しうちさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.2

気持ち悪さと画面の美しさの組み合わせが絶妙で観ていてクセになる。全く先が読めない脚本やラストの着地も良かった

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

この多幸感と不穏感を同時に描けるのが凄すぎる。かなりミニマルで一見するとただのジュブナイル映画だけどその枠に収まらない良作だと思った。反射を使ったショットがかなり良かった

怪物(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

本筋と関係ないノイズがあまりにも多いし、いろいろ明らかになっても結局主題が浮かび上がってこないからそこまで惹きつけられなかった。だから何なんだという感想しかない。演技は良かった

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ケイトブランシェットが神にもゴミにも見える。前半の度肝を抜かれる長回し罵倒、自分の音楽を騒音だと他者から指摘されるシーン、少女売春店に行ってしまい自身のやってきたことを客観視するシーン、なんとも奇妙だ>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

4.6

マジックアワーを効果的に使った圧倒的映像美。脚本が薄いのも逆に良い

キャビン(2011年製作の映画)

3.4

友達とワイワイ観るのがめちゃくちゃ楽しい。ホラー映画もっと観たい

オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

4.3

想像以上に『8 1/2』の要素が強く、かなり好きなタイプのカオス映画だった。主人公はどうしようもない人間だが、ここまで全てを曝け出されると憎めない。私的を極めると普遍的になる、というのは真理だなと改め>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.6

大好きな『ブギーナイツ』や『パンチドランクラブ 』に回帰したような作風で、ずっとこの作品世界に浸っていたいと思えるような大傑作だった。荒唐無稽でバカすぎるエピソードの中に、しっかりとカタルシスがあった>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

無理矢理すぎる脚本も、トムクルーズと圧倒的迫力の映像のおかげで気にならない。IMAXで観れてよかった

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.4

革新的すぎて驚く。今流行りの、役割からの解放というテーマをいち早く描いた映画でもあるし、ASMRの先駆けでもあると思う。普通ならカットされる日常動作をずっと捉え続け、それが少しずつ崩れていく様から言い>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

親子関係を含んだ人間ドラマを描かせると、マイクミルズの右に出る者はいないのではないかと思う。この監督の作品には人生の節目節目で観返したくなるような良さがある

何者(2016年製作の映画)

2.0

登場人物全員よくこの歳まで誰にも殺されず生きてこれたなと思った

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

障害者モノは感動しづらいけどこれはシンプルに良かった。後半の演出以外特に捻りもなく、誰が観ても楽しめるような作りで、これでアカデミー作品賞なのが信じられない。主人公の兄がカッコよかった

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

今まで観た中で間違いなく最高の群像劇であり、魔法のような映画体験だった
5時間17分という長さを全く感じさせず、終わった瞬間もっと続きを観たいと思った。10人以上の登場人物を無駄なく操り、一瞬たりとも
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親密さ(2012年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

何を見せられたのかいまだに分かってないがとにかく凄かった。第一部は正直長いなと思う瞬間もあったが、終わってみれば無駄な部分は一切なく、もう一度最初から観たいとさえ感じた。後半の演劇と、ラストシーンの奇>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

3.8

面白かった。ちょっと間違えれば一気に安っぽくなりそうな危うさがあったけど、役者の演技力や力の入った撮影のおかげでギリギリのところで持ち堪えていた。ラストの演出の解釈が個人的に難しかった。伊東蒼と清水尋>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

4.9

カメラのパンと横移動によって、画面の強度が最初から最後まで持続する。必要のないところでカットを割らないことが徹底されている長回しもすごい。とにかく画面に惹きつけられ、この映画の中ではどんなことでも起こ>>続きを読む

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.5

家庭内不和、ミッドエイジクライシスの話を黒沢清が撮るだけでもう面白い。作家性も爆発してたし素直に感動した。小泉今日子がこんなに黒澤清作品にマッチするとは思わなかった

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

会話劇としては今まで観た映画の中で一番面白かった。密室の2人だけの会話という限定された状況下で、ただならぬ緊張感や、思わず吹き出してしまうような笑いや、心の深い部分を抉られる苦しさや、明日への希望を持>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

事前情報なしで観れてよかった。脚本がシンプルに面白いし考えさせられる。リドリースコットらしく、安易なカタルシスを与えてくれないラストも良い
『プロミシングヤングウーマン』、『17歳の瞳に映る世界』、そ
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脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)

4.6

カウフマン要素満載で面白い。鬱映画には違いないが突き抜けすぎて最早鬱映画ですらなくなってる気がする。この内容を演じ切ったフィリップシーモアホフマンもすごい。本作をちゃんと理解するのにあと50年はかかり>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画という枠に留まってていいのかと思うほどの大傑作

劇作家の岸田國士が、「『或ること』を言ふために芝居を書くのではない。芝居を書くために『何か知ら』言ふのだ」という言葉を残している。本作はこの言葉に
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欲望の翼(1990年製作の映画)

4.4

初ウォンカーウァイ。今まで観てなかったことを反省した。映像作品としても刹那的な恋愛映画としてもめちゃくちゃ好み。この映画のレスリーチャンみたいな、どこか別世界に連れてってくれそうな雰囲気持ってる男はモ>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

4.5

秀逸なカットがたくさんあって良かった。こういう映画を観るたび、登場人物に共感できるか否かと作品を面白いと感じるかどうかはあまり関係ないなと思う

ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)

4.1

自分好みのユーモアではなかったけど映像とラストが良過ぎたので満足。コメディなのに芸術性高すぎる

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.8

ここ数年の映画で指折りに好きな作品。セリフに頼らず、手持ちカメラによるバストショットの積み重ねで主人公の内面を伝えてくる映像に惹きつけられた。要所での長回しや、引きの映像も素晴らしい。この映画を観て、>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

4.1

撮影と演技は素晴らしかったが、内容的にいまいち乗りきれなかった。やっぱり男の抱える悩みは基本的に、他者より優位に立ちたい、セックスしたいの2つだから、当人たちにとっては深刻でも客観的に見るとかなり馬鹿>>続きを読む