Koさんの映画レビュー・感想・評価

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映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~(2018年製作の映画)

5.0

悪を恐れず正義を振りかざさず、肩肘張らず自惚れず、チームの為を考える。
人々の争いや衝突やズレや摩擦も、柔らかい心を持って連携することに集中すれば必ず温かい和音に変わる。
ぷにぷに。

処女の泉(1960年製作の映画)

5.0

物やしきたりによって詰まっていた栓が一気に抜けたように、美しく豊穣な泉が処女の遺体の跡から溢れ出す。

それは残された者達の悲しみを拭い去り、慰め許すようにも見え、
抑圧された少女の美しさの自由な開放
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ある結婚の風景(1974年製作の映画)

5.0

5時間という時間を使って夫婦という男女の関係、波の様に押しては返す心模様を描く。
余計なサイドストーリーも登場人物もなく、緻密な会話と繊細な演技のみによって、展開に真剣さが増していく。
後悔と温もりが
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

5.0

5時間半という超大作。
ラストスパートを駆け抜けてギリギリの体力でゴールへ辿り着き、マラソンを完走したのにまだまだ走りたくなる様な終わり方。
爽やかでスッキリしつつ、全てを説明し切らずに不思議な含みを
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

5.0

目を見て秘密を打ち明けられる友と、陽気に踊って喜びを分かち合える人がいれば、大切な人を失った悲しみの底からも、瓦礫に埋もれた街の角からも、何度でもやり直す事ができる。

叫びとささやき(1972年製作の映画)

5.0

赤い部屋に白と黒の服、ロウソクの灯りと陽の光と暗闇。緻密に構築された映像に目を奪われる。
叫びも囁きも、真紅の虚無に包まれた部屋では行き場を失いこだまし続ける。
揺れる緑と陽の光の下で、優しい人のみが
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野いちご(1957年製作の映画)

5.0

煩わしい人間関係の中にも人への親しみがあり、冷たい孤独の中にも静かな微笑みがある。

死や孤独からは逃れられず、分かり合えないこともある。
しかし顔を上げて心をひらけば、その中にそっと咲く野いちごのよ
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

5.0

自由と革命。その為の方法とそれに伴う犠牲についての教科書のような映画。

自由に荒野を歩みたい人もいれば、管理された部屋の中で安定した生活を送りたい人もいる。

大切なのは海や風や、太陽や笑顔。
必要
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夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

5.0

若い男達の革命の遂行を仲間の女性の視点で切り取った映画。

1人の男は1つの象徴に過ぎず、抹消しても更なる分裂と対立を生むのみ。
根源的な問題の解決にはならない。

男と女、理想と現実、権力者と労働者
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

5.0

『レーニンはベートーヴェンの「熱情ソナタ」を批判した。これを聴くと革命が達成出来ない。これを本気で聴いた者は悪人になれ
ない。』

確固たる信念の元、揺るがぬ心で冷酷に正義を遂行する国家。
脆く曖昧な
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パターソン(2016年製作の映画)

5.0

何の変哲もない生活を愛する者が、生活に愛される。
愛とは知らずに日々大切にしているものが、愛なのかもしれない。
読む度に深みが増し、何度読んでも感動する詩のように、日々は流れている。丁寧に生きようと思
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東京物語(1953年製作の映画)

5.0

小気味良いリズムと間で交わされる人々の会話と生活。それをじっとそっと切り取るカメラ。
都会の喧騒や海の穏やかさ、平凡で静かな優しさを象徴的に表す風景。
まるで自らの体験を回想しているかのような気分にな
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雨月物語(1953年製作の映画)

5.0

人間の意識は、心と体、夢と現実を行き来する。
起きたまま夢を見て、歩きながら手足の感覚を忘れる。瞬間的な妄想。
憧れと理想が五感を刺激して景色を変容させる。概念的な幻想。
人間の意識の微細な変化の流れ
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羅生門(1950年製作の映画)

5.0

強烈に主張する白と黒、その間を職人のように埋め尽くすグレーの映像美。演技を剥き出しにする役者。
朽ち果てた羅生門。土砂降りの雨。容赦なく乱雑に生い茂る森。美しい木漏れ日。雨上がりの静寂。
一切の無駄な
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山椒大夫(1954年製作の映画)

5.0

いつの時代も権力者には悪が蔓延り、悪者が権力を勝ち取り握り締める。
誠実な正義は涙の犠牲を伴って、一握りの優しさを握り締める。
時代が変わっても人間や社会の本質は変わらないのかもしれないが、
いつの時
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おとうと(1960年製作の映画)

5.0

家族という形態。血の繋がりという縁。姉弟という関係。
無条件に溢れる愛
注がなければいけない愛。
当たり前のように一つ屋根の下で暮らす人と人。
俯瞰して見れば学校や会社と同じ人間の集団だが、内側に入る
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