半兵衛さんの映画レビュー・感想・評価

半兵衛

半兵衛

チェンジリング(1979年製作の映画)

3.3

新しく引っ越した家でポルターガイストに遭遇した主人公のドラマではあるが、主人公は途中からポルターガイストの霊に理解を示していくため恐怖の対象が主人公から途中様々な人物に振り分けられていくので肝心の恐怖>>続きを読む

西部戦線一九一八年(1930年製作の映画)

4.2

『プラトーン』や『プライベート・ライアン』のような実録風の戦争ドラマがナチス台頭直前のドイツで作られていたことに驚き、しかも約80分という短い尺で過不足なくまとめているのが凄い。

社会派と言われたパ
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眠りの館(1948年製作の映画)

4.0

美しき人妻が意識を失っているうちに見知らぬ列車に乗っていた…という冒頭の導入が完璧で、そこからそれぞれの思惑をもった登場人物が次々と登場して物語の全貌が中々見えなくて主人公のクローデット・コルベール同>>続きを読む

飛びっちょ勘太郎(1959年製作の映画)

3.8

まさか邦画でサニー千葉(あと眠狂四郎の若富もそうだったはず)よりも先に森繁久彌が少林寺拳法のアクションを披露しているとは、そりゃ後年の千葉真一や香港アクションスターのような本格的な拳法アクションとはい>>続きを読む

ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.5

10年以上前にテレビで見て「変な映画だな」と思ったが、今見てもその印象は変わらない。消えた女学生たちの存在が謎のまま物語が終わるからか、それとも何か超然としたものに見つめられているような感覚に襲われる>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.0

齢90に至ってもなお映画の第一線に立ち、そして自分の老いさらばえた姿を隠さずに主役を演じるクリント・イーストウッドの姿勢に感動すら覚える。実際現役時代のような凛としたスタイルは失われてスローな動きとい>>続きを読む

ブルックリン横丁(1945年製作の映画)

4.2

こんな深い人間観察と練達な語り口を持つ人情家族ドラマの名作をデビュー作で作り上げてしまったエリア・カザンはやはりただ者ではない。全体的にほのぼのとした世界観の優しいドラマであるが、時折顔を覗かせる現実>>続きを読む

妻の心(1956年製作の映画)

3.5

小林桂樹の旦那や突如実家に戻ってきた小林の兄の千秋実の二人が情けなさや優柔不断ぶりを発揮すればするほど家庭に縛られる主婦高峰秀子の息苦しさが伝わり、同時に意中の人である三船敏郎の二枚目ぶりが一際輝いて>>続きを読む

未亡人館の惨劇(1971年製作の映画)

3.9

この作品を見るときは絶対ネタバレ解説を読まない方がいいかも、面白さが半減するから。

冒頭の手持ちカメラによる主観撮影と殺害シーンはへっぽこな出来映えで(トンカチが顔に当たるとぐにゃっと曲がるのを見た
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出張(1989年製作の映画)

4.0

これぞ大人のための寓話(監督的に見れば大人向け『日本昔ばなし』)。出張のため訪れた見知らぬ土地でテロリストに誘拐された主人公の中年サラリーマンを通して、非現実の世界に連れ込まれても常に自分は会社員だと>>続きを読む

暗い日曜日(1999年製作の映画)

3.9

これを聞いた人はおろか作曲家まで自殺を遂げたと言われる伝説を残す名曲『暗い日曜日』をモチーフにした映画だが、ミステリーとしても人間ドラマとしても良くできている上質な作品に。そしてナチスやユダヤ人虐殺な>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

2.5

人体実験とか憲兵による拷問とかハードな内容を取り扱っている割には、結局夫婦をめぐるメロドラマに着地するのでモヤモヤする。私としては開けたパンドラの箱をどう処理するのか期待していたのに、夫婦の愛の駆け引>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.0

宮崎駿と日本画の世界が『もののけ姫』を経て見事に融合した一作、それまでの宮崎作品とは違う和のテイストが濃いキャラクターたちや湯屋といった舞台により展開される画は一風変わっていて楽しい。そうした中にあっ>>続きを読む

クライ・ベイビー(1990年製作の映画)

3.6

若き頃のジョニー・デップの不良ぶりと、漫画チックに描かれたアメリカの50年代カルチャーが楽しく愛らしい佳作。メジャー作品ということでジョン・ウォーターズらしい過激な描写は少なめだけど、ディープキスの場>>続きを読む

私はゾンビと歩いた!(1943年製作の映画)

4.0

異形の者と化した女性を愛し抜いたがゆえの男の悲劇が静寂なる恐怖とともに綴られていく奇談、舞台となる黒人の島(タヒチだと思われるが、この作品では西インド諸島とぼかされている)独自の文化や風習が異国情緒の>>続きを読む

スパルタンX(1984年製作の映画)

4.0

全編スペインロケによる大作というプレッシャーにも負けず、工夫を凝らした体当たりアクションとギャグに挑むジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンの役者根性をひたすら楽しむ傑作。物語なんてあってないようなもの>>続きを読む

忠烈図(1975年製作の映画)

3.8

これぞ香港アクション映画の真骨頂、全編にわたり工夫されたアクションと二転三転するドラマ展開に見終わってお腹いっぱいの気分に(プラス4Kで処理された流麗な映像の美しさが格調の高さをもたらす)。あと敵が和>>続きを読む

真田幸村の謀略(1979年製作の映画)

2.0

中島貞夫監督の作品は結構好きだけれど、中島監督は大作には向かないタイプだとこの作品を見てつくづく思う。二時間半という時間で真田十勇士が結成されるまでを一時間以上かけるってバカ丁寧にも程があるし、そのせ>>続きを読む

トカレフ(1994年製作の映画)

4.0

まるで北野映画の作風に挑戦したかのような一作(インタビューを読むと北野武をやはり意識して作られた模様)だけれど、ピンク四天王の作品を見たあとに鑑賞するとその後継的な作品に感じる。近代的な設備を舞台にし>>続きを読む

「青春万歳」より 源平恋合戦(1957年製作の映画)

2.5

大蔵貢時代の新東宝がこんなまともな青春映画を作っていたことに驚き、主人公をはじめ登場人物の大半は優しい真面目な奴らで、ストーリーも高校を舞台に恋に学業に悩んだと王道の展開。唯一ヒロインの久保菜穂子がお>>続きを読む

やさぐれ刑事(デカ)(1976年製作の映画)

4.0

タイトルの『やさぐれ刑事』を見事に体現するアウトロー刑事・原田芳雄の素晴らしさ。過剰なバイオレンスや悪党をおちょくるときの飄々とした無頼漢ぶりと、かつて原田に逮捕されたことを根に持っているヤクザ・高橋>>続きを読む

ガキ帝国(1981年製作の映画)

3.6

喧嘩を他の娯楽映画のようにアクションにせず、喧嘩にのめり込む人間の楽しさとアホらしさ、その裏にある痛みを容赦なく描くところや在日への視点など井筒和幸監督の姿勢はこの時からぶれていなかった。あと喧嘩する>>続きを読む

月は上りぬ(1955年製作の映画)

4.2

田中絹代×小津安二郎=ラブコメだったとは予想外だった。

台詞や風景の描写はいかにも小津スタイルなのだが、小津映画みたいなローアングルなどを使わず独特の画作りが施されいる。でも違和感がないし、むしろ小
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乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

4.1

一歩間違えれば単なる早逝した女性詩人のメロドラマになりそうな題材を、田中絹代監督ならではの洗練されたショットで性と母親の感情で苦悩する女性を神々しくとらえた風格のあるドラマに昇華していて圧倒される。>>続きを読む

結婚式のメンバー(1952年製作の映画)

3.8

子供から大人への第一歩を踏み出そうとする主人公の少女・フランキーの誇大妄想気味な言動はいささか辟易するが、同時にフランキーが放つ生々しい感情の慟哭からかつて自分が同じ世代たったときに抱えていた悩みや誇>>続きを読む

カリートの道(1993年製作の映画)

4.0

演じている役柄はいかにもアル・パチーノらしい役柄ではあるが、だからこそ所々ににじみ出ている老いや5年という刑務所にいた時間からくる時代とのズレが痛々しい。そして年月の残酷さと堅気になることの必要性を理>>続きを読む

女の秘密(1949年製作の映画)

2.7

誰が拳銃を撃ったかをぼかした冒頭や、ニコラス・レイ監督の緊張感に満ちた演出が期待を高める。そして愛情や嫉妬、尊敬と軽蔑が入り交じったモーリン・オハラVSグロリア・グレアムの静かな対決も面白い。

ただ
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レズビアンレイプ 甘い蜜汁(1991年製作の映画)

3.5

銃弾の代わりに自分の血と男の精液を入れた液体を発射する試験管を使った改造銃を使って好きな女に子供を生ませようとする女性、まともな人間が誰一人出てこない、噛み合わない会話、通常なら続く物語をぶつ切りにカ>>続きを読む

ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.5

主人公の女性は愛を求めるがその対象は名声のある人間(政治家、物書き、音楽家など)ばかりだし、ちょっとしたことですぐに不満を持ち次の男に乗り換える彼女の行動は表向き共感しづらい。しかし愛が不毛なものであ>>続きを読む

殺しのミッション(1949年製作の映画)

2.4

女性から夫の保釈金を用立てしてほしいと頼まれた主人公は、納付に成功して釈放されるがその直後に夫は何者かに殺されてしまう…。日本語に訳されたタイトルはアクション映画みたいだけど、実際はミステリー映画。>>続きを読む

白い悪魔(1958年製作の映画)

3.5

小悪魔というよりも、『野獣死すべし』の松田優作や『サイコ』のアンソニー・パーキンスに匹敵するサイコパス・野添ひとみが父的存在である森雅之を捕食する恐怖映画。ヒロインを演じる野添の演技がフルスロットル状>>続きを読む

ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

2.4

大人になって見ると他愛のない作品にしか見えないんだけれど、多分主人公たちと同じ中学生のとき見ていたら共感と憧れの眼差しで見ていたんだろうなと思う。あの秘密基地のくだりは自分の中に眠る子供心を今でも微か>>続きを読む

冒険大活劇 黄金の盗賊(1966年製作の映画)

3.4

豊臣が隠した埋蔵金をめぐって、主人公の盗賊コンビ(松方弘樹&大瀬康一)や幕府の隠密、石田三成の残党一味がそれぞれに手に入れんと激闘を繰り広げる娯楽時代劇。澤島忠監督のスピーディーで無駄のない演出、遠藤>>続きを読む

フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

3.8

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲス、二人の若きクリエイターが勢いと手にした大金で作り上げた怪作というか問題作というか判断に困る作品。恐らく見る人の判断によってはふざけた作品にも見えるは>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.3

まだ世紀末という舞台設定が無く、近未来という舞台設定も少し触れる程度。そしてあふれでる低予算チックなセットやお話に「第一作ってこんなんだったの?」と改めて思う。

それでも本物の暴走族の起用がかえって
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ランボー(1982年製作の映画)

4.0

改めて見ると、第一作は『タクシー・ドライバー』や『ローリング・サンダー』に近い系統の作品だったことに気づかされる。ベトナムから帰還しても居場所がないスタローン演じるランボーが訪れた閉鎖的な田舎町でヒッ>>続きを読む

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