甲冑さんの映画レビュー・感想・評価

甲冑

甲冑

映画(425)
ドラマ(1)

(1971年製作の映画)

5.0

入れ子ではあるが普通は冒頭から中盤にかけて挿入するものを極めて小刻みにクロスさせ最後の数分で一気に時間軸を振り切ってくるというこちらの読み取り力を揺さぶる意地悪ロージーである。普通に見たら少年期の話だ>>続きを読む

(1939年製作の映画)

4.5

ここまで農村リアリズムを描いた作品は初めてである。正直ドイツ語字幕よりも日本語字幕を入れてくれというほどに何を言ってるんだかさっぱり分からなかったが、極めて土着的な映像とドイツ語はひたすらシブかった。>>続きを読む

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.0

NYの三姉妹と男たちの小コミュニティ(といっても自分の人生ではありえない交流であるが)でのすったもんだ話は眺めているだけで楽しい。恋愛経験が年齢に伴っていない身としては死に恐怖し宗教にも手を出すも元嫁>>続きを読む

天使の復讐(1981年製作の映画)

4.0

自己防衛からレイプ・リベンジ、終いには無差別男性キラーへと、女はアパレル業よりも45口径コルトに才能を発揮し、徐々に殺人行為そのものが目的化していく(未見だけど『拳銃魔』もそういう感じなのかな?)。口>>続きを読む

ニューヨークの恋人たち(1981年製作の映画)

4.0

80年代マンハッタンの箱庭感は居心地も良く、大してドラマティックにも深みにも入らない甘ビターな恋愛模様はカントリー・ミュージックもクリープの様に溶け込み加減絶妙。中年のオードリー・ヘップバーンもしぶい>>続きを読む

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

しかし選挙っていつまでこういう人情に訴える事をしなければならんのだろうか。もうキャラはいいから専門性や具体案で納得させてくれる人間に投票したい。この人も著書の内容を見る限り専門性のある持論を持っている>>続きを読む

限りなき前進(1937年製作の映画)

5.0

完全にやばいフィルムであった。満州残留中に勝手にハッピーエンドに改変されたのもえらい話だが怒って元の悲哀劇に修復したというのもすごい。欠損部に字幕を当てる事で却ってやばさに拍車がかかっており文章がこれ>>続きを読む

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

4.0

昔マニック・ストリート・プリーチャーズがしっとり歌い上げてるものだからビデオ借りてみたらアホで唖然となったが英国の頭の良い若者はこういうものを嗜んでいるのだなと妙に持ち上げていた。今見るとアメリカン・>>続きを読む

禁じられた情事の森(1967年製作の映画)

4.0

カーツ大佐もドン・コルレオーネもいいけど『欲望という名の電車』、『蛇皮の服を着た男』、そして今作を見るにつけマーロン・ブランドはやっぱりやばい(まぁラストタンゴ・イン・パリ暴露でアウトローから完全にア>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

3.5

なるほど、このブツクサ語るのが教訓物語シリーズなんですねー。『モード〜』の奴はイケメンだが歪んだ根暗インテリで良かったが、今回の奴はとりあえずキモい。大体このアイデという女子との出会いから今作を作った>>続きを読む

モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.5

カトリック観念では合わないとするものの「数学をかじっている僕」は、パスカルの神ありの場合でも神なしの場合でも、神を信じるに賭ける方が幸福を得られるという確率論が理解できているので『モンソーのパン屋』の>>続きを読む

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

4.0

基本ボソボソと語りのある根暗野郎の映画は好みだが『モンソー〜』の奴は自分がモテ側と思っている根暗で味がある。「本命への気持ちがあるからこそ、好みじゃないパン屋の子の気持ちにも応えられる」はクズだがリア>>続きを読む

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

4.0

清作の目を潰したかと思えば、今度は若尾の目を潰すなんて増村、怖い。物語的には世界初の全身麻酔オペ成功に至るまでの母、妻、姉(猫も)の献身的すぎる協力による華岡青洲の話ではあるのだが、高嶺・若尾の嫁姑バ>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

4.0

66年の邦画にしてはゴアかも。今なら野蛮人かと思ってしまうが最前線の戦場にあっては愛だの恋だのより遺伝子命令なのか男性は射精や快楽優先の生物になるようである。内罰的に射精行為をサポートするあややにはそ>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

4.0

小津作品を映画館で観るのは初めてなのですがやはりええもんですなぁ(笠智衆イントネーションで)。一連の松竹ものと異なりワイルドめな人物が感情をぶつけるなど小津作品の中でもエモでありそれだけに風情も宿るが>>続きを読む

(1966年製作の映画)

3.5

雁と言えば川島の『雁の寺』を観てしまっては真面な作りであるが、森鴎外の世界に触れられるし映画としてもしっかりで悪くない。文系学生の同僚がイプセン『人形の家』に言及してお玉の状況を語るので頭の中にはタン>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

3.5

岸田今日子の演技は奇天烈だし全員考える事が一々どうかしているので笑うしかなかったのだが、谷崎先生のご著書もそういう感じで味わうものなのですか?関西で生まれ育っているがこんな関西弁を使われるともはやパラ>>続きを読む

爛(ただれ)(1962年製作の映画)

4.5

メインキャスト達は言わずもがなタカリのクチャラー兄も繋ぎ止めるには子作りと唆す友達もそのパパも皆さん利己的で清々しい。メロドラマの形式を取りつつも全く感情移入できないファスビンダー映画も彷彿とする乾い>>続きを読む

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

3.0

西プロイセン、ナチスドイツ、ポーランド、そしてその力関係の中で一時的に生まれた自由都市ダンツィヒ。この状況下でそれぞれ異なるルーツを持つ配役は歴史のお勉強になる。主観語り原作なので映像はカオティックな>>続きを読む

タッチ・ミー・ノット~ローラと秘密のカウンセリング~(2018年製作の映画)

4.0

映画内映画であり虚構もあり記録映像もあり…普通はあぁそういう効果を狙ってるのね、となりそうな所を円やかな繋ぎで溶け込ませてある(とはいえ現代アート的なものではぐらかされている気にもなる)。『はちどり』>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.0

聖水大橋の崩壊は90年代以前からの韓国軍事政権の虚栄や構造的矛盾の象徴のようで、それは家父長制体現親父とも重なる。ただ親父、兄貴、彼氏未満男子など男性の描かれ方は批難対象ではなく彼らも彼らなりの弱みを>>続きを読む

プリズン・サークル(2019年製作の映画)

5.0

人の生は時代、場所、環境が運に委ねられている以上、自分も事によっては受刑者側になっていたかも分からず別世界の話とは思わない。今回の七藝でのトークには傷害致死罪で出演の出所者の方ご本人が参加され一層心動>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.5

ホラーでもないのに無茶苦茶気味が悪い。内面をテーマにしつつも西部デザート地帯の様に乾き切った客観性が効いており所謂ナラティブな映画とは一線を画す。「入れ替わっても判らない」とピンキーが言う双子も示唆的>>続きを読む

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