ardantさんの映画レビュー・感想・評価

ardant

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1980年代、その頃亡くなった私の母が生まれ育った噴火湾沿いの小さな町にある牧場で生まれた1頭の馬、私が好きだった「メジロアルダン」から、ハンドルネームを取りました。
2018年より、鑑賞した映画について、可能な限り感想を記していくことに。

映画(88)
ドラマ(0)

修道士は沈黙する(2016年製作の映画)

3.0

作品の最初、海に面した会場に向かう修道士を乗せた車を、横からと上空から映すシーンを観ると、映画だなあと思ってしまう。それを含め、全編にわたって、落ち着きと重厚さを感じる作品だ。

金融システムのグロー
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レディ・バード(2017年製作の映画)

2.0

男目線のせいかもしれないが、全く共感できるものがなかった。

私にとっては、本作品と同様に十代後半の少女の揺れる気持ちをテーマにした『恋は雨上がりのように』のさわやかさと躍動感を味わった後では、只々退
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.8

久し振りに映画館で味わった至福の時間だった。
もし、映画的なものというものがあるとして、それが映画でしか表現できないものであるとしたら、そんな高尚なものは、この作品にはなかったのかもしれない。通俗的で
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友罪(2017年製作の映画)

2.5

またしても、期待を裏切られた。ここまで、裏切られると期待する方が馬鹿なのだろう。
作品の約2/3まではかなりのものだったのだが。
生田斗真演じる元ジャーナリスト廻りの話が陳腐で、一気に気持ちが萎えてし
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天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

5.0

粒子の粗い画面から始まるこの映画の中の映画から、あの余りにも美しいラストの別離まで、曽根中生の眼は、一人の堕ちて、朽ち堕ちていくしかない女を、冷徹にそしてストイックなまでに厳正にみつめ続ける。
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ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

3.5

大好きなミシェル・ウィリアムズと監督リドリー・スコットということで、本年上半期で、最も期待した作品だった。

しかし、心に響くものがない。

ミシェル・ウィリアムズ演じる母親に、3人の子供を独力で育て
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.0

あのように、投げ出され、突き放されると、あの二時間は何だったと思ってしまう。

家に帰ると、朝日新聞の夕刊に監督のインタビューが載っていた。そこで、彼は、次のように述べている。『商業的な繁栄の陰で貧困
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

4.2

私にとっては、5月15日現在、本年公開され、観た洋画で、本作品は、最も気に入った作品だ。

監督アーロン・ソーキンは、脚本家として、『スティーブ・ジョブズ』、『マネーボール』、『ソーシャル・ネットワー
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未来予想図 〜アイシテルのサイン〜(2007年製作の映画)

3.7

松坂慶子つながりで、発見した映画だ。
べたべたの恋愛映画だと思っていたが、それはそれなりに、結構いいのだ。

松下奈緒演じる雑誌記者が、松坂慶子演じる母との会話、取材先の花火職人一家とのふれあいをとお
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孤狼の血(2018年製作の映画)

2.0

またしても、期待を裏切られた。
なにか、変わったあるいは新鮮なことはあったのだろうか。
昔を知っている我々にとっては、『ALWAYS 三丁目の夕日』の別バージョンのように思えて仕方がない。

それにし
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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0

あの国では、アマスポーツの世界でさえ、ヒールが必要なんだろう。
エンドロールに、ハーディング本人が滑る映像が挿入されているが、嫌われるような顔をしている。

ハーディングを演じたマーゴット・ロビーは魅
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私を忘れないで(2016年製作の映画)

3.0

交通事故で過去10年分の記憶をなくした30歳代の男性弁護士が、その記憶を少しづつ取り戻していく過程を描いた物語だ。

数多くの泣かせるシーンがあるが、どういうわけか、観る側に伝わってこず、泣けない。
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男と女(1966年製作の映画)

3.5

何十年前に観たが、詳細はしっかり忘れていた。
この映画は物語ではなく、雰囲気で見せる映画だ。
だから、映画館じゃなくちゃだめだ。

アヌーク・エーメの煙草を吸う時の指使いがエロティックだと、昔、誰かが
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サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

1.5

うぅっ。
面白くなかった。
寝てしまった。

ジョージ・クルーニーが何を言いたかったのかがわからない。
まさか、今更、人種差別でもあるまいし。
邦題のとおり、「仮面」の世界?
少年たちの純粋さと大人た
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

4.0

観終わった時、私は、この二人の「成就した」恋よりは、さりげなく触れられる、主人公の女の母と誰だったかも忘れられた男との「叶わなかった」恋に思いを馳せた。

この作品を、どういうわけか、封切り時に観たこ
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アンロック/陰謀のコード(2017年製作の映画)

2.5

確かに陰謀だった。
あの言い訳は、何度聞いたことか。

なぜ、マイケル・ダグラスがこんなとこにいるのか?
それで、この映画は終わってしまった。

主人公の女尋問官の苦悩の表現が、うわべだけだ。

しか
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探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013年製作の映画)

2.0

以下、おもしろくない理由

1.コメディなんだろうが、中途半端。なんで、兄妹愛を出して来なければならないかわからないし、その動機が突飛で貧弱で陳腐。もっと、コメディに徹するべき。

2,尾野真千子の魅
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愛する人(2009年製作の映画)

4.8

私的に、かなり好きな映画だ。

最近観た『扉をたたく人』が、初老の男の孤独からの再生の物語だとしたら、本作品は「二人」の孤独な女の再生の物語といえるかもしれない。

年老いた母を看護し、自らも介護療法
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扉をたたく人(2007年製作の映画)

4.9

静けさと落ち着きの漂う印象的な映画だ。

良質な映画というのは、この映画のようなことを言うのだろう。数分観ただけで、画面が、「この映画はいい映画ですよ」とささやいたようにさえ思えたのだから。

主人公
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私の中のあなた(2009年製作の映画)

4.3

どうしようもなくやるせない、桃井かおり主演の『生きてみたいもう一度 新宿バス放火事件』(85,恩地日出夫)を観た直後に、この作品をみて、妙な感慨に浸ってしまった。
片や、安っぽいヒューマーニズムなんか
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

4.5

妻の連れ子にボロクソに言われ、家族を守るために左遷させられ、それでもつぎはぎだらけの家族というちっぽけな共同体を守ろうとする浅野忠信。
ちっぽけだからこそ守る価値のあることぐらい、家族を積極的に持とう
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ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

4.0

私は観る前、この作品は、インドという国で、女性がレスリング界という特殊な世界に入っていく時の、制度的な障壁、閉鎖的な社会風潮に対する苦悩などが描かれているものと思っていた。
しかし、インドという国でさ
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化粧師 KEWAISHI(2001年製作の映画)

4.5

また、掘り出し物をみつけました。

「みんな、それぞれの場所で、いろんな人生を演じている。たとえ、舞台に立たなくても、女はみんな女優なの。苦しいこと、つらいことがあっても、演じることで、一日が幸せに過
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.7

猟奇殺人の話なのだが、韓国映画の暴力描写はきつい。
映画自体が猟奇殺人者のようだ。

失踪したデリヘル嬢の母親を探す娘が健気だ。
一瞬、レオンに似たものを感じたが、そんなに生易しくはなかった。

救い
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.8

この映画も、やはり映画館で観るべき映画だった。
今回、映画館で観ると、数年前、DVDで観た印象と全く違っていた。
映像の迫力、音は当たり前だが、物語さえもが、グレードアップしているように思えたのだから
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女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.0

あのラストに衝撃を受ける人もいるかもしれない。
しかし、私は逆にああいう終わりかたゆえに、何の衝撃も、何のカタルシスも、何の感動も感じることができなかった。

それに、最後の説明は嫌いだ。
もし、言い
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消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)

3.5

第1次世界大戦時に、トルコがアルメニア人を大量虐殺した事件をベースに描いた物語。トルコは現在も、虐殺を認めていない。トルコ監督が初めてその虐殺を描いたと評判になったこの映画でも、虐殺の印象は弱い。なぜ>>続きを読む

四万十川(1991年製作の映画)

4.5

おそらく、1959年頃の四国、四万十川周辺の貧乏な村で、貧乏な雑貨屋を営む小林 薫・樋口 可南子夫婦と5人の子供たちのひと夏の生活を、次男の小学生を中心に描いた物語である。
我が国が、高度成長期に入る
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

1.0

空虚だ。

昔、アン真理子は、「若いという字は、苦しい字に似てるわ」と唄った。
この映画から、そんなもんどこにも見えなかった。
胸キュンも、○○の痛みもなく、あったとしても、上っ面の空っぽの映画だ。
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妻への家路(2014年製作の映画)

2.5

文化大革命で、政治犯として逃亡中の父と彼を待つ妻との密会を、その娘が密告し父を公安に売る。娘はバレエでの主役を取るためだったが、主役は取れず、母はそのためか心因性の記憶喪失になる。
3年後、文化大革命
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.0

スティーブン・スピルバーグらしいヒューマニズムに溢れた映画だったと言えるでしょう。このような映画が公開されると「報道の自由の大切さ」とか、「我が国の映画にこのような映画がないのは情けない」とか言ったス>>続きを読む

去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)

4.5

ただ、ただ、面白かった。次の展開がどうなるのか、待ち遠しくてたまらない感情を久しぶりに、映画をみて感じた。

本作品と1月公開の『悪と仮面のルール』を観て、原作者、中村文則の世界が、ある程度わかったよ
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「あの子を探して」ができるまで(2002年製作の映画)

3.5

チャン・イーモウの子供に向ける視線は、幸せに満ち溢れていた。だから、あんなに、ぬくもりのある作品をつくれるのだと思った。

もうひとつ、彼は教育の大切さを出演者の子どもたちに繰り返し述べていた。彼の作
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ラブホテル(1985年製作の映画)

5.0

【いつかこの映画を思い出してきっと泣いてしまう】

1971年から88年まで、日活ロマンポルノは、数多くの名作とその後の日本映画を支える映画人をきら星のように輩出した。その後期の代表作のひとつがこの作
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あの子を探して(1999年製作の映画)

4.8

寒村の代用教員となった少女が、親の借金のために、出稼ぎにいったイジメっ子の小学3年生の男の子を、町へ探しに行くだけの話だ。探すシーンはドキュメンタリーのように描写される。
町へ行くためのバス代を計算す
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坂道のアポロン(2017年製作の映画)

4.8

 映画の王道は、若者たちの姿を描くものであることを、この作品を観て、あらためて思った。 
 しかし、この映画は、若者たちを描いていたが、現在の若い人たちのためのものではなく、団塊の世代より少し遅れた昭
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