しうちさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.5

『ぼくのエリ』も本作も、設定やテーマは面白いのに映像化すると一気にチープになってしまっているように感じる。原作読んでみたい

イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.2

同じ設定の漫画『ぼくはビートルズ』よりはるかにビートルズ愛が感じられたし最終的な落とし所も良かった。『アド・アストラ』とも根本的なテーマは同じかな。リチャード・カーティスの甘ったるい脚本大嫌いだったの>>続きを読む

第三の男(1949年製作の映画)

4.6

5年ぶりくらいに再観賞。当時観た時の100倍くらい面白く感じた。無駄なカットが1つもない上にラスト40分は舌を巻くショットの連続だし、製作当時の時代背景と絡めた脚本も素晴らしい
フラれた男をこんなに哀
>>続きを読む

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

4.3

アクションコメディだと思っていたら繊細かつ重厚な人間ドラマだった。マーティン・マクドナー作品のコメディとシリアスのバランスやちょっとした噛み合わなさから思わぬ方向に転がっていく脚本かなり好きだ。根っか>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.8

オデッサの階段のシーンは今観ても全然古さを感じなかった。本作でモンタージュ理論の基礎が確立された数年後に『アンダルシアの犬』や『ニースについて』が作られたことを思うと、この時代の表現技法の進化は凄まじ>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.0

ホテルマン達の勇気は素晴らしいが、暴力に対抗する術が結局は更に大きな暴力装置でしかないのが悲しい。仕方ないんだけど
今年の新作の中で観ていて一番疲れた

キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

4.5

映画の中でしか出来ないモンタージュを駆使したギャグ、ワンカットで見せるアクションシーン(首の骨折ったらしい)が本当に凄すぎる。映画(と夢)の虚構性を存分に利用した後の、映画と現実の違いを際立たせたラス>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.9

「血の繋がり」ゆえに選ぶことのできない家族という名の地獄において、神のような絶対的愛を血の繋がりのない他人に託すというテーマが『東京物語』そのものだった。ベルイマン作品で度々描かれる「神の沈黙」が今ま>>続きを読む

フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.6

カメラワークが良い。『ミツバチのささやき』への理解が少し深まった

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

4.8

要所の演出や信念の有無で登場人物の行く末が決まるところなど、タランティーノ作品はこれに影響受けまくってるなと思った。CCが出てる作品マジで傑作しかない

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

面白かったけど目新しさは特に感じられなかったのが残念だった。結局はスコセッシとポールシュレイダーがやってきたことの焼き直しに過ぎないんじゃないかと。ホアキンの演技にしたって『ザ・マスター』で骨董品のト>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃ適当なフランス語で歌うところからラストまでの流れが良すぎる。コメディを通じて社会批判できるチャップリンはやっぱり天才

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

3.3

劇中に流れるリアルな空気感が素晴らしい。登場人物の捌き方も上手いし、性描写はおろかキスもなしに恋愛映画を成立させているのは地味に凄いと思う。ただ、登場人物が多すぎるせいでシーンが寸断されて、前作『愛が>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.2

タイトルの意味がわかった時思わず声出そうになった。『ゲット・アウト』以上に磨きのかかった伏線の張り方、演出、ホラーとコメディのバランスが良かった。荒唐無稽さもシャマランっぽくて結構好き。格差を描いた映>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.1

こういう不安定なティーンエイジャーを描いた作品を観るときに、親の方に感情移入するようになってしまった。それにしてもA24は青春映画を作るのが本当に上手い

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

-

ミックジャガーとダリとオーソンウェルズが共演してピンク・フロイドとマグマが音楽を担当するという構想でめちゃくちゃ観てみたかったけど企画倒れして残念。ホドロフスキーの人間的魅力と創作への情熱が爆発してて>>続きを読む

スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.3

『ダークナイト・ライジング』なみに大味で詰め込み過ぎな脚本だった。2作目でピークを迎え3作目で失速するのはシリーズものの宿命なのか

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.9

ツッコミどころは多いがやっぱり内省的な映画は全部好きだ。深宇宙への旅が、実質的には主人公の心の深淵を探る行為であり、壮大なスケールで物凄くミニマルな物語を展開しているという対比が面白い。心温まる着地点>>続きを読む

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

4.3

単なる父殺しの物語かと思ったが、良い意味で予想を裏切られ、ラストシーンに圧倒された。個人に徹底的に焦点を当てることで逆説的に普遍性が生ずるということを体現したような作品。エマニュエル・ルベツキの撮影が>>続きを読む

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)

3.5

ここ最近名作中の名作しか観てなくて胃もたれしそうだったので口直しに。ウィルスミスが若い

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.1

ストーリーは割と普通のサスペンスで、『暗殺の森』のような普遍性はなかったが、やはり映像が素晴らしい。ストラーロはルベツキと並び存命している中でトップクラスの撮影監督だと再認識

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.8

政治とセクシャリティを同列に描いているのが新鮮で真に迫るものがあった。思えば『ドリーマーズ』も性的なものと革命を並列的に描いていたな、と。ヴィスコンティの『山猫』の舞踏会より美しいダンスシーンはないと>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.7

まさかマジックミラーに泣かされる日が来るとは。2人のセリフ以上に映像が雄弁に語っていた

めちゃくちゃ良かったけど『ベルリン・天使の詩』との二本立ては完全にキャパオーバーだった。いつかもう一回観てから
>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.9

素晴らしい人生賛歌でありながら、観客にベルリンの壁崩壊を呼びかけたとんでもない傑作。強いメッセージ性だけでなく、最初から最後まで詩的で美しく、弱者への優しさに満ちている。「全てのかつての天使、特に安二>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.8

グランドシネマサンシャインIMAX上映にて
冒頭、ロサンゼルスの街並みを上空から映すシーンの美しさ、全身に響いてくる重低音に一発で心を掴まれた。その後の緊張感も尋常ではなく、以前観た時とは違いほとんど
>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

-

子どもの頃の感覚を描くのが上手く、映像も美しいがラストの着地点がよくわからなかった。結局エリセ版『となりのトトロ』ってことでいいのか。いずれもう一回観ます

エル・スール(1982年製作の映画)

4.4

暗闇から徐々に画面の全貌を浮かび上がらせる光の使い方が凄かった。少女が成長するに連れて、今まで知らなかった父親の一面を知り、関係性が変化していく様が悲しくも温かい

スパイダーマン2(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アクションも、ドラマパートも、前作より格段に良くなってた
それにしてもアメリカ映画では核爆弾の扱いが軽く、『アイアン・ジャイアント』や『ダークナイト・ライジング』では、「離れたところで爆発させればええ
>>続きを読む

スパイダーマン(2002年製作の映画)

3.4

全体的な安っぽさと暗さがこれぞサム・ライミって感じだった。MJが思ったより軽めの女だった。アメコミ原作の映画全然観てないのでこれから少しずつ観ていきたい

エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.2

要所の映像は綺麗だったが生理的に受け付けないシーンが多過ぎたしストーリーも薄くて80分の間に2回寝落ちした

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2時間にまとめられただろとも思ったが、タランティーノの新作を映画館で観られるというだけで幸せだったので、この尺で良かった。なるべく長く観ていたかった
『イングロリアス・バスターズ』や『ジャンゴ』で見せ
>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.8

マルホランド・ファイトクラブって感じだった。もともと、ベルイマンは本作に『映画』というタイトルを付けようとしたというのを知ってすごくしっくりきた。冒頭はじめ映像表現が凄すぎたのでとりあえずもう一回観て>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

4.2

映画全体が『ボヘミアン・ラプソディ』と対比関係になっていて面白かった。ミュージカル仕立てになっていたのも良かった。あくまでファンタジーなのだと思って観ることが出来たし、製作総指揮を務めたエルトン・ジョ>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

4.4

死が目前に迫った人間が、こんなにも生の悦びに満ちた作品を撮ったということが信じられない。1934年製作とは思えないほどシュールなギャグセンスもツボだった

新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

4.3

ラストの爽快感が素晴らしい。とてもアナーキーな映画