遺族のために故人を演じるという設定は、“レンタル家族”が登場する園子温監督の「紀子の食卓」を連想しました。あの作品もかなり“ぶっ飛んだ”物語でしたが、この作品の世界観もなかなか気味が悪いです。
“>>続きを読む
ガイ・リッチー監督とヘンリー・カビルと言えば、「コードネーム U.N.C.L.E.」の続編をずっと待っているのですが、あの作品からもさらに時代をさかのぼった別のスパイ映画でした。ただ、とにかく痛快で>>続きを読む
もうテレビを観なくなって20年以上になりますが、まだ子どもだった1980年代前半には、昼のワイドショーや夜の「〇曜スペシャル」なんかでオカルトや超常現象をテーマにした生放送が流行っていました。予想外>>続きを読む
大上の不在がどう影響するのだろうか…どうしても前作と比較してしまいますが、かなり作風が変化した印象です。大上は、いろんなことを皮肉りつつ、かなり達観した言動で巧みに役割を発揮していました。なんだかん>>続きを読む
フランソワ・オゾン監督の作品は、「2重螺旋の恋人」が好きですが、なぜか世間的には不評なようです。彼の作品にはいろいろな評価があると思いますが、最近の作風は物語の構造も含めてバラエティが豊富で、一概に>>続きを読む
離婚した夫婦の幼い子どもの境遇を描いた映画は、フランスの「ジュリアン」とロシアの「ラブレス」が強烈な印象でした。それと比較するのは間違っていますが、とてもソフトな万人向けの作品です。
30年以上前>>続きを読む
ヨルゴス・ランティモス監督の作品を過去から追って3作目ですが、「籠の中の乙女」「ロブスター」は、とにかく設定が奇想天外で、そのテーマもはっきり表現されないところがありました。それと比較すると、いわゆ>>続きを読む
ディアン&オドレイ・プレネ姉妹という双子のピアニストの実話だそうです。あらすじからすると、単純な連弾などではなく、1人が右手、もう1人が左手のような演奏だろうと思っていました。実際には、そんなレベル>>続きを読む
先日は「籠の中の乙女」を観たばかりで、なんとなくヨルゴス・ランティモス監督の世界観を理解したくて、つづけて観てしまいました。さらにクセのある作品で、この2作だけでは理解が深まりません。
相変わらず>>続きを読む
ヨルゴス・ランティモス監督の作品を初めて観ました。この作品は、当時も話題になっていましたが、妙な邦題とポスタービジュアルで、2人の清楚な少女が家庭で支配される物語だと思っていました。それも間違いでは>>続きを読む
4年前に観ましたが、ネタバレ厳禁の作品です。2回目を観ると物語の解像度が高まって、地味ながらも奥深いテーマに感心させられました。映像も演出も重厚感のある秀作です。
国選弁護人にも黙秘をつづける刑事>>続きを読む
先日は「グエムル -漢江の怪物-」を観たばかりですが、またまたソン・ガンホが一人娘を想うシングルファーザーを演じていました。少しぐうたらな父親がよく似合います。
1980年という時代背景もあって、>>続きを読む
ポン・ジュノ監督とソン・ガンホのコンビでは、傑作の「殺人の追憶」からつづいたものでしたが、当時は怪物の映画に興味がわかず、レンタルDVDで観ただけでした。
あらためて観てみると、この2作では、殺傷>>続きを読む
10年ぶりくらいで観ました。当時は、カンヌで絶賛されて、俳優(しかも主演の2人)にもパルムドールが授与されたということで話題になりました。
前回は、いわゆるLGBTの知識もあまりなく、女性カップル>>続きを読む
タイトルで連想したイメージは、“むきだしの…”でしたが、これが建築様式だけでなく、登場人物の感情を形容したものなのかと思っていましたが、意外とソフトな表現が多かったです。
建築の製図を模したような>>続きを読む
アメリカでは劇場公開の直後から酷評の嵐で興行的に大コケしたという噂でした。あまり好きではないミュージカルの要素が少なくないようでしたが、「ジョーカー」の続編を観ないわけにもいかず…。
なるほど…、>>続きを読む
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に似ていたかどうか微妙ですが、マーティン・スコセッシ監督が「ディパーテッド」で「インファナル・アフェア」をリメイクしたこととつながりがあるのでしょうか。
トニー>>続きを読む
先日は「JOIKA 美と狂気のバレリーナ」を観たばかりですが、またまた女性のアスリートが窮地に陥る物語でした。「ロシア人しか合格できないオーディションにアメリカ人をエントリーさせるなんて」という展開>>続きを読む
映画が大好きな子どもが主人公の映画はいくつかありますが、とてもポジティブな物語が多い印象です。この作品は、その“裏をかく”ような設定が斬新でした。
主人公のローレンスは、それなりにアタマがいいので>>続きを読む
物語そのものは、主人公のパニック障害やPMSで組織に適応できない実態だったり、彼らの“生きづらさ”や労働環境などの社会問題を提示するものでした。
そういう設定なら、いくらでもエモーショナルな表現が>>続きを読む
噂どおり「ブラック・スワン」と「セッション」を融合させたような世界観です。個人的には「TAR/ター」の要素も感じました。3作とも傑作なので、それらと比較するのは酷ですが、この作品も地味ながらに秀作だ>>続きを読む
前2作から一変して上品な作風になりました。アクションシーンにはグロテスクな人体の損壊もなく、誰でも観やすい作品です。これまでの毒々しい表現がないので、2作目までのファンはがっかりしたのかもしれません>>続きを読む
5年ぶりに観ました。名探偵が活躍する古典的なミステリーの作風ですが、謎解きそのものを重視していないので、結末がわかっていても面白いです。
富豪の老人が亡くなって、遺産の相続争いに発展するという展開>>続きを読む
通勤電車で文庫本の小説が欠かせなかったころ、海外の作品の翻訳版もいくつかありましたが、外国語の文法を日本語にしたときの独特の文体が好きになれませんでした。小説の翻訳なんて、単純に他言語に変換すればい>>続きを読む
ロックミュージシャンの難聴は、1960年代後半からの轟音による演奏で顕著になりました。ある意味で生命を削って演奏してきたということです。最近はイヤモニが主流になって、聴覚への負担が軽減されていますが>>続きを読む
松たか子さんといえば、まだテレビを観ていたころにドラマの「ロングバケーション」でデビューした姿が印象的でした。当時は松本幸四郎さんの娘ということばかりが強調されていましたが…。彼女を俳優として意識し>>続きを読む
「ゲゲゲの鬼太郎」は、1980年代のテレビアニメを観ていた程度で、原作マンガや猫娘が美少女系になってからのコンテンツとは無縁です。いまさらあの世界観に共感できるとは思えませんでしたが、とても評判がい>>続きを読む
先日まで「キングスマン」シリーズを観ていたので、仕立屋つながりで…というのは偶然です。なぜか「愛の神、エロス」には興味が向きませんでしたが、その1編のロングヴァージョンとして観ることができました。>>続きを読む
イギリスだけで完結した前作から一変して、アメリカやイタリアなどが舞台になりますが、スパイ映画に特有の複雑なプロットがなく、この続編もアクションとコメディになりきらない登場人物たちの軽口めいた会話が面>>続きを読む
続編を観るために前作をふり返るのは、映画ファンの宿命なのでしょうか。自分の記憶力が悪いだけなのか…。この作品は3回目だと思いますが、やっぱり面白かったです。
イギリスのスパイ映画なら、MI6が登場>>続きを読む
約7年ぶりに観ました。ギレルモ・デル・トロ監督の作品は、2002年の「ブレイド2」(過小評価されている秀作)を観たっきりで、なんとなく興味が向かないままでしたが、アカデミー賞の作品・監督賞なら、さす>>続きを読む
「少女は卒業しない」の中川駿監督の過去の短編をサブスクで発見したので観てみました。茶葉の生産と移住支援のPR動画のような雰囲気で、あまり登場人物には感情移入できませんでした。妻の仕事と出産の2択に悩>>続きを読む
あまりJ-POPを聴かないので、アイナ・ジ・エンドさんのことは、よくわからないままフラットな気持ちで観られました。「スワロウテイル」のCharaさんのような存在でしょうか。路上ライブや演奏のシーンは>>続きを読む
「CURE」と「回路」の狭間にあって、ちょっと地味な位置付けの作品かもしれません。2作と比較しても難解というか、物語の意味が表面的にも理解しにくいので、かなり賛否があるようです。
あらためて観まし>>続きを読む
5年ぶりくらいで観ました。いわゆるネタバレ厳禁のタイプですが、何度観ても面白い作品の1つです。
そもそも新人の監督の脚本で、緊急通報指令室のオペレーターしか登場しない物語に映画会社がOKするなんて>>続きを読む
ダニエル・シュミット監督の作品を初めて観ました。1987年の作品なので、少し時代を感じますが、それほど古めかしい雰囲気でもありません。スイスの街並や山間のロケーションとか、ここでしか観られないものに>>続きを読む