NICEさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

アメリカンドリームと家族。

これまで描かれてこなかった、アジア系(韓国系)のアメリカンドリームを描いた映画。
そういう意味では、アジア系アメリカ人にとっての『ゴッドファーザー』のような立ち位置の作品
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スコア(2001年製作の映画)

3.7

「大事なのは才能より選択だ。」

マーロン・ブランド&デ・ニーロ&エドワード・ノートン、三世代の実力派が集結したクライム映画。監督はヨーダでお馴染みフランク・オズ。

終盤の金庫破りのシークエンスがと
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

人間が托卵される話。

きっと不条理・超常現象に見せかけた、"自然"の恐ろしさを描きたかったのだと思う。

抜け出せない町は、抜け出せない現実世界そのものであり、"家庭"を持つことで人生の自由が失われ
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汚れた顔の天使(1938年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

史上最も道徳的なギャング映画。

30年代のギャング映画ブームに終止符を打つような映画という点では『彼奴は顔役だ!』と同類の作品。

ジェームズ・キャグニーの素晴らしい演技&リアルな時代背景のおかげで
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

4.0

いつ観ても完璧な映画だ👏

コッポラ第四の傑作と名高い作品。
演技、演出、ストーリーテリング、非常に洗練された"語らない"映画。
CONVERSATIONのタイトルが秀逸。

冷酷な社会と曖昧な正義、
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.7

文句無しの良い映画👏

脚本と演技が地味ながら素晴らしい。
法廷の場面と外の場面のバランスが良く、観ていて一切飽きさせない。題材に興味が無くても楽しめる映画。

説教臭さも思ったより控えめで、違和感が
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

3.8

スパイク・リー'sベスト。

ブルックリンの生々しくホットな人間模様を描くコメディ映画。独特のノリと演出、ユーモア、強いストーリー性は無くとも、2時間が一瞬に感じる面白さ。

「人種差別を扱った社会派
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シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

5.0

個人的"見ると精神的に不安になる映画"第一位。虚しくも美しい映画。

70年代ヴェルナー・ヘルツォーク最盛期の作品の中でも、個人的には今作こそが地味ながらも最高傑作であると推したい。

ドキュメンタリ
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ロスト・チルドレン(1995年製作の映画)

3.8

『迷子の街』

一目見ただけでジャン=ピエール・ジュネ監督作品だと分かる。この映画の何が良いとかは上手く言えないけど…良い!

雰囲気は『デリカテッセン』を継いでいるが、さらにファンタジー・SF色が強
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暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.0

ハワード・ヒューズとハワード・ホークスが作った伝説のギャング映画。
デパルマのリメイクとはまた違う面白さ。

巧みな演出、ユーモア、その上に冷酷かつ凶暴なバイオレス描写が重なる。これが30s初頭の映画
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上海から来た女(1947年製作の映画)

3.8

オーソン・ウェルズの映画は、いつ観ても凄い。

映像がオシャレなので終始ずっと魅入ってしまう。話はたいして面白くないけど(!?)深みのある作品🦈

一番のテーマは人間の愚かさ。
人間は誰もが愚かだが、
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彼奴(きやつ)は顔役だ!(1939年製作の映画)

4.0

ジェームズ・キャグニー&ボギー&ラオール・ウォルシュで面白く無いハズがない!

The Roaring Twenties=1920sのアメリカの歴史=ギャングの栄光と没落の歴史を軸に展開される映画。
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民衆の敵(1931年製作の映画)

4.0

真の"民衆の敵"とは?

『犯罪王リコ』の翌年に生まれた、ギャング映画(チンピラ映画?)の衝撃的な傑作。
1930s・禁酒法時代のアメリカの風俗と崩れたモラルが強く反映されている作品。

『犯罪王リコ
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犯罪王リコ(1930年製作の映画)

3.7

"Be somebody!"

「ギャング映画」というジャンルを確立させた教科書的な作品。偉大な映画。

野望とプライドに忠実でギャングのボスになろうとするリコ&ギャングから足を洗いたいジョー。

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ビースト・オブ・ノー・ネーション(2015年製作の映画)

4.0

凄まじい映画。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督は、ドキュメンタリーぽさと、映画的なドラマ性を両立させるのが上手い👏
『闇の列車、光の旅』同様、フィクションだけどフィクションじゃないような映画。
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白熱(1949年製作の映画)

4.5

Ma‼️

純粋に面白いストーリー&奇抜なキャラクター、これ以前の形式的なギャング映画やフィルムノワールとは一線を画す傑作。
40sのギャング映画でここまで面白い作品があるとは。

とにかく主人公コー
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.5

人は誰もが良い意味で普通。
リチャード・カーティスは大の苦手だが、この映画は純粋に良い!

とにかく主演2人が絶妙なハマり役。
カッコイイけど一般人感強いヒュー・グラント&輝いてるけどお高い感じはしな
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ラスト・アクション・ヒーロー(1993年製作の映画)

3.5

夢のかたまり。

とにかくアクション映画愛&おバカ映画愛の詰まった作品🔥
少年の妄想を映画化したような映画。

ジョン・マクティアナン&シェーン・ブラック&シュワちゃんというだけで面白い。ラジー賞にノ
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ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

3.7

「許す…?」

マーティン・スコセッシの長編デビュー作にして、後の作品全ての源流。

ハーヴェイ・カイテル演じる主人公が完全にスコセッシ自身の投影となっている。

演出は無駄に凝りすぎていてイマイチな
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.0

ブロークバック・マウンテンだけが居場所のない2人の居場所だった⛰🐑

悪い部分が無い映画。演技、映像、脚本、音楽、全てが素晴らしい。

切ないけど感傷的すぎず、美しいけど無駄に芸術チックではなく、過剰
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ほら男爵の冒険(1961年製作の映画)

3.9

これぞフィクションの醍醐味🌙

複数ある『ほら吹き男爵の冒険』の実写版の中で、最も独創的で最も面白い作品。

アニメーションと実写が見事に融合した、カレル・ゼマンにしか作れないシュールで幻想的な世界観
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肉体の冠(1951年製作の映画)

3.6

【美しき女性マリー=冠】を巡って、争い合う男たち💥

とにかく、シモーヌ・シニョレの美しさとカリスマ性が光る作品。
登場人物や内容はなかなか粗暴だが、映画全体に高級感がある少し不思議な映画。

「えぇ
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.8

良いキャラクター、良いストーリー、万人にオススメできる作品。
今作みたいな純粋な良い映画って割と最近見ない気がする。

実話ベースで社会派の映画だが、基本コメディタッチで観やすい。(でも娯楽性を保つた
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拳銃魔(1949年製作の映画)

4.0

カルト的B級フィルムノワール。

タイトル通りのクレイジーな内容を期待していたが、想像以上に上品な映画だった。滑稽な部分もあるが、それも含めて非常に良い映画👍

2人の銃の腕前に隠された、人間としての
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セレブレーション(1998年製作の映画)

4.0

圧倒的ドグマ95のベスト🇩🇰

ドグマ95とかいう、ある意味で強烈な縛りの中で、ここまで面白い映画を撮れるトマス・ヴィンターベアは天才としか言いようがない!

かなりドロドロした内容でありながらも、終
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アタラント号(1934年製作の映画)

3.8

後のフランス映画の原点的な作品🇫🇷

カメラアングル、カット割り、映像面が現代映画顔負けの素晴らしさ。終始オシャレな映画。

序盤はなんだか退屈だと思ったが、ラスト30分くらいからが至高。

新婚夫婦
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ブロンドの恋(1965年製作の映画)

3.9

ヌーヴェルヴァーグへのラブレター。

フランスのヌーヴェルヴァーグを土台にして、フランスのような自由の無いチェコ(共産圏)を皮肉った作品。
ある意味、ヌーヴェルヴァーグのパロディ映画だとも言える。
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召使(1963年製作の映画)

3.7

アメリカを追われたジョセフ・ロージーがイギリスで奮発して作った怪作。

支配する人間と支配される人間、資本家と労働者の関係性について。これは当時のアメリカだったら作れない。

不気味で人物像が掴みづら
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

4.5

特殊な経験は人間を特殊にする。変態アウトサイダー達の生き様🚗

鬼才クローネンバーグの映画の中でも特に異彩を放つ作品。バカな内容なのにこれでなかなか説得力があるから凄い。

守るべき社会のルール・モラ
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ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.0

フランス時代ブニュエルのベスト。
といいつつ、今作は完全にフランスをバカにしてる!😂

"不条理なシチュエーションに陥る映画"からさらに進化し、もはや映画全体がルールから外れている映画。

"物語のル
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脱出(1944年製作の映画)

3.9

『カサブランカ』の二番煎じ感は半端ないが(というか完全オマージュ?)今作も良い映画であるのは間違いない!

ストーリーよりも、ハワード・ホークスらしい人物像と登場人物の掛け合いが魅力。なんだかマイルド
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

3.8

黒澤明がソ連で作った映画。

今作では一切の「対立」を描かない。
異なる文化、人と獣、それぞれに違いはあれど、同じ自然の世界を共有している。

ところが近代文明は共存より対立を生む。物質文明へのアンチ
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緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

3.8

"心の苦悩は逃せない"

皮肉と教訓が詰まった、ある種の御伽噺のような作品。愛と罪と罰がテーマとなっている。
ジャン・ルノワールの『牝犬』のリメイクだったとは知らなかった。

やるせなく胸糞悪くもある
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火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

3.7

みんなちょっとズレてる!😂

ミロス・フォアマン監督チェコ時代のカルト的コメディ映画。
スラップスティックコメディとシュールなノリが両立した不思議な作品。

冷戦当時の背景も踏まえると、社会風刺的な面
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デリカテッセン(1991年製作の映画)

4.2

汚いのにオシャレな映画🐖

『アメリ』の監督によるディストピア系(?)ブラックコメディ。もはやジャンルは特定不能!

とにかく独特な世界観&社会風刺。
完全に説明を省き、鑑賞者の想像力を掻き立てる絶妙
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ面白い!…という映画ではないけど、観た後もずっと心に残り続けるタイプの傑作。

カリスマ性と胡散臭さとコミカルさを絶妙に合わせ持つ主演の演技が見事👏

誰もが善と悪のどちらでもある。
&本
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