NICEさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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雨月物語(1953年製作の映画)

4.0

完璧な映画👍
一切の無駄なく洗練された作品。御伽噺のような世界観。

溝口らしいフレーミングとカメラワークが絶品。ゴダールやスコセッシが惚れるのもわかる。

反戦のメッセージを挟みつつ、人間の愚かさを
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

3.7

ストーリー、キャラクター、演出、ノリ、全てがギャグ漫画みたい。

笑いと失笑の間で終始ニヤニヤ😏

変態にも変態なりの人生(愛)がある…という園子温の熱いメッセージは受け取った。

何といっても、アホ
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自由の幻想(1974年製作の映画)

3.8

もはやカオスになったブニュエル。

自由とは価値観であり、価値観とは不自由なもの。
時代や環境が違えば、自分達のいる社会もこの映画のようにカオスに見えるのかも?

鳥たちにとっては、この映画と現実の人
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THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)

3.6

これは独裁の恐怖ではなく、単に集団心理の恐怖😱

どんなに民主的な集団だろうとWAVE化の可能性はあるのでは?
本能的な縄張り意識からくる、仲間意識、民族意識、ナショナリズム…それらが過激化するカタチ
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.2

ネオレアリズモの代表作🚲
以後の貧困を描く映画のバイブル。非の打ち所がない完璧な映画。

悲劇度なら今作よりエグい映画は沢山あるのに、今作は妙に辛く感じる😢
その要因はリアリティで、一切の"造られた悲
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ニュールンベルグ裁判(1961年製作の映画)

4.3

これは凄い!!

不謹慎だが非常にエンターテインメント。
検察vs弁護の攻防がとにかく面白い。

演技に関しては全員が賞レベル。
メインから脇役までそれぞれの人格やイデオロギーまでもが自然と伝わってく
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.7

映画界のニューウェーブになれそうでなれなかった、もったいない映画。

前半嫌いだったけど後半良かった…という意見が多いが、個人的には真逆。

あまり描かれない"現代の若者の退廃性"を上手く描いた思う。
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花様年華(2000年製作の映画)

4.0

ウォン・カーウァイの転換期の作品。
究極の"匂わせ"映画。ラブシーンは無いのに愛を匂わせる。

シナリオの運び方、セリフ、ダイレクトにいかない演出が上手い!

スローモーションと同じ音楽の繰り返し&と
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.5

この映画の主人公はゲルダ。
ゲルダの愛情にただただ感動…😢

アリシア・ヴィキャンデルが、演技面でもキャラクターの深みも、エディ・レッドメインを遥かに凌いでいると思った。

逆にE.レッドメイン(リリ
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ロボコップ(1987年製作の映画)

3.7

ブラックユーモアがわからなかった子供の時に見た際は「グロかった」程度しか思わなかった映画

いざ見直したらめちゃくちゃ面白い!
SF、アクション、ハードボイルド、ブラックジョーク…これは好み。

人が
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氷の微笑(1992年製作の映画)

3.5

理性は本能には勝てないぜ!

クールな邦題だが原題はBasic Instinct
ヴァーホーヴェン監督の純粋な変態性(?)がモロに出た作品。

何といってもシャロン・ストーンが半端ない映画だが、サスペ
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アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

4.2

世界トップクラスに美しい映画。

芸術性はもちろん、エンタメ性も充実したタルコフスキーの超大作。凄い迫力。

キリスト教の概念&人道主義が通用しない世界…イコン画家ルブリョフ(=映画監督タルコフスキー
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(1974年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"言葉で何かを伝えるのは難しい"

これはベルイマンの『野いちご』に影響を受けた作品なのだと思う。過去と現在を同一化して描く思い出話。

過去⇔現在。人間⇔人間。
それらが鏡のように反射し合う。
片方
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僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

3.8

タルコフスキー的な難解さは無いが、これはシンプルに良い映画👍

口では復讐を唱えているが、夢では平和な日常を見る…シンプル!

撮影はこの時期で既に素晴らしく、むしろモノクロの方がタルコフスキーの映像
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ブラックブック(2006年製作の映画)

3.9

ヴァーホーヴェン渾身の力作。面白い!

戦争映画としての視点、エンタメ性、ヴァーホーヴェン監督の変態性…非常に充実した映画👍

真面目な作品でありながら、悪趣味な笑える描写も健在で、真面目な時ほどかま
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上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)

4.0

とにかく切ない時代劇。
『切腹』ほどのインパクトは無いが、こちらも小林正樹監督の傑作。

『切腹』と同じで、封建社会の理不尽さと権力への虚しい抵抗を描く。

三船敏郎はいつも通りカッコ良いが、登場時間
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砂の女(1964年製作の映画)

3.7

妙な空気感を纏う作品⏳
砂、水、虫、自然の写し方が美しい。

人間はどんな環境にも慣れる。
自由を奪われてもいつか慣れる。
このテーマは恐ろしくもあるが、楽観的にも思えなくもない。

非常に終わり方が
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スリング・ブレイド(1996年製作の映画)

4.0

隠れた名作と名高い作品。
ビリー・ボブ・ソーントンが監督・脚本・主演と三役を務めた傑作👏

シンプルな内容でありながら、非常に上手に作られた映画だった。
重なり合うカールの過去と少年。

聖書やキリス
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甘い生活(1959年製作の映画)

4.2

楽しそうで寂しい、甘い生活。

凄まじい映画。イエス像がヘリで運ばれる最初のシーンから「凄いものが始まるぞ」感が満載。

バカにも成りきれない…達観している訳でもない…マルチェロの悪夢=人間の人生。
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ソルジャーブルー(1970年製作の映画)

3.6

アメリカ随一の黒歴史🇺🇸
西部劇の概念を壊す衝撃作

「古い概念を壊せ!」という意志がガンガン伝わってくる。

インディアン虐殺(サンドクリーク虐殺)➡︎ベトナムでの虐殺(ソンミ村事件)と置き換えるこ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.7

淡々とした映画だが、観終わった後に良い余韻を残す作品だった。

サム・ロックウェルが最高👍
イーストウッドの優しい薄味に、サム・ロックウェルというスパイス。
彼が居なかったら正直退屈な映画になっていた
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.5

体と心のタトゥー。
偽物の家族の元から離れ、本物の家族を手にするまで。

ジェイミー・ベルの演技が見事👏どこか中途半端なカリスマ(?)を繊細に演じてみせた。

良い映画ではあったけれど、これは過激なカ
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フェイス/オフ(1997年製作の映画)

3.5

ジョン・トラヴォルタ
&ニコラス・ケイジ

今では名前を見ただけで敬遠してしまう2人だが、この映画は面白い!

ジョン・トラヴォルタ&ニコラス・ケイジのノリノリの演技。アホな設定を大真面目にやるシュー
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狩人の夜(1955年製作の映画)

3.8

奇妙な映画。

作品としてのテーマや哲学があるのも良い。LOVEとHATEは紙一重。

パウエルが当たり前のように馴染んでいったり、この映画はあらゆる心理描写の過程を端折っている。その雑さがヒットしな
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サンライズ(1927年製作の映画)

3.8

愛の復活☀️

ドイツ表現主義の技巧が、ハリウッド映画で真価を発揮した。

ジャネット・ゲイナーのキュートさも重なり、中盤のシークエンスは映画史に残る楽しいシーン。

戦間期のドイツとアメリカのひと時
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アリスの恋(1974年製作の映画)

3.7

スコセッシの描く普通の人々。
今作は珍しく主人公が女性で、さらに舞台が西部🇺🇸

庶民的でこの上なく弱い人間たち。
スコセッシ映画には男も女も"強い人間"がいないことが良くわかる。

エレン・バーステ
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アビエイター(2004年製作の映画)

3.8

ハワード・ヒューズの半生✈️

オシャレな映画だと思って見ると肩透かしを食らうが、伝記モノとして見たら中々の傑作。1930sのアメリカ映画が好きなら、楽しめる作品だと思う。スコセッシ監督作品の中で過小
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イタリア式離婚狂想曲(1961年製作の映画)

4.5

不道徳のおもしろさ。

個人的に大好きな60sイタリアンコメディの最高傑作・珍作。

モラルに厳しい(当時の)カトリック・イタリア社会への皮肉とアンチテーゼ🇮🇹
厳しい制度や慣習があると、余計に人間は
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

4.2

『Ahalt Agaci 』『The Wild Pear Tree』=野生の梨の木🍐

『雪の轍』よりさらに進化したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の会話劇。若者特有(?)の捻くれた思考を映像化した傑作。
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霊魂の不滅(1920年製作の映画)

4.0

悪い過去は変えられないが、悪い未来は変えられるかもしれない…

ベルイマンの師匠ことヴィクトル・シェストレムの不朽の名作。
『シャイニング』のHere’s Johnny!の元ネタとしても有名な作品🪓
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.5

完璧といえる映画のひとつ。

とにかくジャンヌを演じるルネ・ファルコネッティの顔面の演技が圧巻。見ているこっちまで、めちゃくちゃ精神を削られる…

『神に選ばれたジャンヌ』としてより、
『普通の人間だ
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チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

3.9

ブラックコメディ✖︎ヒューマニズム
チャップリンの不朽の名作🎞

靴を食べたり、人がニワトリに見えたり…実際にあったドナー隊の悲劇がモデルだというから怖い👞

チャップリンがビッグ・ジムではなくジョー
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サーカス(1928年製作の映画)

3.8

🐵🐴🦁

チャップリンの職人芸。
テーマやメッセージ性より、今作はチャップリンのギャグセンスが光る😂

後の2作が名作すぎてイマイチ印象が薄い映画だが、これも傑作のひとつ。

キッド(1921年製作の映画)

3.8

笑いあり涙あり…の元祖。

映画における愛情表現には、余計な会話やスキンシップは不必要なんだと思い知らされる。
100年前の映画だが全く古くなってない映画だと思う。いつの時代でも人間が感動する"根っこ
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キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

4.0

純エンターテインメント!

探偵といいつつ、ミステリーというよりはアクション重視のコメディ。
キートン特有のタイミングが完璧に計算されたアクションシーンには惚れ惚れ。

無駄な場面やダレる瞬間が一切な
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捜索者(1956年製作の映画)

3.8

南部に取り残された孤独な男🤠

古きアメリカの悪弊、オールドウェスト&南部への鎮魂歌。「新しい時代についていけないオッサン」を上手に描いた作品。

古い先入観から「あるタイプの人間たち」を嫌い差別して
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