さわらさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

さわら

さわら

映画(455)
ドラマ(0)
アニメ(0)

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

1.5

大仰な音楽で涙は誘おうと試みるが、あまりに杜撰かつ強引なストーリー展開に涙はその前に枯れ果てる。
気になるのは3点。
①ゾンビで4年も荒れ果てた国なのに、脇道にいたるまでカーチェイスできるほど道が整備
>>続きを読む

極道の妻たち(1986年製作の映画)

4.0

初五社英雄映画。シリーズ1作目は噂に違わず、べらぼうに面白い!

保身と駆け引きばかりに東奔西走する男たちに対し、愛のため信念のために意地を貫き通す女たちの神々しさ。1986年という、女性の社会進出と
>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.5

懐かしきライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルより、「元トモ」案件ムービーだった。
恋人にせよ友人にせよ、失わなければその尊さに気づけない。でもその思い出こそが人生を豊かにする。記憶はどこまでも
>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.5

ドローンなき時代の、いい高さからの俯瞰や身の回りをふわつく円盤のようなカメラもよりも、主人公らの通常移動で常に3メートルぐらいの高さから見下ろしてるの、この映像がすごく“異常”で不穏(気持ちいい)。い>>続きを読む

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

「政治家になりたい」という企画書を、「“なりたい”ではなく“ならなくては”だ」と突き返した当時32歳の若手政治家が、17年経ても賃料47000円アパートで、自分には権力への欲望が足りないと自省する姿に>>続きを読む

(2020年製作の映画)

4.5

守り守られ、留まり動く。無駄なく、シンプルにして大胆。ミサンガからの繋ぐ手、そしてネイル。あまりに饒舌な展開で、超絶気持ちいい。その果てのラストシーンの阿呆な野暮ったさすら愛せざる負えないから不思議だ>>続きを読む

オーバー・ザ・リミット(2017年製作の映画)

5.0

スポ根ドラマから飛び出てきたようなコーチの、パワハラ・モラハラに耐えた先のオリンピックでの栄光に、どれほどの価値があるのかを問う。
スポーツと政治・プロパガンダが濃密なロシア・スポーツ界の暗部を晒して
>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.0

透明人間になってまで、なりすましメール送ったり、元嫁の布団引き剥がしその掛け布団の上に乗ったりする、規模の小さい嫌がらせをするモチベーションとは。
そもそも元嫁も元嫁で、家前のポストすら行けずあんな外
>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

3.0

日本テレビで幾度流れても、どうしても退屈で途中で寝てしまうのだけど、今回映画館で初めて通しで観られてよかった(一睡もしなかった。眠かったが)。

「自然と文明の共存」といえば聞こえはいい。が、それ以上
>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.5

自我の定まっていない若者は、近くにいる人(ときに恋人)を使い、自分の非凡さを証明しようとする。虚栄心を削ぎ落とす、激しい雨。一夜の出来事とはいえ、それは自分の中の絶対的な「若さ」との訣別だ。馬車を降り>>続きを読む

たわわな気持ち/巨乳ライター 密着(秘)レポート(2019年製作の映画)

4.5

監督自ら竿役となって、情けなくアホらしく腰を振ってる姿にピンク映画のあるべき姿を見た。目隠しバックのリアリティが素晴らしい。
昔付き合ってた彼女と「他人のセックスほど面白いものはないよね」ってお互い爆
>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

知のバトルと言うより、少なくとも三島由紀夫は終始対話を試みている。その意味で言霊を真に信じていたのだろう。
過激に野次を飛ばし、相手を言い負かそうとする今日のSNS界隈、そしてつまらぬ国会論争。芥の語
>>続きを読む

人間の時間(2018年製作の映画)

1.5

「空飛ぶ戦艦上での創世記」という突飛な設定は面白いものの、出てくる女性は売春婦かレイプ対象者ばかり。がっかり。ギドクの女性蔑視を勘繰ってしまい、そこから韓国映画界でのあれこれを思い出し全く映画に集中で>>続きを読む

アジアの純真(2009年製作の映画)

3.0

初見。ラスト5分の衝撃を感じるための100分はあまりに長い。気になるのは武器の扱い。大切な瓶の入ったリュックをその辺に投げ捨てられんし、ぞんざいに扱うな。次元が銃を枕にするか。無垢といえば聞こえはいい>>続きを読む

性の劇薬(2020年製作の映画)

4.5

先日観た「汗ばむ美乳妻〜」のいいのは、抑圧されていた側の人間がセックスで解放されるところだ。そして騎乗位をし、真に精神的な自立を果たす。どの城定映画にも通底してるようで、そして初のBLものでも変わらな>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

5.0

物憂げなところ、突然湧き立つ感情。目が離せんし、ずっと見ていたくなる。モトーラ世理奈の衝撃よ。

ただの震災孤児の話ではない。娘を亡くした痴呆老人・故郷を失ったクルド人など、今はなき人を夢想する人たち
>>続きを読む

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

5.0

怖い・厳しい・辛いというバイアスで語られる(もしくは語られてきた)映画たちに引導を渡す問題作。たしかに前線は地獄だ。しかしその裏にある束の間の娯楽や癒し、そして彼らの笑顔を無視することはもうできなくな>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.0

決して殺人鬼を美化しない。汚いもの・臭いものを徹底的に醜く描く心意気に痺れる。最近の実録殺人犯モノは、それのカリスマ性に耽溺してる節があり、ほんと鼻白む。掃き溜めに鶴なんていないし、そこに同情の余地は>>続きを読む

M/村西とおる狂熱の日々 完全版(2019年製作の映画)

1.0

少なくとも本作において、村西氏は集まった女性をブス呼ばわりし、スタッフをこき使うところからも“捕食者”であり、なにが「死んでしまいたいときには下を見ろ。俺がいる」だ。勘違いも甚だしい。テロップも酷く「>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

「風」ならばワンカットっぽく撮る意味もないし、そもそも映画にそれを求めてない。面白ければどうでもいい、些末なことだ。

総じておもしろかった。
ただ、僕も微妙に間に合ってない気がする。
もやもや。

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

3.5

「便秘で悩むなら漏らしたほうがまし」って言っててまじかと思ったけど、ゲロ吐いても腰を低くガニ股で唸る主人公トゥロが最高オブ最高だった

あなたみたいに、なりたくない。(2020年製作の映画)

2.5

一方的に見ている側と思われていた人物が見られている側に翻る面白さは感じた。が、“結婚”という制度から解き放たれる契機が、身近な人が実は結婚していたという事実なのって、どうも理解できない。自分の読みが甘>>続きを読む

Le Cerveau - セルヴォ -(2020年製作の映画)

2.0

30分SFと慣れない制作会社との撮影という二重苦は気の毒だが、できあがった映画自体もだいぶ苦しい。重要どころの子供博士という発想も、近未来が舞台のはずなのにダイヤル式ドアのマンションというのもすっきり>>続きを読む

魚座どうし(2020年製作の映画)

4.5

不条理な現実を前に、鬱屈しそれでいて言語化できない自分の感情を持て余した子どもたちの突発的な“暴力”が妙にリアルだ。それを悲観せず、平等に照射する太陽の煌めき。言葉を知りすぎたベテラン監督にはきっと撮>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

1.5

ホドロフスキー『ホーリー・マウンテン』っぽいんだけど、それとは異なる形容できないつまらなさがある。

とりあえず長いし、公式サイトのネタバレ考察読んだけどめんどくさいし、友達にしたくない。

初恋(2020年製作の映画)

5.0

すばらしい!基本過度・過剰なアクションや台詞なんだけど、すべてあの静謐なラストにスッと収まる快感。バールを引き摺るベッキーの醸し出す下品さもさることながら、染谷・大森のダブルボケの情けなさよな。あの夜>>続きを読む

影裏(2020年製作の映画)

4.5

細い。朧げな輪郭線と声、いまにも壊れそうな、だからこそ危険な2人の醸し出す白昼夢。生きている証も死んだ証もなく、たゆたうようなこの映画はまさに震災を映していて、身につまされる人も多いのだろう。テレビ岩>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.0

『アイネクライネナハトムジーク』
たくさんのの“あの時あの場所で出会えたのが、君でよかった”に満ち満ちているので少し食傷気味だが、それでも愛せずに止まない人間の可笑しみがよかった。

大きな人生に比べ
>>続きを読む

シオリノインム(2019年製作の映画)

1.5

幽霊というより、女性の潜在的性欲を具現化したものがあまりに一方的に醜く描かれていたところに違和感がある。

あと淫夢内の男(?)に襲われる場面で、おっぱいを揉みしだかれるのだが、かさかさずっと音が鳴っ
>>続きを読む

火口のふたり(2019年製作の映画)

5.0

素晴らしかった!!
主人公らの会話がなんとも説明口調で、一聴するとクドく感じそうなのに、柄本×瀧内の巧さはお見事。2人の世界で完遂させる手腕を大御所の為せる業ということか。劇伴もいちいち良かった。
>>続きを読む

マルリナの明日/殺人者マルリナ(2017年製作の映画)

3.5

圧倒的な大自然を前にして、3人の女たちの連帯は些事なのかもしれない。

しかし「女は災いのもとだ」と唾棄した男たちを毒殺し首を切る、虐げれてきた女たちの逆襲は西部劇の系譜を踏襲し、なんとなく明るいイン
>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

4.5

僕たちの生活は、ワンダーに満ち満ちていることを証明するかのように、狂気なまでに埃や錆までも描かれている日常描写に慄いた。からの誕生祭。地球の7割を占める海、マリアナ海溝では海底10000メートルを越え>>続きを読む

いつかはマイ・ベイビー(2019年製作の映画)

4.0

‪自立した女性・アジア系・キアヌの花瓶頭割りと、令和時代の新しいラブコメ。

軽く観れるが、目指すところは芯が太い。好きな女のために自分を変えられるか、好きな男のためにキャリアを捨てられるか。金がなん
>>続きを読む

町田くんの世界(2019年製作の映画)

4.0

前田敦子の強度と、太賀のしみったれた笑顔がたまらん。

この映画を観たって、大声で騒ぐ大学生にイライラするし、車内を転がる空き缶を拾うようなことはしないのかもしれない。それでも目先の利益に囚われ近視眼
>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.5

大阪(?)でギター屋でのハルの試奏がレオの日常に重なるとき、2人の音楽が見知らぬ女子高生を口ずさませるとき、音楽は死なないと静かにでも雄弁に語る。紋切り型の神経質なミュージシャン、手売りのCD、バンを>>続きを読む