Naoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

忘れじの面影(1948年製作の映画)

3.0

決闘を控えた主人公は片想いされた女性から手紙を受け取る。オフュルス渡米後の作品。男は衰退するヨーロッパの比喩で決闘は戦争を比喩してる。階段の描写が多く印象的。

魅せられて(1949年製作の映画)

3.0

玉の輿を目指すも理想の結婚生活とはかけ離れていた。愛かお金か三角関係のサスペンス風メロドラマ。画面の遠近感が強調され心の距離感や孤独感を表してる。オムファタール。

歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

3.0

自由奔放で忙しい打楽器奏者の男の日常を描く。首都トビリシの映像と文化が詰め込まれてる。部屋の外に流れる音楽。『四月』でもあった「覗き」「落下」が多用されてて体勢批判のテーマはありそう。

水彩画(1958年製作の映画)

3.5

働き詰めの妻と飲んだ暮れの夫を描く。前半の掛け合いから後半の美術館の展開までシンプルだけど味わいがあって良い。見方を変えると体制に順応されたラストとも言えるかもしれない。

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

3.0

カラーで花の映像が映される。監督の意向に反したナレーションのためあえて字幕をつけないという珍しい上映。映像は綺麗だと思いつつ上映時間は半分くらいが丁度良かったかな。アグファカラー。

四月(1962年製作の映画)

3.5

小市民のカップルの行く末を描く。ほぼサイレントで効果音が独特。タイトルはソ連占領下となった1921年4月のことらしい。自然=グルジア、人工=ソ連の対比が見てとれる。

過去を逃れて(1947年製作の映画)

3.0

恋人と暮らすジェフは私立探偵として追っていた女性との過去を回想する。ノワールの代表作の一つと言われ、後の影響度も高い。展開は入り組んでてやや分かりづらかった。

暁の死線/タイムリミット25時(1946年製作の映画)

3.5

殺人事件に遭遇した水兵が帰路までに真犯人を探し出す。雰囲気は意外と緩くてW・アイリッシュの原作小説の方が緊迫感ありそう。グループシアター組。

ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)

3.5

地元の名士の殺人事件の犯人として妻が疑われる。『深夜の銃声・偽りの結婚』の別名でも知られる。クロフォードの顔の力強さ。娘にはおいおい…となる。

老兵は死なず(1943年製作の映画)

3.0

英軍のキャンディ少将と独軍のテオ中佐の友情と恋愛事情を描く。ボーア戦争→WW1→WW2と回想を辿る。紳士的な正攻法ではナチに勝てないというプロパガンダであり尺は長かった。

心の旅路(1942年製作の映画)

3.5

精神病棟から逃げた記憶喪失の男と街で出会った女性との恋愛模様を描く。最後の展開は読めてても良いなってなる。当時の二大スター共演で話題となった記憶喪失モノの古典的名作。

簪(かんざし)(1941年製作の映画)

3.5

温泉で簪を踏んで怪我した男とその周りの人間模様を描く。淡々としてるけど飽きずに見れる。井伏鱒二的ユーモアに清水宏の写実的情緒が相まった古き良き日本のバカンス映画。情緒が足に刺さる。

レベッカ(1940年製作の映画)

3.0

金持ち紳士と結婚した主人公は前妻レベッカの影に囚われる。ヒッチコック渡米一作目で恋愛要素とサスペンス要素が混ざる。マキシムがDJフォイに似てる気がする。

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.5

夫婦の結婚記念日で家に辿り着かない夫を描く。アカデミー賞も受賞した短編ドタバタコメディ。短編と思えないほど色々と詰め込められてて楽しい。理髪店のお客さんは可哀想。

大恋愛(1969年製作の映画)

3.5

若い秘書の女性に恋焦がれる中年男性を描く。ジャックタチとも作風は似てておしゃれな雰囲気と茶目っけがある。ベッドが走り出したりメタ的な笑いもあって面白かった。

オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.5

魔法の国から家に帰るための冒険が始まる。児童文学原作で夢と希望に満ち溢れた作品。劇中歌の「虹の彼方」には有名。望むものはいつも”足元”にあるということだね。

幻の女(1944年製作の映画)

3.5

妻殺害容疑で捕まった社長のアリバイため秘書が帽子の女を探し始める。脚本がしっかりしてるので見やすい。秘書が体も張ってて優秀すぎるな。あと影の使い方が凝ってると思った。

人情紙風船(1937年製作の映画)

3.0

江戸時代の長屋に暮らす新三と又三郎を描く。山中貞雄の遺作でペシミズムな世界観で描かれる。音声が粗くて正直物語は全然入ってこなかった。雨のシーンと川を流れる紙風船が印象的。

美の祭典(1938年製作の映画)

3.5

ナチス制作でベルリンオリンピックを描いた『オリンピア』の第二部。水泳で日本が活躍してる。水たまりに飛び込む乗馬競争も意外と良かった。

民族の祭典(1938年製作の映画)

3.5

ナチス制作でベルリンオリンピックを描いた『オリンピア』の第一部。冒頭は美しくてテンポ良く見れるが中盤からは流石に飽きてくる。短距離走で追い風が強いと公認されないの初めて知った。

青い青い海(1935年製作の映画)

3.5

漂流した男二人が女性を巡って三角関係になる。映画評論家からの評価が高い本作。重い内容と思ってたから意外と軽快なタッチで驚いた。海の映像がとにかく美しい。

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

3.5

富豪の家出女性が道中に出会う新聞記者と共にNYに向かう。テンポ良く気楽に見れるのが良い。『ローマの休日』や『卒業』の元ネタとも言われる古典的名作。ジェリコの壁。

我輩はカモである(1933年製作の映画)

3.5

財政難の首相が隣国のスパイ二人組と掻き乱していく。荒唐無稽なナンセンスギャグにシネオペレッタ。いかにドリフに影響与えてるのがよく分かる。鏡のシーンは声出して笑った。

M(1931年製作の映画)

3.5

殺人事件の疑いで追い詰められていく。トーキーでBGMがなく、”音”が鍵となる。口笛(シニフィアン)から始まりMの刻印(シニフィエ)に繋がる。ラング=言語なのか。最後の民衆裁判も良かった。口笛は山の魔王>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

3.5

工場で働く男がトラブルに見舞われていく。機械化や資本主義を風刺したチャップリンの代表作の一つ。拘置所やスケートの身のこなしは凄い。貴重な肉声も聞ける。

大地(1930年製作の映画)

4.5

コルホーズ政策で農場の機械化を進める青年を描く。冒頭の草原ショットから傑作とわかる。男性は踊り狂い女性は発狂する。ソ連サイレント期三大巨匠の一人で後のロシア監督達に多大な影響与えてる。

パンドラの箱(1929年製作の映画)

3.5

踊り子ルルは男達を巻き込み破滅へと向かう。伝説的フラッパー女優であるボブヘアのルイーズが悪魔的で美しい。アンナカリーナも真似たという元祖ファムファタール映画。

(1928年製作の映画)

3.5

風の吹き荒れる従兄弟の農村に娘が移住する。スリラー×メロドラマの名作。風は見えない恐怖の象徴。地震のごとく揺れる家に目バキバキのギッシュ嬢が見れる後半からが面白い。

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.5

見世物小屋で働く女性が小人症ハンスの資産を狙う計画を立てる。セッケル症候群やテトラアメリア症候群など集め30年上映禁止となった問題作。ヤバすぎてカットされたシーンも見たかった。

(1926年製作の映画)

3.0

地下運動家の息子を持つ母親が立ち上がる。革命三部作の一作目。ソ連サイレント映画第二の巨匠で”連結”のモンタージュ論として有名。氷解の場面は良いが全体的に冗長な印象。

ストライキ(1925年製作の映画)

4.5

労働者がストライキを決行する。群衆と工場が映し出され、歯車がモンタージュとして機能する。映像で遊んでいる感じはロシア未来派の影響を思わせる。

極北の怪異/極北のナヌーク(1922年製作の映画)

3.5

極寒の流氷地帯でのイヌイットの狩猟生活に迫る。映像が美しくて文化人類学としても非常に重要な作品。自然の厳しさの中に人の温かさも垣間見れる。凍える動物が可愛い。

我らが門の内にて(1920年製作の映画)

2.5

南部出身の黒人女性が学校再建の資金集めに取り組む。世界最古の黒人監督作品で『國民の創生』のアンサーとも言われる。歴史的価値はあるが・・という印象。あと字幕多かった

散り行く花(1919年製作の映画)

3.0

無垢な少女と中国人青年の儚い恋を描く。笑顔のVサインが有名でクローズアップが印象的。斧はシャイニングの元ネタなのかな。グリフィスの中で評価が高い割に特に響く点はなかった。

瀕死の白鳥(1917年製作の映画)

3.0

唖娘のバレリーナの前に死に取り憑かれた画家が現れる。クレショフの師でもある監督の白鳥の歌となった本作。夢の描写はポランスキーに影響与えてると思う。ロシア革命前夜。

犬の生活(1918年製作の映画)

3.5

浮浪者は助けた犬と共同生活を始める。チャーリーのキャラが確立されたとされる本作。”惨めな生活”も心温まる笑いに変えててよかった。尻尾でドラム叩くの可愛い。