93n35i5さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

3.5

人生の回顧とは一種の走馬灯たりうる。情緒豊かで詩的で絵画的な描写からなる卑屈な精神幻影。そしてそれは自分が執着してきた全てと負い目を感じてきた全てであり、諦観や苛立ちの集大成であり、詭弁と卑下による陰>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.6

過去の栄光にただしがみ付いているだけだというのは自分がよく理解している故に募る苛立ち、自暴自棄になる反面その栄光を成し遂げたのは紛れもなく自分、だからまた自分を信じたいみたいな部分で逡巡してしまうのは>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

1.5

男二人だけ、孤島という物理的閉塞感、そしてそこから出られないという精神的閉塞感がフラストレーションや妄想や懊悩や罪悪感を呼び起こす。それら全てを白黒正方形に詰め込むことで鑑賞者にも閉塞感をひしひしと与>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

3.4

我欲の最果ての地獄絵図。
特に意表を突くような展開もどんでん返しも無かったし、知的な策謀が繰り広げられるわけでも無い。欲と暴力に塗れた悪人達揃い踏みの時点で行き着く最後は決まっている。しかしその目に見
>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

時代を通して根付く人種差別の存在は勿論認めるし、黒人をぞんざいに扱う白人の非倫理性は咎めるべきである。しかし本作は反黒人差別という主張よりも、そのテーマによって描かれる"搾取される黒人と搾取する白人">>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.0

多様なメッセージ性が含まれている事を解説を読んで理解したが、個人的には理解が深まれば深まるほど微妙な作品に感じた…。メインの部分(UFO撮影)とチンパンジーの事件の掛け合いが物語的に意味があるトリッキ>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

2.5

終始不穏で異様な雰囲気が絶えないし、田舎特有の閉塞感と良し悪し全ての物事における一心同体的団結さも上手く描かれている。しかしながら早々に敵の姿を明かしている点で謎めきに対する好奇心は薄れ、それ故に作品>>続きを読む

新しき世界(2013年製作の映画)

3.2

描かれている事はとても壮大なのだがそれに見合う描写が足りないというか……
主人公が八年間ヤクザ側に潜伏していた、しかし設定のみでその期間の部分の描写が無いから八年間の苦悩が伝わらない。兄貴分との間に絆
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

2.9

毎回同じ展開で同じ事しかしないから新鮮味が無い。その上今作はもはやイナゴが主要問題と化しているので唖然とする、恐竜映画でイナゴが主役。そして変にSDGsみたいなメッセージ性を含ませてくるから気持ち悪い>>続きを読む

カーター(2022年製作の映画)

3.6

こういう映像に全振り系アクション映画、個人的にかなり好物のジャンル。本作もストーリーは無いに等しくとにかく映像が全てという感じ。ドローンや360°カメラを駆使した多角的アングル、描写がもはやファンタジ>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.9

"15年間の監禁"という、映画としてインパクトある事の始まりが霞んでいくレベルに段々えげつない内容になっていく。目には目を歯には歯を、の復讐劇。仕掛けた側の彼の消失感が小さなものだとは言わない、悲しみ>>続きを読む

パラドクス(2014年製作の映画)

1.9

構成や謎そのものの仕組みはまあ良かったと思うが役者達の演技や台詞がどこか不自然というかいかにも芝居掛かったような感じで受け入れ難かった。

フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

2.3

パージによる合法的な無法地帯が出来上がる事がこのシリーズの面白さなのよ……パージ外で殺戮したってそれは単なる犯罪でしかなく…別に単なる犯罪映画をこのシリーズに求めているわけでは無いので作品として道を踏>>続きを読む

ホース・ガール(2020年製作の映画)

3.5

それぞれがそれぞれの"現実"を生きている、という事を改めて実感した。自分にとっての現実とは自分に関する事のみであり、この"自分にとっての現実"が他人(特に非健常者と健常者間)では酷くぶつかり合ってしま>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.7

気持ち悪いタイプの"母性"が描かれている作品。
識者の解説の助けを借りて物語の意味合い、神話やメタファーの凝縮的作品だというのは理解した。あらゆる部分を拘り抜いて制作されたのだろうなとは思う。しかしア
>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

2.8

生命は悠久の中で輪廻転生を繰り返しその都度役割を変え時代を作っていく、という、もはやSF作品ではありふれた題材、余程でない限り魅力的な作品にはならない。実際本作もあまり惹かれる部分が無かった、それぞれ>>続きを読む

アンビュランス(2022年製作の映画)

2.6

迫力と臨場感あるカメラワークの見事さと銃撃戦の派手さは流石。車好きなベイの拘り(というか趣味)が感じ取れる多様な車が登場したり、映像を魅せる腕は相変わらず。ライトの色合いも綺麗だった。ただストーリーが>>続きを読む

アウトポスト(2020年製作の映画)

3.4

後の調査で基地の防御の脆弱性が~とか言っておりましたが調査せずともわかるわよね⁈谷底なんて素人でも避けると思うが…。こういう始まる前から惨劇が明らかな戦争で死に行く兵士達、言葉が悪いが無駄死にでしかな>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

2.1

ダンケルクなんかもそうだけど、こういう絵面が綺麗で美に重点を置いたようなアート性有る戦争作品は総じて力強さが無い。戦争というものの捉え方と描写の仕方は勿論人それぞれだけど、ストーリー云々の前にこの力強>>続きを読む

ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

4.0

超常現象を前にしてそれを解決に導くのは男の拳。問答無用で捩じ伏せる、心霊だろうが怨念だろうが殺戮マシーンだろうが関係無い。そしてきちんと休憩時間を取る事は労働における重要事項という事も教えてくれる(あ>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.5

若者達は綺麗で力強い文句に乗せられ夢見心地で死の戦場に向かう、この、戦争に対する彼等の理想と現実の描写が一番物悲しかった。役人は安全な環境でのうのうと勝利とそれによる他国への権力掌握を望む。兵士は自分>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

サイコホラーかと思わせておきながらのバリバリ物理的な暴虐(若干ファンタジー)。
アクション映画さながらの立ち回りと撃ち合いが最高。

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

娘の為なら腕の一本や二本惜しく無いという父の圧倒的漢気!!

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

2.3

シリーズ大ファン故に本作はシリーズに数えたく無い。正直ただの過去作オマージュの寄せ集め。それがファンとして楽しめたかという点が評価の分かれどころなんでしょうね。私はイマイチ乗れなかった。新しい世界線の>>続きを読む

アイアン・スカイ ディレクターズカット版(2012年製作の映画)

3.8

何故もっと早く観なかったのかというくらい良きでした。ストーリーは深みも厚みも無く''ナチが月から攻めてくる"という、まさに文字通りの内容しか無いSFコメディ。しかしこの作品、ヴィジュアルが恐ろしくマニ>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

視聴者巻き込み型エンターテインメント。とても巧い作品。視覚トリックなんかも挟んできて徹底的に呪いを体験をさせてくるから楽しい。
娘の為に尽力を注いでいる彼女が途中娘の愛し方や接し方がわからないと告白す
>>続きを読む

スパイラル:ソウ オールリセット(2021年製作の映画)

-

sawシリーズ大ファンの立場から言わせて頂くとこの映画は無かった事にしたいレベル…。リブート作品だとしても酷い。sawシリーズの根底に流れるジョンのある種の正義や信念,美学というものを全く汲んでいない>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

2.7

"ゾンビ蔓延るラスベガスで強盗"という舞台設定の派手さが何も際立っていなかった。怪しい依頼主もバラエティ豊かな仲間も主人公の家族事情も物語を紡いではいるけど活かしきれていない感。総じてアッサリで描写が>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

2.0

多種多様な映画や漫画やゲームの要素が散りばめられており、マニアな人ならその点はオッ!となるのだと思う。現に私もHALO関連には反応した。
しかし作品自体は何というか"子供向け"感。ストーリーにしろ演出
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.7

ストーリーは完璧某殺し屋物語をトレースしたような作品(脚本家が同じという事で、脚本家のこういう世界観に対する憧憬を強く感じる、悪く言えば厨二病。だが悪くない、寧ろ最高)。
本作でマフィア相手にキレまく
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

建物や機械やクリーチャー達の造形は天才的。
好きな人にはドンピシャの世界観であるのも間違い無い。しかし最高級のビジュアルに対してストーリーがイマイチ薄い。ディストピア物にお決まりの要素を詰め込んだのは
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

1.6

オリジナルストーリーという時点で嫌な予感はしていたが的中……。前作はハマって小説を買ってしまったくらい傑作でしたが今回は微妙の域。
まず前作を原作と異なる終わり方にしたせいでオリジナルストーリーでやる
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ダンケルク(2017年製作の映画)

2.0

あまりにも美し過ぎる。悪い意味で。
救出作戦といえば聞こえは良いがこれはただの撤退劇だ。ここまで補正をかける必要を感じないし、何か夢見心地のような美を錯覚させようとする描き方は戦争というものに対して真
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

2.2

スナイプの腕により名声を馳せた一人の軍人の生き様。戦場の描写よりは本人の内なる葛藤やPTSDを描き出す方に重きを置いている為、そこまで激烈な戦闘シーンは無い。かと言ってその内なる葛藤が重厚に伝わるかと>>続きを読む

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.7

戦争映画は何を観てもアクション映画としての評価しか出来ない。戦争を評価する事は出来ないし、基本的に戦争映画というのは一視点からの善悪二元論しか描かない。この映画で言えばアメリカ兵は善であり英雄、ソマリ>>続きを読む