三四郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

三つの愛(1954年製作の映画)

3.0

小林監督は真面目な真面目な実に真剣な人だったのだろう。世の中を凝視していた人のように思える。
彼の映画は、鑑賞後、考えさせられる重いテーマの厳粛な作品が多い。
大衆小説ではなく純文学を読んだ後のような
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.3

ウィリアムがトムの兄にトムの遺品を渡し最期を伝えるシーン…、涙無しには見られない。久しぶりに心揺さぶられ涙が溢れ出る作品に出会えた。
映画館で鑑賞すべき素晴らしい作品だ。

ハスラーズ(2019年製作の映画)

1.0

映画館では何度か笑いが起きていたが、それほど面白い作品ではなかった。
話の展開、映画の流れが悪く感じた。
水商売の女を描く作品は古今東西数多あるが…、同情したり可哀想だと思う作品が多い。
しかしこの作
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美わしき歳月(1955年製作の映画)

4.7

小林正樹監督の作品はどれを見ても深い。小林監督と言えば社会派映画なのだろうが、私は『まごころ』『息子の青春』そしてこの作品のような大船調作品が好きだ。

中産階級で医者の木村功の理想主義。
工場労働者
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素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店(2015年製作の映画)

1.0

これは怖い映画だ。
安楽死が認められているオランダだからこんな恐ろしい映画が作れるのだろう…。麻薬も合法で…、オランダという国は、合理的か否かですべてを決めているのかしら。

この作品はシビアな内容に
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天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

1.0

展開が読める平凡な作品。
良くも悪くもない。
期待しすぎていたからかしら。
自分自身が何に期待していたか、今では謎…。

柿の木のある家(1955年製作の映画)

4.5

とっても心温まる名作。笑えるシーン満載なのもまたいい。
次に来る展開が読めていても、あるいは、ココ笑いどころですよ、といった演出でもやはり笑ってしまう。そんな爽快な作品だった。

最初は怖い奥様だった
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.0

健全な成長物語かな?
主人公は初恋で心にキズを負ったハーバード卒の19歳。飛び級、早熟な人生もなかなか辛いものだ。
サリンジャーの『フラニーとゾーイー』、スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーン
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舞姫(1951年製作の映画)

4.8

美しいなぁ、綺麗だなぁ、高貴だなぁ
映画の冒頭から高峰三枝子を眺めながら一人溜息をつき恍惚としていた。色香漂い落ち着きがある、和服姿がまた絵になる。

川端康成の作品を映画化したようだが、素晴らしい出
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嘘八百 京町ロワイヤル(2019年製作の映画)

1.0

とんでもなくlangweilig...
なーんて面白くないんでしょう。
カラー映画…とは言わないか笑 現代の高画質映画に顔のアップ、手のアップ、とにかくアップアップアップはやめてほしい。映画にリアリテ
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男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

1.0

フランス映画らしいフランス映画。雰囲気で魅せるといった感じかしら。なにかいい科白がひとつあった気がするが…思い出せないということは、それほどでもなかったのか。
ラストにおいて、早朝の巴里(昔)を車で駆
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おとなの恋の測り方(2016年製作の映画)

3.0

個人主義が発達し過ぎているようなフランスでも、子供の頃から「皆と同じが良い」と知らず知らずに植え付けられているのか。秘書が面白いことを言っている。
「幼少期に原因があるのよ。私たちは頭に先入観を植え付
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(1956年製作の映画)

3.2

岸田國士原作らしくキザで上品さがある。
西行
波よするしらゝの濱のからす貝
拾ひやすくもおもほゆるかな

波寄せる白良浜の烏貝は
拾いやすく思われることよ

桂木洋子の手紙にとても納得した。
白く美し
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カツベン!(2019年製作の映画)

1.0

戦後にできた「東映」ゆえに、サイレント時代を描くという設定にさほど期待はしていなかったが…、これほどまでにつまらないとは思わなかった。あまりにも退屈な冒頭で驚いた。周防監督がどんな作品を撮る監督かは知>>続きを読む

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

3.7

「涙は悲しい時にとっておくもの」
イギリスの上流階級、中産階級(アッパーミドル)を描いた作品は、映画にしても文学にしても興味深いものが多い。登場人物が多いにもかかわらず、厳然たる「階級」がある故に、そ
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とんかつ大将(1952年製作の映画)

3.0

佐野周二は飄々とした感じがよく似合うが、真面目な役もまた味があって良い。津島恵子の眼鏡姿も良いなぁ。気が強いが純情な令嬢女医役がよく似合う。
坊やが病院に担ぎ込まれた時は夜だったはずなのだが、火事の場
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影を慕いて(1949年製作の映画)

3.0

「希望に燃えて」を聴きたくて、この映画を観た。
ストーリーはさほど面白くないが…、これぞ歌謡映画といった感じ!
当時を代表する歌手が次々登場し歌っていく。二葉あき子はやはり歌が上手い。彼女の「恋の曼珠
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

期待したほどの作品ではなかった。
皮肉に満ちたブラックユーモア溢れる作品。
まともでないように思われる者が、実はまともであり、まともであるように思われる者が実はまともでない。時代、社会、世相、環境…に
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.0

「何をしたいか知っている人は幸せだ」心に刺さった科白。
後半2度ほど、目が潤んだ。
映画館で観るべき作品。

個人よりもチームとしての優勝を選択、決断したケン。ケンを真ん中にフォード、フォード、フォー
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

非常におもしろかった。この映画を観ながらまず最初に思ったことは、
目に見える明らかな「階級」が社会的背景として存在していると、「物語」に深さと奥行きが出ておもしろくなるということだ。
1930年代から
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ナポレオン(1927年製作の映画)

3.9

「毎日荒涼とした岬に立ち 友である大洋と未来を語り合った」
このシーンは、ナポレオンのこの当時置かれていた状況、そして彼の思想を描写しているように思われる。友である「大洋」とは「民衆」のことではなかろ
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お絹と番頭(1940年製作の映画)

2.0

おもしろくもつまらなくもない作品。平凡な安心安全安定の大船調。
見どころは、上原謙の美男子ぶりだけ。
布団あんなに積まれたら苦しいだろうなぁ。
田中絹代、どうも苦手…。ヒロインが高峰三枝子や桑野通子、
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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

3.4

未来へ行く第二話はつまらなかったが、過去(西部開拓時代)へ行く第三話は面白かった。笑わせてくれた。
やはり憧れの過去へタイムトラベルする物語には夢がある!
私も1930年代や1950年代、1970年代
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キング・コング(2005年製作の映画)

1.0

「ヌードを撮れなんて映画に対する侮辱だ!」この科白が気に入った。
映画好きの監督が撮った作品だろう。
ジーン・ハーロウは1930年代のセックスシンボル、マーナ・ロイの名前も出たし、助監督はプレストン…
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バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

2.0

未来へ行った時の悪党4人のうち、アジア系のスケートボードの裏が「旭日旗」のように見えた。社長もイトー・フジツー(Ito T Fujitsu)で、中年になったマーティがペコペコ頭を下げている。この頃はバ>>続きを読む

新・荒野の七人/馬上の決闘(1969年製作の映画)

1.0

誇りを失わずに死ねるのはただ勇者のみ!
今回はあまり面白くなかったなぁ。
ジョージ・ケネディの表情はいいが、体が重そうで、動きにキレがない…。

東京暮色(1957年製作の映画)

3.0

明子死んでしまったのか…。
姉の孝子が「あきちゃん、淋しかったんです」と母親を知らず育った妹を想う。
父親は母親にはなれないし、母親は父親がわりにはなれない。両親揃って子供に愛情を注ぐのが一番。なかな
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荒野の七人/真昼の決闘(1972年製作の映画)

3.0

やっぱり西部劇は、古き良きアメリカを感じる。アメリカンニューシネマの時代に入ってはいるが、勧善懲悪でハッキリしていて観やすい。
馬、拳銃、カウボーイハット、砂埃に青い青い空…。
7人とも生き残ると思っ
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.0

マクドナルド兄弟が可哀想だ。
自分の名前を店の看板に掲げられなくなるなんて…。
酷すぎる。儲けることしか考えない男。
ビジネスの世界で大成功を収めるには、人間の心を失くし、大事な人々までも失わなければ
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3月のライオン 後編(2017年製作の映画)

3.0

イジメはいつの時代にも、どの世代でも、外に出れば起こることだろうが、いじめる人の気持ちがわからない。イジメられる側に問題があることも多々あるが、映画の中の次女がイジメられるのは納得いかない。クラスの男>>続きを読む

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)

3.0

映画というよりも長編ドラマ。
将棋がやってみたくなる。
見てられるが感動はない。コメディ要素があって面白いことはおもしろい。
主人公が宗谷と対決するシーンで、光が射し翠が映える場面がある。ここは映像が
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インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

3.3

スポーツ映画に涙あり。
国旗や国歌の話になると、日本ではナショナリズムの負の面ばかり強調されてしまうように思う。祖国を愛せない者、祖国を誇りに思わない者は、他国を理解することもできない。自分を愛するこ
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花のお江戸の釣りバカ日誌(1998年製作の映画)

3.0

毎度毎度笑わせくれる。
冒頭から時代劇でクライマックスはミュージカル調、そして最後は現代へと戻ってくる。西田敏行と三國連太郎のコンビがいつもどんなときもおもしろい。

釣りバカ日誌10(1998年製作の映画)

3.0

高砂やハワイアン最高!良かったなぁ!ずっと聴いていたかった。
しかし、当時上映に際し、クレームとかなかったのだろうか笑
釣りバカは軽〜く見られて面白くて好きだ。

釣りバカ日誌9(1997年製作の映画)

3.0

「僕はあなたを幸せにする自信なんかありません。でも!僕が幸せになる自信はあります!」
これがバブル世代のプロポーズなんだろうなぁ。言う方も気が楽だが、言われる方も嬉しい言葉だ。