BWV988さんの映画レビュー・感想・評価

BWV988

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怪物(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「怪物、だーれだ」

「誰が怪物かなんて、詮索しても仕方ないよ。その時の空気で、その時の流れで怪物になる事も有るんじゃない?」と私の怪物も申しております。

ラストシーンは『僕の村は戦場だった』のラス
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対峙(2021年製作の映画)

5.0

仏教徒の私は、キリスト教の教義に基づいて人を"赦す"ことは出来ない。他人から"赦され"たとしても実感が湧かないだろう。
それならば、私には何が出来るのだろう?赦しに代わる何をもって他人との関係を修復出
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僕とカミンスキーの旅(2015年製作の映画)

4.0

哀しみを湛えたユーモアが好きだ。
意図したのとは違う方向に転がって行く現実に戸惑うが、転がった先に見える風景も悪くない。そんな運に任せた人生も悪くないと思う。
「昔の私は絵のようだった。今は絵だけが美
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神様メール(2015年製作の映画)

5.0

『ベルリン天使の詩』とは違うタイプの天使+『マトリックス』とは似て非なるプログラムされた人生。
そして全体を彩る『アメリ』感。
こんな映画観たことない。そしてこんな作品と出会えるから映画はやめられない
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世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

5.0

心が疲れた時には最高の癒しになる作品。
割れ鍋に綴じ蓋。
皆少しずつ病んでるけど、手を取り合って生きていこう。

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

5.0

親が最期まで幸せにいてくれるために嘘をつきとおすのは子供にできる最初で最後の親孝行だ。

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

5.0

1967年 昼顔
1974年 エマニエル夫人
1977年 ミスター・グッドバーを探して
2011年 恋の罪
そして、
2013年 ニンフォマニアック

女の都(1980年製作の映画)

5.0

サンプルムービーだけ観るとオシャレ風だけど、8 1/2の悪夢バージョン。
このとりとめなさこそがフェリーニ。
男にとっての天国と地獄を交互に経験できる。
悪夢と不条理。

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.0

共に成長するのではなく、相手にすがってとどめようとする我が儘な愛。
その愛が成就したかの様に見えるラストは現実なのか夢なのか。

教誨師(2018年製作の映画)

5.0

対話にお互いの変化を求め合う時、それは痛みを伴う。相手だけを変えることは出来ない。相手を変えようとする自分の心を覗き見る事は辛い経験になる。
「知らないことは、とっても怖いんですよ。…怖いから余計知り
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

彼女との表面的で即物的な関係と、彼氏との繊細な関係の対比が興味深い。
父が息子にかける言葉が慈愛に満ちていて良かった。「人は早く立ち直ろうと自分の心を削り取り30歳までにすり減ってしまう。新たな相手に
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.0

本当の自分は探しても決して見つからない。他者との関わりのなかで求められる役を演じ続ける内に一生は終わる。
それで良いのかもしれない。
本当の自分は、倦怠と怠惰と感傷の海に漂う一個体に過ぎないかも知れな
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

5.0

無垢であることの美しさと残酷さ。
束縛と自由の良し悪しを簡単には決めつけることはできない。
ラストシーンには『聖なる酔っぱらいの伝説』と同じ安らぎを感じた。

おとなのけんか(2011年製作の映画)

5.0

社会的階層の違う二組の夫婦が話し合えば話し合うほど確執が深まる様が可笑しい。
ケイト・ウィンスレットが見せる捨て身の嘔吐演技、クリストフ・ワルツの鼻につく態度。この二人にイライラを募らせて行くジョディ
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炎のランナー(1981年製作の映画)

4.0

スポーツだけに焦点をあてた青春映画だと思っていた…。
イギリスのユダヤ人で在ることに潜在的差別を感じる男と信仰とスポーツの狭間で選択を迫られる男の話。
アマチュアイズムを尊ぶ大学の伝統を守るためにプロ
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

5.0

人の世の善と悪を詰め込んだ作品。善意が独りよがりになる恐ろしさを教えてくれる。
作品の中の悪と偽善を非難するために指差したその指先は自分自身に向かってくる。

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.0

不安な心の揺れを鏡、ガラス等に映る姿と移動し続ける映像で表しているのが面白い。
真摯に向き合い話し合う相手を得ることで平安を取り戻す様子は『ドライブ・マイ・カー』にも通じるところがある。