画面自体のライティングが、本当に幻の光を見つめ続けているような気がして、「幻の光に吸い込まれるように死を選んでしまったんだろう」って返答の説得力が凄まじいのでした
このレビューはネタバレを含みます
ほどよい仮想ディストピア系。
「あの世界で死ぬと現実でも死ぬ」というのが、自分たちが気持ちいい世界で生きよ〜って身勝手に選択した人たちの、唯一の矜持かもしれないな。こっちをまごうことなき「「「現実」>>続きを読む
12歳の時点で「物語を作る才能」を見抜けるクリスって冷静にすごいと思う……大人になってから観ると、クリスってまじで男友達多いだろうしいい女にモテるだろうなと俗物感情が湧き上がる
短尺だけど「遺体も人として扱う」と「冷静に客観的に解析する」を同時にやる苦労と重要性がぎゅっと詰まっててよかった。
家族周りの葛藤も色々根深そうなので、長編でも観たいな〜と思った
犯罪に手を染めていたこと、周囲から浮いていたことを、いわゆる"格好いい要素"として顕示してこないのが誠実めいて見えた。
モデルとなった人物やヒップホップ界隈にまるで詳しくない状態で観たけれど(むしろ>>続きを読む
フィクション内のテンプレってある意味ニーズでもあるので難しいところではある……そのニーズを壊す役割をフィクションの制作側に求めてもなー……
2人の芳しい時間の描写は、旦那さんの思い出の回想なのだろうけど、奥さんがお別れを告げにきたみたいにも観えるのが不思議。
ラスト、走り出して叫ぶ前に「きっちゃん、きっちゃん、きっちゃん」って何度もひとりごとでぶつぶつ友だちの名前を呼び続ける姿に心がめちゃくちゃになってしまう
モチーフとして「気体が敵」というのは生物にとってはめちゃくちゃ怖い話ではあるんだよね
人間の食事がほぼ美味しくなさそうなので、オテサーネクの食事を観てもただただ辛い酷い勘弁して……と思えるというか……
「この2人なら大丈夫」とも思うし、「こんな2人のことをみんなにも認めてほしい」とも思う
共感性羞恥!
土地(東京)でも人でも(元カノ)、過去の何かが自分のことを引きずってくれてたらいいのにな……という、他人から見たら痛いけど平凡で消し難い欲求の話なんだろうな。
若かりし頃にズブズブと寝食>>続きを読む
家族以外の「強い繋がり」の人が出てきてもなお、家族や家を求めてしまうのはなんなんだろうね
マリアの呪いの片鱗が……!みたいなオチじゃないのいいな。
人死にが出てはいるけど、なんやかんや関わった人が少しだけ前を向くようになったのは気持ちが良かった。
ジャンル警察気味なのでホラーというよりオ>>続きを読む
UFOよりも東京の方が魅力的で非日常なんだな。謎の飛行体だって慣れちゃったらなんでもないものなんだ
最終的に「金で駒を増やすか」「友情で仲間を増やすか」のバトルで、クライマックスギリギリまで『揺るがぬ頭数そろえた方の勝利』に見えたな。
俺たちはケンカして仲間になっていく〜という割に、ケンカしてないラ>>続きを読む
サスペンスのオチとしてはあまりにも素直だったんだけど、各所うさぎのモチーフでゾッとするのがよかった。
結局母親本人より、娘に皺寄せがいってるのが皮肉……
姉妹と親子(+夫婦?)、血縁ゆえの悲哀憎悪の話>>続きを読む
お父さんの「思い出してくれたんだね」のシーンが良かった。
兄弟姉妹が一緒に暮らす時間って実は本当に短いんだよな……としみじみ。
元々泳げない上にあんな事情があったらそりゃ水に顔つけるのだってキツイよね。
泳げるようになろうって思ったことが、過去に向き合おうって決めたってことだから胸にくるものがあった
紀伊さんの原案と学生青春もののマッチングがとても気持ちよかった。
個人的には、AIについて「どこまで発達しても物に過ぎない」と思わないとやっていけない派。
AIやロボットとの距離感は「使役するとして>>続きを読む
花が開くみたいに捕食するんだな。一番怖くて綺麗だった。綺麗〜と思ってるうちに食べられちゃうんだろうけど
「障害者のフリをして人間の偽善を暴く」という大志の割に、構成員たちはいざ自分たちの家族の前では障害者のフリができない。
安全圏を確保した上でしか活動できないことが、作中ではあたかも本物の愚かさであるよ>>続きを読む
一見ディストピアものですらあるのに、伝統をひたすら守っているのが、子どもを思ってのこと…というのはよく伝わって苦しかった。
主人公の男性の気持ち悪さが凄まじかった。仕事関係者、恋人、友人、ほとんどの人間関係において態度が最悪。
何かに恵まれたわけではないゆえのプライドの高さが、すべて裏目に出ている。
周囲から好かれているの>>続きを読む
悲しみは消さずに乗り越えていくんだなというのが、再会のうすら寂しい雰囲気で伝わってきて良かった。
ヨーロッパの街々の夏が美しかった
凪いだ冬の海の音がずっと綺麗だった。セリフ感のないセリフと、女優陣が目を伏せる仕草と、海鳥が鳴かないのが好き
「純愛だよ」が名台詞なのは分かってるけど、まずあの状況で「女たらしめ」って吐き捨てる夏油が詩人なんだよ…
「マイノリティは謙虚にいれば優しくしてあげよう」みたいなムーブはまずいと思うけど、なぜラストで脱いだり出したりしてしまったのか…………