映画の持つ物語性と記憶性を可能な限り排除した「構造映画」と呼ばれる類の作品
ハイコントラストは白黒映像(あれはなんだ?)と長髪、髭の教祖風な男の映像が何度も反復する。写っているものに意味があるわけで>>続きを読む
3面マルチプロジェクションを前提とした作品であり、DVDに収録されている一画面にそれを圧縮した形式だと十分に作品意図を感じることはできていないという前提で。
1968年という混迷の時代を表現するため>>続きを読む
後にキム・ギドクが告発された経緯も絡めて考えるとても胸糞悪い内容ではあるのだが、悔しいかな面白いし、キム・ギドクは映画作るのうまい。
ヤクザの男が女子大生に一目惚れして白昼堂々、唐突に唇を奪う。そっ>>続きを読む
ウルトラマン愛だとかマニア的な目配せはいいんだけど、率直に脚本やら演技やら基本的なところが緩い
リブートなのに総集編みたいな作りの話だから、見ている側の感覚よりも加速度的に早く禍特隊のメンバーたちや>>続きを読む
どうかしちゃってるゴジラ映画
サイケでキッチュな映像が楽しい
70年前後っぽい反骨精神に満ちた演出の数々と、さらにチャイルディッシュ路線へ舵を切ったゴジラシリーズが悪魔融合。意図してこうなったという>>続きを読む
キューブリック作品の中でも『シャイニング』と並んで圧が強い一品
R・リー・アーメイの鬼教官っぷりは現実世界では絶対に嫌だが、映画として距離をとって見ると惚れぼれする。そんな傍若無人なまでの顔圧と口撃>>続きを読む
隠喩的というか寓話的というか、もはや象徴的。ただ抽象的とは少し違う気がするんだよな。ある種のジャンル映画として作品の筋は通しつつ、ここまで象徴性が高いってのは稀有な気がする。
強いて言えば『ドライヴ>>続きを読む
離婚間近の倦怠夫婦。2人の出会いから現在に至るまでが、2人が歩んできた一本道の上で並行して描かれていく
たった2時間なのに2人の歩んだ十数年分の人生を追想できるというのが映画という芸術の素晴らしいと>>続きを読む
原題は“Walk about”
アボリジニの少年たちが成人になるために過酷な自然へと放り出され、1年間生き延びなければいけないという通過儀礼のこと。
突如オーストラリアの茫漠たる荒野に取り残された西>>続きを読む
コマ撮り特撮に関しては、一旦ここで極まれりといった感じ
光学合成についてはまだまだ技術的な限界を感じはするものの、人形を使ったコマ撮りアニメーションは驚異的な滑らかさでギクシャクした感じはほとんどな>>続きを読む
サム・ライミが贈る西部劇
女ガンマンにシャロン・ストーン、過去に傷を持つ牧師にラッセル・クロウ、愛くるしい若きガンマンにディカプリオ、そして西部を支配する伝説のガンマンにジーン・ハックマン
早撃ち大>>続きを読む
なんたって嬉しい映画だった
ハリウッドでも最高レベルの大予算の下、現状で最高品質のIMAXカメラをぶん回せるという環境をサム・ライミに与えてくれたのだから。
そしてサム・ライミがなにを見せてくれたか>>続きを読む
MCUの高水準な作品の中では、その辺に転がってそうな凡庸な映画って印象は拭えない
その代わりに2010年代時点で最先端の映像トリップムービーという側面があるので、その点は大満足
最も記憶に残るストレ>>続きを読む
霧が立ち込める波止場、火力発電所を取り囲む荒野、波に揺れる海洋プラント…
どれもが彼女の心象風景だ
それらの風景はほんの些細なことで崩れ落ちそうなモニカ・ヴィッティの表情と呼応し、巨大で無機質なプロ>>続きを読む
イタリア映画界2022にて。
イタリア映画界の新鋭ディンノチェンツォ兄弟という方々が作ったブラックホームドラマ
少し街から離れた郊外にある豪邸で妻とかわいい娘2人と一緒に暮らす歯医者の男。とある出>>続きを読む
イタリア映画祭2022にて
ピエロ・パオロ・パゾリーニの監督デビュー作
徹底的にヒモ男なアッカトーネの清々しいほど他責思考な誇るべきヒモ生活を見せていく
見たら憤慨する人が出てきてもおかしくなさそ>>続きを読む
70歳ですっかり老監督となったジャック・オーディアールだが、感性のなんとまあ若いこと
『燃ゆる女の肖像』でその実力を世界に知らしめた新進気鋭セリーヌ・シアマを共同脚本に迎えた『パリ13区』はその区画>>続きを読む
とある男が失踪した
寡黙で善良なクルートは友の消息を求めて田舎から大都会NYへ。彼が最後にコンタクトをとったコールガールのブリーに接触し、クルートは次第に欲望蠢く都会の底へと沈み入っていく
ポリティ>>続きを読む
エドガー・ライトにしては退屈だった
霊感というよりは残留思念を読み取れるファッション・デザイナー志望の主人公エロイーズが、1960年代に同じ部屋に住んでいた歌手志望の女性サンディと繋がってしまい、彼>>続きを読む
「アニメにおけるリアリズム」については一つの臨界点といえる作品。
アジア人らしい顔立ちとリアルな表情、実写と見紛う繊細な人の動き、そしてリアルで重量感のある銃火器(ここは作り手のフェティッシュかな?)>>続きを読む
2Dアニメーションのキャラクターたちが、3D実写世界で動き回る。10年に1回くらいこういう映画って作られるよね。
その絵面だけでイマジネーションが溢れているので、それだけでお得な気分になる。
ちょっ>>続きを読む
ドストエフスキーの原作を、ロベール・ブレッソンが映画化。
アパートから飛び降り自殺した若き妻。
夫の回想という形で映画は進む。
ブレッソンらしい静謐な筆致。
夫婦の関係が冷め、想いが怒りと憎しみに>>続きを読む
徹頭徹尾、アングラ。
1960年代後半の新宿アンダー・グラウンドと大島渚が手を取って作られた作品。これに金を出し、ロケ地も与えて、出演までしている当時の紀伊國屋社長は偉い。
話の筋はよくわからない>>続きを読む
子ブッシュ政権時、副大統領を務めたディック・チェイニーの伝記(?)映画。
9.11→イラク侵攻を主導した張本人ということで、とにかく悪い。
まるで彼を賛美するような体裁をとってるのが既に悪辣なのだが>>続きを読む
本道マーベルのランニングタイムが長〜くなってきているからこそ、マーベルはみ出し組のこっちは98分という一番丁度いい尺に抑え込んだ。まずこれは素晴らしい
途中という概念はもはやなく、必要最低限だけを摘>>続きを読む
戦後間もない東京。自らの身体を売ってサバイブする女性たちの生生しい生き様。
人間の匂いが充満した題材ではあるけど、鈴木清順の総天然色で抽象化された演出・映像の数々が光る。かといって市川崑ほどスタイリ>>続きを読む
ディズニーブランドだけあって一定水準以上は確実に超えて来てくれるので安心して見れる
事前の印象通り絵面や設定など地味なのは否めないけれど、歌って踊ってギャグも多めでしっかり楽しませてくれる
あくま>>続きを読む
実景のはずなのに、デザインされた人工物のような小樽の風景がとにかくまずは美しい
記憶と忘却を巡る物語と、不自然さが充満した街というのは、とても大林宣彦作品らしい
映像的な見応えはかなり高い上に、記>>続きを読む
1970年代前後、ゴダールが中心となっていた「ジガ・ヴェルトフ集団」の作品。
どうしてもブルジョワ的にならざるえない「映画」というものを、自分たちの信じるマルクス主義的なやり方で実践するという理想に向>>続きを読む
小津安二郎へのオマージュとして作られた作品ではあるが、そもそも侯孝賢と小津のスタイルが全く違う(どころか正反対)なので、そこはそれほど意識しない方がいいのかも。
徒然なる東京の風景が切り取られ、その>>続きを読む
あえて明確なストーリーラインを作らないことで、その余白に人生を読み込める。世間的には『東京物語』が完成形とされるけど、作り手たちとしてはこっちの方が完成形に近いものなんじゃないかという気がする
一つ>>続きを読む
『蝿の王』と『地獄の黙示録』が混じり合ったような、そんな作品。つまり、好み。
子供たちが過酷な自然の中でサバイブしていくうちにできた小さな社会が、どんどん血生臭く野生化していく。
雄大でありながはド>>続きを読む
「OctoPussy」ってタイトルから既に酷い
海洋学者のお父さんが愛称として呼んでたって説明もそれまた酷い
露骨に『レイダース』っぽいが、アクションが数珠繋ぎのように連なってくのは楽しい
クライマ>>続きを読む
パンクで、ポスト・アポカリプスな近未来SF
70年代らしいアバンギャルドな作り手、デレク・ジャーマンの作品
しっかり軸の通った物語があるわけではなく、パンクな人々の暴力&セックスな生活が描かれていく>>続きを読む
寒々しい冬空、鏡のように澄み切った水面がとにかく美しく、そのせいで見ている間は常に儚さが付き纏う
パイロットとして従軍し、事故で記憶を失った男と、親に捨てられ天涯孤独になった少女。2人のイノセントな>>続きを読む
トーキー初期のドイツ製ミュージカル
ナポレオンの処遇を決するウィーン会議の「会議は踊る、されど進まず」な様子を風刺っぽく見せる。
その視点はマルクス兄弟や後のモンティ・パイソンにも通じるブラック風味>>続きを読む