この邦題は、原題の直訳ではないので、ちょっとネタバレになっています。主人公のアントワーヌが驚愕の決断をする瞬間も、この作品のクライマックスの1つなのに、ちょっともったいないです。
彼は、テロリスト>>続きを読む
敗者三部作の3作目ですが、アキ・カウリスマキ監督の演出なので、フィナーレ的なエンディングはありません。むしろ暗転のタイミングが唐突の幕切れでした。
そもそも人生の勝敗って、どこで決めるのかわかりま>>続きを読む
いつも賛否ある(というかクオリティが不安定な)三池崇史監督にしては、かなり評価されていて、個人的にも好きな作品です。
ヤクザ映画なのに「初恋」というタイトルと若い男女のポスタービジュアルがアンマッ>>続きを読む
数年前に観ましたが、終盤の展開に理解が追いつかず、「なんとなく怖かった」くらいの印象のまま放置していました。ようやく2回目を観ましたが、あまり印象に変化はありません。
いろいろな伏線が話題になって>>続きを読む
ずっと観ようと思って20年越しになってしまいましたが、この独特な作風には中毒性があるかもしれません。すき嫌いはありそうですが、喜怒哀楽をはっきりさせない無機質な描写は、逆転の発想で人間性をうまく表現>>続きを読む
細田守監督と新海誠監督の存在で、こういう青春物語のアニメのクオリティは、かなりハードルが高くなっていますが、そこはクリアしている印象でした。地方都市の郊外にあるショッピングモールの再現度も素晴らしい>>続きを読む
山崎貴監督の作品は、「アルキメデスの大戦」がなかなかよかったので、太平洋戦争の開戦前と終戦後という日本では世界がひっくり返ったような時代の変遷はありますが、同年代を舞台にした作品として、ちょっと期待>>続きを読む
あまり期待せずに観るからか、最近のジェラルド・バトラーの作品は面白いです。航空パニック、サバイバルスリラー、ミリタリーアクションという、単体ではB級映画になりがちなジャンルをうまく融合しつつ、斬新な>>続きを読む
フランスの刑事裁判のことはよくわかりませんが、法廷劇の映画としては、これまでに観たことのない表現でした。いわゆる“いいテンポ”とは対極にあるような冗長な法廷の風景の描写は、おそらく意図的なものだろう>>続きを読む
宮沢りえさんは、彼女が映画デビューした「ぼくらの七日間戦争」(1988年)をリアルタイムで観ていました。とりわけ芸能人として興味があったわけではありませんが、自分とほぼ同年齢なので、最近はなんとなく>>続きを読む
実在のオーストリア皇后であったエリザベートのことは日本でも有名らしいです。この作品の彼女の物語は、かなり創作されているらしく、そこに批判があるようですが、個人的にはまったく予備知識がないので、普通の>>続きを読む
アキ・カウリスマキ監督の作品は、先日観たばかりの「マッチ工場の少女」が初めてでした。それと比較したからかもしれませんが、6年後のこの作品には、ちゃんと起承転結があって観やすかったです。
というより>>続きを読む
主演の男性3人の属性もよくわからないまま観ましたが、俗にいうアイドル映画でした。映像がウォン・カーウァイ風で、必ずしもキラキラの作風にはなっていませんが、終盤のバレエのシーンなんかは、観てるこっちが>>続きを読む
この作品は、40年以上前の小学生のころからテレビ放送されるたびに観てきました。親にはいつも「また観るの?」と言われつづけましたが、「音楽は何回も聴くのに、映画は何度も観てはいけないの?」という疑問が>>続きを読む
前作から監督が交替していますが、ほとんど作風にも変化がなく、いい意味で面白さを継承しています。相変わらずチョルリョンを演じるヒョンビンがカッコいいです。3人の刑事とジンテの家族である3人の女性たちの>>続きを読む
アキ・カウリスマキ監督の作品は、「過去のない男」が話題になったころに興味がありましたが、どれも観ないままになっていました。WOWOWで特集を放送してくれたので、この機会にいくつか観てみることにしまし>>続きを読む
フランソワ・オゾン監督の作品は、サスペンスやミステリーの要素がある「スイミング・プール」や「2重螺旋の恋人」など、とても抽象的だったり謎かけしたままだったり、いろいろに解釈できる演出が特徴的です。>>続きを読む
10年ぶりくらいで2回目を観ました。クリストファー・ノーランが製作者の1人で、ザック・スナイダーの演出とハンス・ジマーの音楽となれば、アメコミの実写化でも安心して観られそうですが、あまり評判がよくな>>続きを読む
日本で劇場公開された当時のことは憶えていませんが、シリーズの2作目を観られそうなので、とりあえず1作目を観てみました。続編の制作も納得できる(ほどよい)面白さです。
南北朝鮮を意識させる韓国映画は>>続きを読む
タイトルの「The Hateful Eight」は、日本人でもわかりますが、“韻”をふんでいて洒落ています。ただ、物語や映像は残虐でR18です。前回はWOWOWのR15版で観たので、頭部が吹っとぶと>>続きを読む
「ほかげ」は「火影」のひらがな表記なのでしょう。序盤に説明的な描写はありませんが、日本の終戦直後の人々の“心の傷”を表現しているので、「野火」とのつながりを意識させます。
前半は趣里さんが演じた女>>続きを読む
ノルウェーと言えば、ヨアキム・トリアー監督をイメージしますが、この作品は、彼の「わたしは最悪。」に似ていたかもしれません。物語の構造はまったく違いますが、主人公の女性が自己中心的という設定が共通して>>続きを読む
アルジェリアの「裸足になって」と似ているあらすじだなと思いつつ、かなり評判がいいので観てみました。
とても凝った(ところどころ奇抜な)カメラワークで、とりわけダンスシーンの躍動感がしっかり表現され>>続きを読む
高校生のころ、深夜にTV放送されていた“eZ”という音楽番組を観ていました。Epic SonyのミュージシャンのLive映像が貴重で、大好きだったThe Street Slidersやデビューしたば>>続きを読む
“…っぽくない作風”の最近の作品では、ガイ・リッチー監督の「コヴェナント/約束の救出」がありましたが、ロバート・ロドリゲス監督が自分の企画でこんな作品を制作するなんて、ちょっと意外でした。
あまり>>続きを読む
「アトランティス」からつづけて観ました。そこから時間軸では11年遡った2014年に設定され、ドネツク人民共和国(DPR)が登場してきた場面で納得しました。これも2022年2月以降のマスコミ報道などが>>続きを読む
ロシアがウクライナへの侵攻を再開した2022年、ウクライナ支援の一環で寄付金と鑑賞料がセットになった上映会がありましたが、まさかのSOLD OUTで観られませんでした。
ようやくレンタルDVDで観>>続きを読む
この作品のビデオレンタルが開始されたばかりの1995年、現在の妻が豊川悦司さんのファンだったので、「観たい」と言われて一緒に観ました。当時は邦画にほとんど興味がなく、岩井俊二監督も有名になっていなか>>続きを読む
序盤でジギーの父親が「ブルースはやるな。白人による文化の盗用だ」みたいなことを言います。息子のジギーはブルースをやっていないので、その会話はスルーされますが、ブルースファンの自分にとっては、ここが気>>続きを読む
数年前に観たときは、あまりに壮絶で凄惨な描写に「もう2度と観たくない」と思いましたが、8月15日のモチベーションなら観られそうと思いました。わずか87分の短尺ですが、3時間くらいの作品を観たときのよ>>続きを読む
2023年12月8日という日本の太平洋戦争の“開戦の日”に劇場公開され、翌年8月15日という“終戦の日”に観たのは、必ずしも偶然ではありませんでしたが、少し感慨深かったです。
ただ、先日は「この世>>続きを読む
数年前にオリジナル版を観て、ずっと長尺版も観てみたいと思いつつ、奇しくも79回目の“終戦の日”の前日に観られました。どのパートが追加されたのか、なんとなくしかわかりませんが、はっきりとグレードアップ>>続きを読む
これだけ人気があれば、3作目の劇場公開は納得でしたが、まさか地上波のドラマ化にはビックリでした。最初は絶対にフェイクだと思いました。普段はテレビを観ませんが、こればかりは観ないわけにはいきません。>>続きを読む
WOWOWの録画で観ましたが、R18の作品をR15相当に修正したわりには、ヘンなボカシなどが目立たなくてよかったです。意外とグロいシーンもそのままだったので、ほとんど興醒めせずに観られました。
た>>続きを読む
是枝裕和監督の過去の作品として、「誰も知らない」「そして父になる」「万引き家族」をミックスしたような印象です。100%の韓国映画なので既視感はありませんが、こういうテーマを追求しているところにこだわ>>続きを読む
セリフの“棒読み”にも、上手いものと下手なものがあるということがわかりました。濱口竜介監督の独特の演出は、しっかりと演技の基本ができている俳優さんでないと効果が発揮されないようです。
この作品の俳>>続きを読む