小本さんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

 完全犯罪ものかと思ってしまって、ちょっと違った。そして本当に文字通りに真実は藪の中でよいし、絶妙なバランス感覚とやるせなさは好きだったのだが、やはりもうひとつミステリーが駆動してたらなという期待感を>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

問いたいという熱さ、迫りたいという緻密さは感じるが。やはり中心のカップルの為に時間があるように感じる。そこのリアリティと、施設のリアリティがなんだか繋がらず、どちらも嘘っぽくてそれは狙っているのかもし>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

今でも最高に面白い。愛と青春の教科書。全員癖ありで、でも全員いじらしい。多様な解釈を許すラスト素晴らしいが、私は多分彼女は他の街へ行き、いまも面白く生きているのだと考える。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

配役が最高。エマストーンのハスキーな少女期が素晴らしかったが、マークラファロもすごい。最初は軽いモブかと思ったがどんどんいい役になって、人間のおかしみ、男の哀れみを繊細に体現していた。低予算だろう苦し>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.4

あの瑛太のショットは素晴らしい。そこからの緊張感もいい。けどだからこそ色恋場面はもう少し省けないか。妖精のような田中麗奈は面白いんだが、そこまでして新たを立たせるのなら他の村の人物に割いてほしかった。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.6

目玉のオヤジと元兵隊の水木のブロマンス。そして活劇。絵と演出の細やかさに舌を巻く。人間への信頼を妖怪が持っているということを突きつけられて感動する。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

3時間の長さに怯んだが、蓋を開けたら全くダレずに観れてすべてのシーンが面白かったことに驚く。主演の二人の演技はさることながら、ヒロインの顔と声、サブの白人殺し屋達の顔と声、佇まい、それらの味わい深さが>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

 こんなに情報量が多いアニメは初めてかもしれないし、その割にこんなにもわかりやすいというのは、設計とか構成がめちゃくちゃちゃんとしてるからなんだけど、ドヤ感ぜんぜんない。前作もそうだったが、監督以下ス>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

全てのシーンが見てて楽しく、驚きがあり、特にアバン、青鷺と主人公が対峙するシーンや、夏子の登場、パンを食べるところなど、時が止まったかと思うくらい強烈な印象に打たれる。日常の、いちいちの動作にそのひと>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.7

 集中切れずに面白く見たけど、正直食い足りない。最後まで見ると、ここから先こそが観たかったというか、3部こそがドラマのメインとなってほしかったというか。
それくらい演出の可能性を感じたからこそ、前半パ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.7

殆どインタビューばかりドキュメンタリーのような構成だが、よく練られていて波が押して引いてするようにすこしづつ胸かき乱されてゆく。芝居がすごい。ただ人が喋っているだけで、その人の心が映るということを信じ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.7

とにかくアバンが最高。長さを感じず、ハラハラしっぱなしですこし落ち着いたところでナトゥ入ってきたりして笑えてほんとうにエンタメやりきってくれたなというかんじ。終わるかな、しまうかな…の後にまた一幕あっ>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.8

おちこぼれのヒーロー達が友達になり家族になる話。過去の恋愛相手もまた同様に友となり、別々の道を進むのが実に良かった。ロケットの話自体はベタだと思ったが、最後、自分の名前を名乗るところやネピュラのツンデ>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.2

とても良くできたファミリームービーだがそれ以上の感激は特になかった。さいしょ、ゲームの画面と同じように並行移動しながら飛び跳ねるマリオとルイージのシーンがとても好きだった。誰も死なないし、絶対皆をキュ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

ただの原作ファンなので、最新の彼らに再会出来ただけで鳥肌。ほんとに絵が肉体化して、試合がライブ化してるなぁと驚嘆。しかしそうでなくてもこのミニマムなOPはアニメ史上最高と言っていい出来では?
原作と違
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

2.9

リアルな肌感覚の映画なのに、意外なタイミングでSF展開になってゆくのが面白い。アイディアとして新鮮だと思ったし、各キャラの人間関係もキャラクターもいい。説明台詞なくてもほぼちゃんと伝わる。食い足りない>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.1

ラストのエモさに向かってすべて積み重ねているのはわかる。けど、ヒロイン以外の人物が「そのためにいる」ように思えて、なんだか誰もが役割奉仕しているようで乗れなかった。歴代の戸締師達の側を主役にしたらどう>>続きを読む

あの娘は知らない(2022年製作の映画)

-

綺麗な映像と綺麗な役者達。展開を追うというよりは雰囲気を楽しむタイプの映画で、好きな人は刺さるのかもしれない…

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

とてもいい話。家族を大好きな女の子が、自分の夢を見つけて周りに支えられながら一歩歩み出す瞬間を見届けられて、自分も隣人になったかのような気持ち。手話だけの会話が続くが、うるさいように感じられるのは縁起>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

詩のような歌のような映画。ずっとずっと聴いていたかった。5年後10年後と見返し続けたい。それくらい、人のコアの部分…つまりやっぱりそれって幼少期だなと実感したけど偽りないように細かく注意深く描かれてい>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.1

見る者と見られる者、映画の本質を突きながら爽快なホラーでもあり、ユーモラスなSFでもあり、現状を変えたいと希い「上」を目指すすべての人々への警鐘でもある…ピールらしい感性が見事にスペクタルムービーにな>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.3

マーベル らしさとタイカワイティティらしさが交互にやってくる感じで、若干不自然な流れとかもあったが、ソーの薄幸激イタっぷりが存分に描かれており、敵との対立も力技できっちりまとめ、文句のないラストカット>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.4

トップガン新作を見て次に見たのが今作で、映画のルックも方向性も正反対で、それもまた新鮮だった。映画はおおきい。
ドキュメンタリーだったら生々しすぎるだろうことが朴訥な線で描かれていて、脳内ではもっと苛
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃかっこよかった。映像、音、役者に美術、考え得る部門すべてがハイレベル。特に前作をきちんと踏襲しつつ細かく更新を吟味しただろう脚本は、教科書のお手本のような精巧さだ。あまりにも王道でわかりや>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.4

主役を演じる女の子が二人とも素晴らしい!と思っていたら、隣の席の坊主の達者ぶりに驚愕した。
最後の表情はいいけれど、どうしても現実の厳しさが強くて…映画にするのなら、もう少し具体的な希望や、飛躍した未
>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.6

 シニカルで今日的なテーマによくぞ真っ向から向き合ったなと唸った。映像はあくまでオーソドックス且つ重厚な作り。現代的な語り口でクラシカルな物語を魅せた「DUNE」とは好対照な印象で、しかし僅かにこちら>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.5

地鳴りのように鳴り続ける不穏な音楽、殆どロケだというヨルダンの肥沃な砂漠の陰影、吹きつける風の中を必死に飛ぶ羽ばたき機や、恐れつつも何かを信じようともがく人間の意思ある眼差し…。映画ならではの映像美を>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.4

 ほんと上手いなーと溜息つきながら見ていた。全てが狙いすまされていて、無駄がない演出。単に怖がらせるだけでなく、人間の喜怒哀楽をつく緩急があるのがシャマラン節だと思う。流石に中盤、大きな悲劇の流れが一>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.5

 カンフーアクションの見せ方が優雅でドラマチックだった。単にそれっぽいってだけでなく、ストップモーションの多用や無理やり入る顔のアップなど、誇張したそれが狙い通り絵になっていて、結果的にアジア人賛美に>>続きを読む

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.5

想像以上にみっちりミュージカルで、でもそれがすごくよかった。曲がいいのもあるけれど、ラテン系の移民の登場人物達が多くて、ほんとに日常的に歌って踊ってそうだったから。特別な才能を持った人とか、すべてに絶>>続きを読む

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