MasaichiYaguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 46ページ目

MasaichiYaguchi

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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.1

1969年、ウッドストックと同年夏にNYで開催され、30万人を集めたもう一つの大規模フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」の全貌を50年間もの封印を解いて蘇らせた本作は、若かりし頃のスティー>>続きを読む

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)

3.9

第二次世界大戦中、ノルウェーに住むユダヤ人のブラウデ家を襲った悲劇を実話ベースで描いた本作を観ていると、戦争という狂気の濁流に人々は簡単に押し流されてしまう怖さを感じる。
映画の冒頭ではブラウデ家の長
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沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~(2020年製作の映画)

3.7

「パントマイムの神様」と呼ばれたフランスのアーティスト、マルセル・マルソーは勿論知っていたが、彼が第2次世界大戦中にユダヤ人孤児を救っていたということは本作を観て、初めて知った。
このマルセル・マルソ
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スイートガール(2021年製作の映画)

3.5

昨年からのコロナ禍でワクチンを提供する製薬会社の存在がこれ程までに大きいことを実感させられたが、「アクアマン」のジェイソン・モモアが主演するアクション作品は、それを反映するかのように製薬会社の利潤追求>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.7

「人は女から生まれ、人生は短く、苦しみは絶えない。」とヨブ記 14章1節にあるが、M.ナイト・シャマラン監督による最新作では、バカンスを過ごすために訪れた美しいビーチで、時間が異常なスピードで加速して>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

直木賞作家・佐藤正午さんの同名ベストセラーを藤原竜也主演で映画化した本作では「一家失踪事件」「謎の偽札」「裏社会の男」という、物語のカギを握る3つの謎が明かされる。
この一見関係のない3つの謎がどう繋
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劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

2.8

かつての栄光も今は昔、輝いていたジブリの王国が凋落する様は、長年ファンだった一人として辛い。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童文学をスタジオジブリが初の長編3DCGアニメとして映像化した作品だが
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

3.8

1960 年代末、社会正義を求めるアメリカの市民運動は疾風怒濤の時期を迎え、リベラルな白人たちをも巻き込んだ人種差別撤廃運動は1964年の公民権法制定という結果を生む。
ところが、1968年のマーティ
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.8

津村記久子さんの第21回太宰治賞を受賞した作品「マンイーター」を改題したもので、2005年11月1日にデビュー作として筑摩書房からした原作小説を、佐久間由衣さんと奈緒さんの共演で吉野竜平監督が映画化し>>続きを読む

白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.7

イ・ビョンホンとハ・ジョンウ、更にマ・ドンソク、チョン・ヘジン、ペ・スジという豪華キャストで描くディザスターパニックアクションは、北朝鮮と中国の国境にある白頭山が突然噴火し、更なる大噴火が起これば朝鮮>>続きを読む

スペース・プレイヤーズ(2021年製作の映画)

3.6

NBAの人気バスケットボール選手レブロン・ジェームズ主演で、バーチャルワールドを舞台に究極のeスポーツバトルを実写とアニメの融合で描くアドベンチャー映画は、正に“オールスターキャスト”と銘打てる程に、>>続きを読む

岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

3.6

東日本大震災をはじめとした天災、そして今回のコロナ禍と、掛け替えの無いものを失ってばかりの試練が続いていて、喪失感や虚無感、諦念や閉塞感に囚われがちなこの頃だが、児童文学作家の柏葉幸子さんによる同名小>>続きを読む

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.5

ジム・ジャームッシュがニューヨーク大学の大学院映画学科の卒業制作として16mmフィルムで撮った処女作では、タイトルの「永遠の休暇」が表すように、主人公の高校生アリーがニューヨークの寂れた裏通りを歩き回>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

柚月裕子さんの小説を原作に、広島の架空都市・呉原を舞台に警察とやくざの攻防戦を過激に展開した前作から3年後を、完全オリジナルストーリーで描く続編では、暴力組織の抗争に巻き込まれ殺害されたマル暴の刑事・>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.3

感染という言葉を聞くと敏感になってしまうこの頃だが、人と交わったことでうつり、うつった本人しか見えない「それ」がひたひたと迫って来て、死をもたらすという、これ程今日的なホラー作品は無いような気がする。>>続きを読む

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

3.7

本作の脚本・監督そして主演を務めたスザンヌ・ランドンは、2000年にフランスの名優バンサン・ランドンとサンドリーヌ・キベルランの長女として生まれ、15歳の時に誰にも打ち明けられず、自身の内側に抱えてい>>続きを読む

愛のように感じた(2013年製作の映画)

3.7

「17歳の瞳に映る世界」で第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したエリザ・ヒットマン監督手がけた長編デビュー作は、思春期の少女の性と青春の刹那を瑞々しい感性と演出で描き出していく。
或る夏のブルック
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

村上春樹さんの短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、濱口竜介監督・脚本により映画化した本作では、主人公の舞台俳優で演出家の家福悠介が、急逝した妻・音が残した秘密で懊>>続きを読む

Summer of 85(2020年製作の映画)

3.9

エイダン・チェンバーズの小説「Dance on My Grave」をフランソワ・オゾン監督が映画化した本作は、フランスのノルマンディーの海辺の町を舞台に、16歳の少年アレックスは運命的な出会いした18>>続きを読む

恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜(2020年製作の映画)

3.7

本作には重度の潔癖症の男女が登場するが、2人がルーチンとしていること、買い物は月一、外出時は“完全武装”スタイル、アルコール除菌を含めた家の掃除は欠かせない等、現在の新型コロナウイルス感染爆発下の生活>>続きを読む

リル・バック ストリートから世界へ(2019年製作の映画)

3.5

世界的ダンサーのリル・バックにスポットを当て、その驚異的なダンスの秘密と彼が育った街メンフィスを描いたこのドキュメンタリーを観て、地元のローカルに根付いてムーブメント化したストリート・ダンス「メンフィ>>続きを読む

祈り 幻に長崎を想う刻(とき)(2020年製作の映画)

3.5

田中千禾夫さんの傑作戯曲「マリアの首 ―幻に長崎を想う曲―」を松村克弥監督が高島礼子さんと黒谷友香さんの共演で映画化した本作は、原爆によって心身に癒されぬ傷を負った人々を通して、戦争とは何か、人間の尊>>続きを読む

全員切腹(2021年製作の映画)

3.7

豊田利晃監督最新作は、明治初期を舞台に或る流れ者の侍が「井戸に毒を撒いて疫病を広めた罪」で切腹を命じられ、侍のその後を豪華ミュージシャンによる音楽との競演で描く26分の短編。
侍役に窪塚洋介さん、介錯
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.7

浅野いにおさんの同名漫画を石川瑠華さんと青木柚さんのW主演でウエダアツシ監督が実写映画化した本作は原作の世界観を壊すことなく、大人と呼ぶには非力だけど、子供というほど幼くもない中学時代を、ハードな性愛>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

3.5

ザック・スナイダー監督にとって2004年の「ドーン・オブ・ザ・デッド」以来17年ぶりのゾンビ映画は、ネバダ州モハーベ砂漠にある24 時間営業のカジノなどの娯楽施設を中心とするナイトライフで有名なリゾー>>続きを読む

東京オリンピック2017 都営霞ケ丘アパート(2020年製作の映画)

3.7

2020年の東京オリンピック開催に向けた国立競技場の建て替えの為に2017年に取り壊された公営住宅を追ったドキュメンタリーでは、大半が平均年齢65歳以上住民が東京都からの一方的な移転要請で転居せざるを>>続きを読む

愛のくだらない(2020年製作の映画)

3.6

チネマット限定試写会で鑑賞。
転職や出産も35歳までと一説に言われているが、ヒロインで地方局のアシスタントプロデューサーとして働く33歳の女性・景は、正に人生の正念場を迎えていると言っていい。
そんな
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ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)

3.7

実在したスペイン人画家ジュゼップ・バルトリ(1910年〜1995年)の半生を綴った長編アニメーションは、画家自身の作品を引用したヴィジュアルイメージを挟みつ、1930年代末から現在までを行き交いながら>>続きを読む

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)

3.5

森に囲まれた家で一人暮らしをする老女エドナが姿を消したとの通報を警察から受け、急遽、実家に駆け付けた娘ケイと孫娘サムは彼女が認知症に苦しんでいた痕跡を発見する。
2人が心配して捜索している或る日、突然
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モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

3.8

マリヤム・トゥザニ監督が過去に家族で世話をした未婚の妊婦との想い出をもとに映画化した長編デビュー作は、地中海に面する北アフリカの国モロッコを舞台に、夫々孤独を抱える2人の女性がパン作りを通して心を通わ>>続きを読む

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.9

田島列島さんの同名コミックを上白石萌歌さん主演での沖田修一監督が実写映画化した本作は、偶然、同じアニメファンであることが分かったことが切っ掛けで意気投合した同じ高校2年生の美波ともじくんが一夏の冒険を>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.7

孤独な盲目の老人の家に押し入った若者たちが思いがけない反撃を受け、恐怖を味わうさまを描いてロングランヒットとなったホラー「ドント・ブリーズ」の続編は、その惨劇から8年、盲目の老人は屋敷で一人の少女を大>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.1

DCコミックスに登場する悪役たちがチームを組んで戦う姿を描いたデビッド・エアー監督による「スーサイド・スクワッド」を、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督が新たに描いた>>続きを読む

妖怪大戦争 ガーディアンズ(2021年製作の映画)

2.9

2005年に神木隆之介さん主演で三池崇史監督がリメイクした「妖怪大戦争」を、寺田心さん主演で三池監督が再びメガホンとって映画化した本作は、日本列島を南北に縦断する大地溝帯・フォッサマグナから妖怪獣が出>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.2

ショーン・レビ監督がライアン・レイノルズとタッグを組んだ本作では、オンライン参加型アクションゲーム「フリー・シティ」を舞台に、普段は銀行の窓口係として強盗に襲われる毎日を繰り返していたモブキャラのガイ>>続きを読む

天使の処刑人 バイオレット&デイジー(2011年製作の映画)

3.1

単館系ながら「ベイビーわるきゅーれ」が高評価でヒットしているが、本作は「プレシャス」でアカデミー脚本賞を受賞したジェフリー・フレッチャーがオリジナル脚本で初監督を務めた2011年製作の、お手軽な仕事だ>>続きを読む