤罪で死刑になり一人娘と生きる母。彼女の勤務先が牛乳工場なのが象徴的。社会的立場の弱い未亡人は夫友人を信頼する。男の正体とは。誤審判事の謝罪はあるのか。コーランの雌牛。イスラム教に則った復讐。

ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

3.7

CGの動物達が個性的で楽しかった。陸と海の動物や昆虫まで。言葉がわかるのが良い。DRドリトルとイケメン助手君、仲間の動物達。瀕死の女王を救うため冒険の旅に出る。結果はいかに。動物園のツルアジサイがきれ>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.6

パレスチナ人のスレイマン監督作品。新作のため配給会社を探す旅に出る。故郷ナザレに始まりパリとNYを巡る。行く先々で出くわすユニークな場面。常に傍観者で無口な彼。アイデンティティのアピールが弱いかも。

ジョニー・イングリッシュ(2003年製作の映画)

3.6

誰もが知ってるMr.Beanのオリジナルの方が好きかも。これは007のパロディ版。英国秘密諜報局員、ユニークでシニカルかつ下品。女王の王冠をフランス人から守り抜く。彼は恐怖も危険も何も知らない。好きだ>>続きを読む

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

4.0

モスクワの繁栄理由を命懸けで探る記者。地方は目を覆わんばかりに凄惨な世界が。飢えと寒さで数百万人の犠牲が出たウクライナ•ホロドモール。歴史的大飢饉を始めて知った。スターリン悪政を彼が世に知らしめた功績>>続きを読む

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)

4.0

難民問題と家族の絆を描く。初めて難民受け入れを決めた裕福な家庭の主婦。家族を失い天涯孤独な青年。難民申請のため総出で力を尽くし彼も家族を慕う。家族トラブルや近隣知人の妨害も。いま一度家族の大切さを問う>>続きを読む

たちあがる女(2018年製作の映画)

3.7

バックの歌と演奏が効いてる、風光明媚なアイスランド。合唱団講師のヒロイン。裏の顔は過激な環境活動家。信念に基づき命懸けで孤軍奮闘する。ウクライナからの養子。反戦と地球温暖化への警鐘か。

GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)

3.8

世界には様々な理由で教育の機会がない子供達がいる。ケニアの現役高齢助産婦がひ孫達と小学校で勉強に励む。勉強への意欲は人一倍だが耳は遠くなり目も見えにくい。果たして彼女は勉強を継続出来るのか。

婚約者の友人(2016年製作の映画)

3.8

第一次大戦後。婚約者戦死の独人女性とその友人の仏人男性。彼が渡独した真の目的とは。真実と嘘、赦しと愛。彼は解放されたかった。心情がモノクロからカラーへ変化する。思い出のパリ。好意を抱いた彼女切ない。

チーム・ジンバブエのソムリエたち(2021年製作の映画)

3.7

混乱のジンバブエ。彼等は幾多の幸運と出会いに恵まれフランスに辿り着く。クラウドファンディングの力を借り、ワインのテイスティング大会に出場。未経験の彼等は大会のため奮闘する。その結果はいかに。

ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.8

天賦の才能とは時に何と残酷なのか。良きライバルに留まらず大切な人を傷つける。共に指揮者の親子。ミラノ座オファーは父宛ではなく息子宛だった。彼はどうやって父に伝えるのか。豪華絢爛な舞台での圧倒的演奏に魅>>続きを読む