あの日、君は僕にとって最高で不気味な『宇宙人』だった。
雨の匂いと擦り切れたランドセル、過去の執着を静かに解き放つ118分。
スクリーンから溢れ出す尋常ではない空気感と密度の濃さに一瞬で喉元を掴まれた>>続きを読む
『バーバリアン』、『ウェポンズ』のザック・クレッガー監督による『バイオハザード』。
ゲームをなぞってるからストーリーの骨組みやホラーとしての強度には物足りなさが残るものの、監督特有の空間演出やセンスあ>>続きを読む
17世紀の魔女裁判と、現代の廃修道院に蠢く怪異。
時間を越えて脈打つ制度の暗部と、解き放たれる魂のヴェネツィア受賞作。
イタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオが、自身の原風景である町ボッビオを舞台に描>>続きを読む
水墨画のように澄み渡る湖畔、ふたりだけの愛おしい日曜日。
世間の偏見と無理解が、透明な魂を無残に打ち砕く悲劇。
セルジュ・ブールギニョン監督が長編デビュー作にしてアカデミー外国語映画賞に輝いた、フラン>>続きを読む
「虎化」のビジュアルが、安っぽくて、スクリーンに映し出されるたびに緊張感を台無しにしていく。「ネタ」として失笑を誘う領域にすら達しておらず、要所要所の演出のセンスもダサい。
良くも悪くもスピルバーグ。
2000年代〜2010年代初頭あたりで時間が止まってしまったかのような徹底的な古臭さと退屈さ。
配信プラットフォームや現代的なA24的SF映画、あるいはポリティカルサスペン>>続きを読む
2000年前の灰の記憶と、火山の下で脈動する現代の日常。
静寂のモノクロームが刻む、時間と人間の圧倒的なシネマ体験。
『海は燃えている』のドキュメンタリーの名手ジャンフランコ・ロージ監督が、ヴェスーヴ>>続きを読む
小麦粉の匂い、汗ばむ肌、そして小さな命の脈動。
マルセイユの光と影の中で孤立するふたりが手繰り寄せる、歪で官能的な愛の手触り。
クレール・ドニ監督が第49回ロカルノ国際映画祭で最高賞に輝いた、初期の傑>>続きを読む
スマホの通知音と、不在の兄の気配。
ハイブランドの華やかさと静かな喪失が交錯する、スタイリッシュな心理スリラー。
オリヴィエ・アサイヤス監督がクリステン・スチュワートを主演に据え、カンヌ国際映画祭で監>>続きを読む
標高3000メートルの崖の上に立つ、元ハーレムの修道院。
吹き荒ぶ風と官能の壁画が、聖なる乙女たちの精神を狂わせていく。
マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガーが、ヒマラヤの絶壁を舞台に「信仰>>続きを読む
すべてを壊さずにはいられない、底なしの孤独。
雨の夜に拾われた女が魅せる、美しくも冷ややかな自滅の美学。
ミステリーの巨匠ジョルジュ・シムノンの小説を、クロード・シャブロル監督が冷徹な美学で映画化した>>続きを読む
無垢な少女の皮をかぶった、夜の底の毒花。
虚構と真実の境目を静かにすり抜ける、名匠シャブロルとユペール最恐のタッグ。
1933年にパリを激震させた実在の実父毒殺事件を、クロード・シャブロル監督が冷やや>>続きを読む
鉛色の空、荒れ狂う冬の海、言葉を失った男の静かな呼吸。
過去の痛みを踏み越えて生きていくための、硬質で切実な118分。
『佐々木、イン、マイマイン』の内山拓也監督が、自身の原点である新潟の風景と記憶を>>続きを読む
パンを知らない村に流れる、ブラームスの美しい交響曲。
ドキュメンタリーの仮面を被り、現実の悪夢と政治の不条理を突きつける問題作。
ブニュエルが、スペイン最貧の孤立地帯ラス・ウルデスにカメラを持ち込んだ>>続きを読む
映画を撮るという残酷な業と、愛する家族への罪。
スクリーンと現実の境目が溶け落ちる、あまりにも美しく切実な私小説シネマ。
フィリップ・ガレルが、当時の本物の妻(ブリジット・シィ)と5歳の息子(ルイ・ガ>>続きを読む
愛すれば愛するほど、相手の精神はすり抜けていく。
幾重にも重なる『視線』の檻に閉じ込められた、優美で冷ややかなサスペンス。
シャンタル・アケルマン監督がプルーストの『失われた時を求めて』を現代のパリに>>続きを読む
ブルジョワの秩序を撃ち抜く、密やかな反逆の美学。
支配層の『道徳』を脱ぎ捨て、真の人間性と情熱を掴み取る暁のドラマ。
ブニュエルがメキシコ時代を経て23年ぶりにヨーロッパで手がけた、異色にして隠れた意>>続きを読む
消えゆく洋館の壁に染みついた、いくつもの息づかい。
ただ座り、呼吸を重ねることで、時の記憶とシンクロする12分間。
吉開菜央監督が、京都で取り壊される直前の築87年の洋館「静坐社」を捉えたドキュメンタ>>続きを読む
車輪が回る、風が鳴る、心臓が鼓動する。
日常に潜むすべての雑音を繋ぎ合わせた、カラッと愛おしい14分間のハミング。
「音がするということは、そこに命があるということ」。車輪が回転する乾いた音、ペダルを>>続きを読む
流氷の来ない冬、雪の上に現れた真っ赤な異物。
知床の風音と脈動する肉体が織りなす、摩訶不思議な知覚体験。
ダンサー吉開菜央×写真家石川直樹が知床・斜里町で立ち上げた、ドキュメンタリーと空想が溶け合う6>>続きを読む
言葉の前に、声があった。
ジャンルの境界を爆破し続けたパイオニアが奏でる、生命と肉体の壮大なオーケストラ。
パフォーミングアーツの巨人メレディス・モンクの半生と創作に迫る、必見の95分。
言葉になる以>>続きを読む
絶妙な脱力感。
日当たりのいい団地、噛み合わない会話、そして食器棚の上に眠るキョンの骨。芝田日菜監督の切り取る世界は、不条理でありながらどこまでも風通しが良い。
自分でも消化しきれない苛立ちや焦燥>>続きを読む
赤く塗られた空と、静まり返る現代の東京。
消えゆく戦争の記憶と母の痛苦を、現在の街並みに重ね合わせた儚くも鋭利な映像詩。
PFFアワード2026入選の15分。1945年3月、猛火が襲った東京大空襲の夜>>続きを読む
『4分33秒』の静寂から、電子メディアの狂乱へ。
ジョン・ケージの思想を拡張し、テレビという巨大な怪物を解体した前衛の記録。
「ビデオ・アートの父」ナム・ジュン・パイクの生涯を紐解く上で欠かせない存在>>続きを読む
前線までわずか2,000メートル。泥と砲撃の果て、兵士たちの眼差しと奪われた日常を刻む凄惨なる戦場記録。
アカデミー賞受賞作『20日間のマウリポリ』のミスティスラフ・チェルノフ監督が、再びウクライナ最>>続きを読む
水面に溶けた歓声と、消えゆく街の記憶。
太田信吾監督がカメラ越しに見つめた、ある公共プールと人々の愛おしい別れの記録。
光と影が同居した公共の場所と、消えゆく人々の居場所を捉えた異色のドキュメンタリー>>続きを読む
『時間』の不可逆性と、人間の倫理を問う。
ノーラン監督が古典叙事詩を現代的な実存主義映画へと昇華させた金字塔。
ホメロスの原典をただなぞるのではなく、「10年という失われた時間の重み」をテーマの核に据>>続きを読む
身体が紡ぐ愛と孤独の答えを、静かなカメラが見つめ続ける。
シャンタル・アケルマンとピナ・バウシュ、二人の奇跡的な視線が交錯したドキュメンタリーの至高点。
現代舞踊の革新者ピナ・バウシュの舞台とツアーの>>続きを読む
バウハウスの幾何学美が、鮮烈なピンクの感覚世界へと変貌する。
オリバー・フサイン監督が空間と身体の解体を試みた、官能的なアヴァンギャルド・シネマ。
トロントを拠点に異彩を放つアーティスト、オリバー・フ>>続きを読む
理性を脱ぎ捨てたとき、静かな男の中に眠る『野獣』が目を覚ます。
サム・ペキンパーが突きつける、人間の本質と暴力の不可避を描いた惨烈なる傑作。
バイオレンスの巨匠サム・ペキンパー監督が、西部劇からイギリ>>続きを読む
継承される『有害な男らしさ』。
パトリシア・マズィ監督が古典的ノワールの手法で現代の深淵を抉り出したフレンチ・ノワール。
ロカルノ国際映画祭やカイエ・デュ・シネマ誌で絶賛されたパトリシア・マズィ監督に>>続きを読む
15歳の自信過剰な天才少年と、人生に行き詰まった大人。
ウェス・アンダーソン美学の原点。甘く切ない青春グラフィティ。
ウェス・アンダーソン監督の名を世界に知らしめた長編第2作。名門校を舞台に、課外活動>>続きを読む
音と身体が切り離され、空間が重力から解き放たれる。
アッラ・コヴガン監督が革新的振付家マース・カニングハムの美学を再現した、没入型ダンス・ドキュメンタリー。
20世紀のダンス史を塗り替えた巨匠マース・>>続きを読む
自らの身体で枠組を破壊し続けた、革命的アーティストの肖像。
キャロリー・シュニーマンの狂気と官能を、触覚的な映像美で体感させる至高のドキュメンタリー。
フェミニズム・アートの先駆者キャロリー・シュニー>>続きを読む