みかぽんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

みかぽん

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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

海を隔ててすぐの本土では同胞が圧政を敷く隣国イギリス(正確にはその傀儡)と戦っているけど、島の住人にはどちらが勝とうが関係のない話。そもそも島自体が国から忘れられた存在なのだから。
遠雷のように鳴る砲
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.8

総統の意向を忖度した幹部たちが示す叩き台は既に完成していて、根回しもシンパ同士の擦り合わせも、異論を挙げる側の想定と攻略も事前協議された上でのシャンシャン会議。

実務担当者はアイヒマン。いるいる会社
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

先ずは俳優陣の素晴らしさに深く感銘😢。とりわけスパーリングの途中で泣きに外れる?トレーナーが胸に沁みました🥲。
関係のない別事に集中してるのに、実は心を占めている事柄が突如込み上げ心が崩壊するあの感
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.9

遥か昔、予備校で「人間、死ぬ気になれば◯◯大合格も現実だ!」と檄を飛ばされても、「E判定じゃ全く現実味がありませ〜ん」とチクワ耳を決め込んでいたけど…。
お互いがペルシャ語の単語一つ知らない状況で始ま
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.0

人生の中で、何かを得たり、選択したり、背負ったりをして行くと、その途中で、あったと思う別の選択と、その先にあったであろう別の人生を確実に手放したと実感する瞬間がある。
同じく一方で、意識、無意識で行う
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

1.0

一択のフルコースで用意され、他の選択やリクエストはなし。そして料理が運ばれると、チーズをお足ししましょう、黒胡椒もどうぞ…と背後から囁かれ、有無も言わさず振りかけられているあの感じ…。
まわりくどくて
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あのこと(2021年製作の映画)

3.8

望まない妊娠の先を女性にだけ押し付け、高みの見物的無責任、あるいは火事場に便乗する男たちに心底ムカっ腹…😓。
着床、イコール生命とするとか、はたまた宗教的倫理観で判断するとかの意見もおありだろうが、ま
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.7

テレ東に「世界!ニッポン行きたい人応援団」って番組がありますけど、本作は、ニッポンの冠がディオールに変わった?展開😅で、その情熱が自分自身を、そして周囲を動かす系のほんわか&わくわく物語。
TV番組の
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ソウル・オブ・ワイン(2019年製作の映画)

3.8

枯れた枝を刈り、馬を引いて土地を耕し、新芽を剪定して日当たりよく整え、たわわに実った葡萄を収穫する。
例え戦争や飢饉があったとしても、おそらく何千年と繰り返された日々なのだろう。そして熟れたぶどうに腰
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

仮想現実感と彼女だけが知らない感がトゥルーマンショーっぽく、内容はまんまアンチ・グラビティだった。
なので感想はそっくりアンチ・グラビティをスライドさせます💦
て訳で既視感から点数も低め。
スミマセン
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.7

1933年を思い起こしながらの鑑賞。
戦後の好景気は束の間で、まだある敗戦の借金に追い討ちをかけた不況に苛立つドイツ国民を煽るナチ党が政権を握った年。
世界は恐慌からのハイパーインフレ。植民地を持つ国
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.7

昔、仕事関係である年配医師と懇意にして頂いていた頃、何かの話題をきっかけに、その医師はこんな話を聞かせてくれた。
若い頃、所属していた医局に、ある別の医師から〝皆さんで〟と差し入れがあった。このお菓子
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アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

3.9

最近、結構楽しく映画鑑賞していても途中で突如意識不明、の怪現象続発。これってナルコレプシー発症?もしくはツエツエバエに刺された⁇と怯える毎日。。(←ただ眠かっただけだろ😤)で思いついたのは、目と耳に別>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

4.0

オープニングは、言うこと聞かない困りものの孤独な爺さん。住まいの老人ホームは何処となく監獄を想像させる。そこに、かつての顧客の遺言を携えた弁護士が現れる。故人は、この老人に自身の葬式ヘアメイクを託した>>続きを読む

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言(2020年製作の映画)

4.0

ユダヤ人への弾圧、虐殺について、私は知らなかった、私は手を下していない、私は当時の時勢に流されるしかなかった、等々の言い訳っぽいインタビューを淡々と聴いているうちに、若干うんざり。しかも前日の夜更か>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.7

長回し、と言うかこの作品、全部一台のカメラを止めないまま、通しで撮ってるから、こっち側も気を散らされずにじぃっと観れてたって感じ。

いつもはカメラが切り替わる瞬間に(自分自身は前場面に入り込んでの思
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.9

始まりはニキータ。で途中、ボーンみたいになって、ちょっとだけレオンの要素が入り、あとはもう見たことないよなアクションがてんこ盛り盛りっっ!!
あんな人混みで様々やらかしたら秘密工作じゃなく立派な国際テ
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.8

夢枕獏の原作に谷口ジローが作画したコミックを、フランス配給でアニメ化した逆輸入作品。
先ずは羽生と深町の顔の区別に悩むのは私だけ…😅?「普段見慣れない外国人の顔は皆同じに見えて区別がつかない」と、主に
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.9

貧しかった家族にマイホームを。そして息子を溺愛し、彼自身もそうであった母親に、彼女の夢だったピンク色のキャデラックをプレゼント出来たその頃が、彼が純粋に幸せを感じられていた短い時間だったんだろうな…🥲>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0

プーチンの天敵、ナワリヌイ氏の名前はニュースで何度も聞いていたけど、実際の生ナワリヌイがめちゃくちゃハンサムだったことに先ずは釘付け😳❣️(←私ってホントにミーハーだわ…😑やれやれ)💦  
しかも奥さ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0


もう出だしから、ですよ。空母から戦闘機が朝焼けに向かって飛び立つ、あの一連の流れ。そして、オープニングのキャスティング・ロールのロゴさえもが前回と同じなのでは⁇と最近の「えーと、何だっけ。あれよ、ほ
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

4.0

その日の愛する人は、二人で過ごした部屋を離れる時にさりげなく、「さようなら、ジェーン」と告げた。仄かな違和感が一瞬、頭を掠めても、続けて話す彼の、ここは暫く誰も戻らないから4時くらいまではゆっくり過ご>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

4.0

んんんーっ
とにかく何から何までめっちゃ好み!
この作品は、先ずは主人公のジョアンナに、後はどこまで目に映るものそれぞれに感情移入出来るかが評価の分かれ道となりそうです。
オープニングで主人公が語る、
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アネット(2021年製作の映画)

3.6

巷の高得点にタジタジ🙁。
なんか雑誌とかにある有名人による〝一声コメント〟にもピンとこない。
カラックス作品と伏せて観てもその得点?(小声)と呟きたくもなっちやった😅。

展開も複雑じゃなく観たまんま
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

北アイルランド第二の都市、ロンドンデリーでの血の日曜日事件から遡ること四年前のベルファストを、少年の目線で語る物語。
アイルランド(の中のベルファスト)とイギリスの関係は、今なお続くパレスチナ問題と何
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

4.0

英国と言えば諜報活動。我々にとって一番身近な諜報部員は007。の原作者であるイアン・フレミングが実際に所属していたのもボンドと同じMI5(あでもボンドはMI5の中のMI6だ)。で、当時フレミングが実際>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.7

身に起こったある出来事と結果に対し、彼が抱え切れない気持ちで心の底へ押し殺したまま過ごして来たこと。その後悔と解放を、一見何の接点もない人々が抱えるエピソード、最後のワーニャ伯父さんの有名な一節に沿わ>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.6

1595年頃に発表された、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」は、360年余りを経て1960年に「ウエストサイド物語」となり、その約60年後の2021年、1950年代設定のまま「ウエストサイド・ス>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.7

面白かった。
この映画を観て、ボーイング社の花形最新鋭機、737MAX墜落の記憶を甦らせた。
ほぼ同時期に相次いで墜落した同型機。両機とも乗員乗客全員死亡の大事故であったにも関わらず、安全性を疑わなか
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

ヤングケアラーものですかぁ〜
と何処か覚めた気持ち半分、でもフォロワーさん達には絶賛の嵐だから観とくかな…と、ちょっと失礼千万での鑑賞でしたが、、。
お兄ちゃんの「家の犠牲になるな」の優しさが最初の一
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

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美しい写真をスライド・プロジェクターで観ているような作品で、カット割りがそのままお洒落な絵葉書みたい.。これにテンポをつけて退屈させないお気遣い?もあり。総じて監督の映像へのこだわりが楽しく、鑑賞価値>>続きを読む

MONSOON/モンスーン(2020年製作の映画)

3.5

例によって最低限の情報のまま鑑賞。
ベトナム戦争の終結で家族と共に国を離れた主人公が再び帰国を果たし、自らのアイデンティティーを探す、位の前知識で観始めたところ、途中から、亡き父親はアメリカの傀儡であ
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香川1区(2021年製作の映画)

4.1

ひと事で説明すると、前回は小川議員の人となりを知り、彼の清廉さに驚き、彼を応援したくなる内容だった。
そして今回は彼が闘う香川一区の選挙戦を共に体感する形を取りながら、日本の民主主義を見つめ直す内容に
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.7

深窓の?箱入り息子をアダムDが好演。
Lガガも一目で成金と判る出立ちと立ち振る舞いを全身で演じてなかなかの熱演😁。
てかもう光モノを盛れば盛るだけチープで驚きの仕上がり🤣💦
別に旦那の不倫相手を味方す
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.5

あけましておめでとうございます。
今年もゆる〜い更新になると思いますが、良かったらお付き合い下さい😃。


指先、背中のアップ、引きの後ろ姿、と徐々に徐々に全体が映し出され、遂にはロード・オブ・ザ・リ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.8

物語に登場する誰もが、自分が生きる生活の中で苦しみ、憤り、生きづらさなどの負の感情を抱えており、我々鑑賞者たちもそんな彼らの何処かに自分を見つけることが出来るので、物語にはすんなり入り込めるはず。>>続きを読む