tuさんの映画レビュー・感想・評価

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バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)

3.8

虚構と現実の交差
癖の強いトリッキーな演出と、計算されたミステリー構成に、監督独自の色彩溢れる映像美と世界観。
神秘的なMoon Riverに少年の美声。
惨たらしい隠された過去に失う愛と信仰。刺激的
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アルゴ(2012年製作の映画)

4.1

多少脚色がかっていたとしても、当時のイランの情勢、キュメンタリー映像を取り入れ、突飛な救出作戦に後戻り出来ない命懸けの遂行に不安と緊張が走る。
シュレッダーからの顔写真の復元や空港、便乗までの片時も目
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柔らかい肌(1963年製作の映画)

3.8

モノクロームに映える華やかさと気品さ。フィルムに閉じ込められたフランソワーズ·ドルレアックの妖艶さ。
絡まる男と女の手に背徳感ある刺激。
若さとは蜜の様に甘く美しく、時には冷たく残酷なもの。
人を不幸
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ことの終わり(1999年製作の映画)

3.7

戦時中という重き時代背景に美しい男と女。透明感漂う映像美、繊細な身のこなしや、裸体と色彩感覚に目を引く。
密かな逢瀬と情事に溺れ、貫く愛と奇跡に生まれる信仰心、そして、神のもつれに男の嫉妬と憎しみ。
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真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)

4.0

少女が向ける眼差し。
スカヨハの純白な納得の美しさ。
その透き通る青い瞳、素朴さや無垢さが心を奪う。
フェルメールが異彩を放つウルトラマリンの価値。
触れそうで触れない、繊細で情緒的な世界観と強い印象
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アウトポスト(2020年製作の映画)

3.8

見上げれば四方を包囲する山岳と圧倒的な敵の数に勝ち目のない米兵達。
ただ、生き抜く事。
史上最長アフガニスタン紛争も撤退となったが、これまでの混乱と失敗ともいえる過酷な激戦を考えると、今後の不安と虚し
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

4.5

国と国の戦争ではない。
観賞後に残る命の尊さと虚無感…
余すことなく伝わる特化したリアルな戦闘シーン、恐れられるRPG、迫力ある臨場感と緊迫感の中で起こる泥沼戦に絶望感。
生と死の狭間に、徹底された命
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.1

男臭くどす黒い昭和の非日常感ある雰囲気や、豪華キャストの生々しくキレのある演技は素晴らしく、その中でも圧倒的な存在感を放つ役所広司の一貫した生き様と滲む優しさ人情味に加え、熱い広島弁はまるで本物。一皮>>続きを読む

君が最後の初恋(2021年製作の映画)

4.2

役のふり幅の才能を感じては、ガラッと変わる雰囲気とギャップが観る側の心を掴んで離さない。今作で初めて知る俳優ロウ·チウのワイルドな色気と爽やかな魅力が溢れるラブストーリー。
境遇に負けない立ち振舞いと
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愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)

4.2

若かりしリチャード·ギアのイケメンぶりに納得の出世作。
抜け出したいあってない様な居場所、男同士の友情、女の健気な愛に苦悩と葛藤と涙。利己的でひねくれた心を閉ざす彼の成長、試練と戦いでもあり、走り出す
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.8

#ルール倍増、小ネタの連発、10年の月日は主要キャストもそれぞれキャリアを積み上げているわけだが、テンポの良さに加え、前作の持ち味は良い意味でそのまま持続され、おバカ加減もご愛嬌。新キャラ、ピンク一色>>続きを読む

ゾンビランド(2009年製作の映画)

3.7

主要キャストのキャラ構成が最高に際立つゾンビコメディ。
ビル·マーレイの扱いの粗さに、ゴーストバスターズが超シュール。
ブラックユーモアの効いた爽快感に細かい事など心配御無用。
スリル満点のフリーフォ
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潮風のいたずら(1987年製作の映画)

3.6

ゴールディ·ホーンの魅力溢れる今作。
キラキラではなく高慢なギラギラが相応しい。セクシーなTバックも何なと着こなし、衝撃なこの伏線にラッセルの鼻の下も伸びるわけで。
実生活でも作品の中でも息ピッタリの
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間違えられた男(1956年製作の映画)

3.6

見覚えのない無実をはらす。
ヘンリー·フォンダ扮する主人公の戸惑いや焦悴した心理が込められ、その緊張感を持続し続けるカメラワークは丁寧で巧みなテクニックと演出で観客を引き込む。
最も恐ろしいのは、心が
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

4.0

歳を重ねても罪は消えない。
終わらない戦争と終わらない憎しみに残す残酷な傷跡。
ただ、その根深い怨みも残党も、老人のおぼつかなさ、厄介さ、目の離せない危うさを操る怖さと物悲しさ。
美しく奏でるピアノに
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.7

種の生存とはいえ、神秘的な自然界の怖さでもある本作を暗示するであろう、ある生態とその皮肉さは、見渡す限り不気味さと異質感漂うラビリンス。
繰り返す毎日に先の見えない将来への漠然とした不安…(あと何十年
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フロッグ(2019年製作の映画)

4.0

見落としがちな練った巧妙な伏線に、オカルト調で不穏漂うカメラアングルと音響、パズル的なミステリーの構成や予想や想像を裏切る仕掛けが見応えあり。
2回鑑賞し、様々な登場人物の目線が新たに発見出来る楽しみ
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私を信じて -リサ・マクヴェイの誘拐-(2018年製作の映画)

3.7

主人公少女に置かれた境遇があまりにも壮絶であり、彼女を待ち構える周囲の無関心さと疑心の圧力は、心が押し潰されると同時に苛立ちを覚える。実際の事件を元に、展開の速さには驚きの連続と緊張感が走る。
鋭い観
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

3.7

それぞれが背負った罪と償い。
史実へと結び付く隠された真実と問われる正義。
非道な戦争犯罪者と法律の悪用と矛盾。
戦時下の渦中の狂気の残酷さと罪のない失われた人の命の無念さ。
過去と対峙し、風化させて
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イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

4.3

全編通し無駄のない演出と絶妙なキャスティング。光と闇の交差に哀しみと切なさ。その寡黙な冷徹さは、圧倒的な存在感を放ち、バイオレンス感と視覚的痛みは、裏社会の恐ろしさでもある説得力に引き付けられる。
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ソウル・サーファー(2011年製作の映画)

4.2

彼女は決して諦めない。
青く美しい海に夢を抱き、その少女は高波を求め人々に勇気を与え続ける。
当たり前の日常に突然の悲劇…受け入れざる得ない自身の障害と高い壁、その心の傷跡は深く、はかり知れぬ悲しみで
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残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

3.6

孤独の似合うマッツ·ミケルセン、苦難の連続と遠退くSOS、過酷な極限状態は、まさに見えない明日と絶望であり、観る側の心が折れそうな程。
少ない台詞の中、彼から伝わる体感、寡黙で凍てつく様な心情表現と今
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デッド・カーム/戦慄の航海(1988年製作の映画)

3.0

ビリー·ゼインの登場で、おおよその察しがつくが、彼の目的、船で何が起きたのか…
B級感漂うヨット内の閉鎖感あるワンシュチュエーションで、沈み行く船と略奪される船、両者に危機迫る対峙に余儀なくされる。
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.6

戦後の社会的背景の低底を這いずり回る不遇な生い立ち、貧困と孤独。
汚れた大人の世界にまともな人間などいない心の拠り所。
見事な役作りに挑んだヨナス·ダスラーの素顔とはうって変わって、その醜く崩れた容姿
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モンスター(2003年製作の映画)

3.8

圧倒される13kgの増量に特殊メイク、本人に似せた容姿、立ち振舞いを魅せつけるシャーリーズ·セロンの鬼気迫る見事な怪演はアカデミー賞納得。
辛い家庭環境、苦しい低底の生活。
社会からの疎外感。孤独。
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.8

身分違いの恋、文学への目覚め。
成功を掴むまでの苦悩と焦燥心。
つきまとう貧困。
もがき続ける格差社会。
裕福とは裏腹に、彼に残るものは愛のない孤独と虚無。
ナポリの街並みや海、差し込む風景の映像美に
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シャイン(1996年製作の映画)

3.9

厳格の父、天才少年の才能の開花。
とらわれた音楽への固執。
魂を揺さぶる「ラフマニノフ」の指先。
賞賛と周囲の人々の助け、自由と解放。
彼の生きた過程は決して埋もれず、ピアノへの情熱は純粋で美しい。
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.1

淡々と犯す残虐テロ行為に恐怖と嫌悪感を覚える…
その裏にある背景、一種の洗脳ともいえる信仰心や貧困も描かれているが、同情の余地もない。
息苦しい緊迫感が張り詰める中、犠牲者の数に胸が痛むが、従業員のプ
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キル・チーム(2019年製作の映画)

3.7

戦争が犯罪を生み、狂気は人道と精神を破壊する。
持ち続ける「信念」と追い込まれる「葛藤」それは、究極であり、まともな選択など存在するのか、本質を問われる。
疑心から確信へ変わる緊張感に追体験。決して逃
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メイフィールドの怪人たち(1989年製作の映画)

3.5

「怪人」より「変人」が相応しいのか…平凡な日常にズレた住人達の休日の無駄遣い感、大の大人がまるで童心に戻り、ついには遊び心に火がつく?的な痛快ドタバタコメディ。何よりキャスティングの持ち味、主演の若き>>続きを読む

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)

3.5

「冤罪」根底にあるのは、アメリカの人種差別であり、その先入観は全く身勝手と捉えてもよい。
違和感さえ覚える、実の娘との年の差に、酒に女にとだらしない私生活ぶりは動物園でついに暴走するわけだ。(超テキト
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カンザス/カンザス経由→N.Y.行き(1988年製作の映画)

3.6

カンザスの美しく雄大な風景と、田舎の閉鎖的な雰囲気に対照的な2人の運命…。
何せ、行きずりの相手が根っこからの悪なんだから。
ストーリー(中身は浅い)云々より、ワイルドさ溢れ、手慣れた雰囲気も危険な魅
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キャリー(1976年製作の映画)

4.0

「初潮」「目覚める能力」
シシー·スペイセスの怪演に尽きる見事な抑圧と情緒の爆発。
日常に渦巻く人間の愚かさ。
人生で初めての幸福感。
プロムでの洗練された美しさとダンスシーン…結末が分かるが故に思わ
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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.0

何をやっても様になる。
クリスチャン·ベイル、ラッセル·クロウの二大スターが魅せる、善と悪の狭間で命をかけた男同士の熱い生き様。
父親の葛藤と尊厳、その静かな背中を見守る息子扮するローガン·ラーマンの
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追跡者(1998年製作の映画)

3.6

「逃亡者」で、熱量と味のある連邦保安官補演じたトミー·リー·ジョーンズが今作スピンオフ納得の昇進と主役を抑える。前作と設定は変わらずだが、これが見飽きず面白い。
チキン姿に強面張り込みは、もはやギャグ
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

4.5

与えられた能力と変えた先の未来。
それは、幸か不幸か…
空白の5年に切ない現実。
苦悩と悲劇の連続。
孤高の男、若きクリストファー·ウォーケンは正に適役であり、繊細な瞳と魅せる笑顔が堪らない。
スティ
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