砂さんの映画レビュー・感想・評価

砂

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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

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基本的なところは前作と全く変わっていない。正直ストーリーのネタバレに意味はないため端的に書けば闇社会の伝説的殺し屋が前作の因果もあり強いられた仕事を請け負った結果組織を追放されるまでの顛末である。
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立ち去った女(2016年製作の映画)

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長大な上映時間、白黒の長回しで知られるラヴ・ディアス。
本作も3時間48分と長く、しかも淡々と固定カメラの長回しであるのだが、そこまで長さは感じなかった。むしろ映画の構成上、この長さがちょうどいいと感
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聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

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福岡アジアフィルムフェスティバル2019にて

端的に本作をあらわすなら寡黙で、極めて研ぎ澄まされた映像詩だ。
作中で現代の思想における三点は、科学・宗教・詩である…ということが語られるが、作中におい
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轢き殺された羊(2018年製作の映画)

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アジアフォーカス2019にて鑑賞

説明がとても難しい、不思議な映画。
チベット仏教の観念的倫理観を白昼夢にした、ような不思議な展開であるのだけど、このように解釈したと言葉にすることができない。
一般
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それぞれの道のり(2018年製作の映画)

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アジアフォーカス2019にて:

フィリピンの巨匠3名による、旅をテーマにしたオムニバス。

ディアスはモノクロの長回しという静謐な映像ながら、明暗のコントラストが非常に強く舞台の森を人が歩くことによ
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

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凄い熱の映画だ。主人公ビリー・ムーアの自伝を元に実際の刑務所、元囚人を使って作られた気合の入った一作である。

映画内では語られないがビリーは元々札付きの不良であり、人生の大半を監獄暮らししていたとの
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

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7時間18分というとてつもない上映時間で伝説と化している本作、東欧版DVDが手に入ったので自宅で鑑賞。私は英語力が残念であり、ことに思弁的な会話などついていけるわけがないので本作においては半分以上の会>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

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なんとも説明の難しい映画である。ホラーかと思いきや、オカルトのようでもあり、しかしメタ批評的な作品でもあり、いい言い方をすれば作中の構成が入れ子的とも多元的とも言える。悪い言い方をすればあまりに色々詰>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

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先行して観た「とうろうこしの島」とセットで上映されていた本作は、あちらと同じくアブハジア紛争と言われる1992年頃の戦争において、戦線で双方に与するでなく生活を送る人がとる行為にスポットがあてられてい>>続きを読む

とうもろこしの島(2014年製作の映画)

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ジョージアは大国に翻弄される度重なる歴史と、それでも自国を守ろうとし続けた人々、そしてワインの国だ。
本作はそれらを踏まえたうえでの鑑賞は観方が変わる。

紛争ラインである川の中州にできた小さな島で、
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

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なんか無性にアクションが観たくなる時期がたまに来るのだが、そんなときは何も考えずただ画面を眺める映画がよい。

本作はキアヌリーブスが復讐のため組織に挑む引退した元凄腕の殺し屋を演じる。
あらすじはま
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レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

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観るたびに異なる印象を受ける映画がある。
そういう映画は長く付き合うこととなり、本作は私にとってそのような作品である。

スタジオジブリが海外と合作した、という触れ込みにも関わらず宣伝も小規模。その実
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GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)

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アニゴジ3作目。いよいよ満を持してギドラの登場である。

メカゴジラが破れ万策尽きた人類は、ついに諦めの境地に達する。そこで神への祈りといういわば逃避へと進むわけだが、これには計略があった。
諸々の後
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GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)

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アニゴジ2作目。
絶望的な前回から、自己増殖するナノメタルによって構築されたメカゴジラの残骸を発見することからストーリーが進む。

モスラの因子を受けついだ種族が登場し、侵略者たるメカゴジラの存在も感
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GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)

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賛否のある評判に少し躊躇していたアニゴジ。
まだ一作目ではあるけど、思ったより普通に全然良かった。
冒頭で語られるこの世界の怪獣史は、設定だけ先にみていたのでここまで巻かれるのかと驚きはしたが。

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主戦場(2018年製作の映画)

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ここまで「いま観るべき映画」といえる作品は久々に観た。

まず映画は編集者の主観があり、ことドキュメンタリーという形式は主張を織り混ぜないことは不可能である。
そして私は中道であると思っているので、作
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デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

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鬼才・デヴィッドリンチが自分を語るドキュメンタリー。最初に書くとかなり面食らった作品で、リンチや映画への観方が変わるような作品だった。

本作について。
構成としては意外にも、「作品について」はほとん
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A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒー(2014年製作の映画)

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コーヒーについてのドキュメンタリー"的"映画。私はコーヒーがとても好きで色々書籍を読んだりもしてるけど、映画はあまり観たことがなかった。
有名な作品には「おいしいコーヒーの真実」がある。本作は、生産者
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

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鑑賞から時間が経って、再鑑賞することで思うことが変わるのが芸術だけど、本作もその1つ。7年ぶりくらいになるだろうか、久々に借りた。
映画のあらすじについては割愛。

改めて観て注目したことは、生活にお
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Vision(2017年製作の映画)

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何と言えばいいか、とても言葉を整理するのが難しい映画だった。
プロットを軸にして考えるには難しく、森=様々な時間軸(記憶)が並行して存在する場所、と捉えて超越的な何か、観念的な、言語化しがたい何かを映
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アルビノの木(2016年製作の映画)

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私は二項対立する価値観を隠喩を用いて表現する作品や、生殺与奪を行う者の内面的葛藤を描いた作品が好きなので、本作はピンズドと思って借りた。
が、感想を言うと期待外れであった。

猟師を兼業とする主人公は
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泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

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すごく穏やかで可笑しげのある「まなざし」の映画だった。
けっこう珍しい映画である。

舞台は冬の青森・弘前で、主人公の男の子の小さな冒険の物語…と書くと冒険譚っぽいのだけどそうではなくて、もっと素朴に
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

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「ザ・スクエア」が非常によくできた映画だったので、リューベン・オストルンド監督の作品を遡る形で本作を鑑賞。
アルプスのリゾートゲレンデで起きた出来事によって、夫婦の亀裂が修復不可になるすれ違いの様を5
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

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「ロブスター」「聖なる鹿殺し」など怪作を作るヨルゴス・ランティモス。今回題材としたのは、中世イギリスの宮廷で愛憎交えた権謀術数というのだから、とんでもないことになっている。


貴族の生活という虚栄の
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馬を放つ(2017年製作の映画)

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私はキルギスの歴史や文化に全く明るくないのだが、本作はそれらが非常に重要。が、物語においての意味合いは漠として理解できる。

*以下ネタバレ含みますが、そこまで重要ではないと判断したのでチェックはつけ
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

昨今ハリウッドにおけるヒーロー・怪獣など日本でいう特撮のジャンルはエンターテインメントの中に時代の表象を盛り込んでくるという作りがスタンダードとなってきているが、このゴジラも「モンスターバース」という>>続きを読む

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

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新作を観る前に、復習がてら。公開時に観て以来なので結構内容忘れてた。

改めて今観ると、怪獣映画の文脈で「人が脅威に感じるもの」を描いていたように思える。日本人とアメリカ人にとって端的にトラウマを直球
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山<モンテ>(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

豊穣をもたらす山は恵みであるが、荒涼とした緑なき山は生命にとっての試練である。

霧がかかり山頂が見えない岩山と不毛の大地に囲まれた、今にもうち倒れそうな粗末な家のカットから本作は始まる。
時は中世、
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空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

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huluにて鑑賞。
ゴジラシリーズに登場する怪獣、ラドン。単体での映画があったことを実は知らなかった。本多猪四郎が監督を務める本作は、初代ゴジラにも通じたテーマを持った特撮映画だ。

熊本・阿蘇の炭鉱
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透明人間(2018年製作の映画)

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13分の短編アニメーション。

本作における「透明」とは実存としての存在ではなく社会的存在としての「不在」を指しているのだろう。「モノ」には触れられるのに、「重さ」がなくて、人には見えない存在。生きて
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サイコパスSS3部作の最後は狡噛の物語。
タイトルから、「狡噛の物語」の終焉を予想していたがそうではなかった。

前回の劇場版でもそうだったように、東南アジアが舞台になる手前どうしても話が単調になって
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ざくろの色(1971年製作の映画)

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アルメニアの詩人、サヤト・ノヴァの生涯を詩的なビジョンの連続で描いた(非)伝記的な叙事詩映画。

物語はあらすじを読まないと意味が汲み取れない。説明も会話もないし、直接的な描写もない。
言葉ではなく、
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ロブスター(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「聖なる鹿殺し」から遡る形で。ヨルゴス・ランティモスという人は本当にねっとりした会話とにじみ出るような変態性が随所にみられる。
本作もまったく奇妙な映画だった。各転換点において、「嘘」がキーワード。
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桜桃の味(1997年製作の映画)

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キアロスタミ作品でも人気の本作は少ない材料で、1つのメッセージを美しく描いた作品だった。

別作と同じくうねる道を車が走るというシーンが何度も続き、社内の会話劇がほとんどという作品。構図もパターンが限
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

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得体の知れない不安感がそのまま映画となったような、恐ろしく不気味な映画だ。

本作の特徴として広角の第三者視点(斜めに対象が配置されること多い)、じわじわと寄る/引くカメラワーク、小さなウソを重ねるど
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