レイ・ウィンストンの精神摩耗っぷりがドンマイとしか言いようがない。トム・サイズモアでも良い画になりそう。これでもかってくらい人と人の映画。ミニマルな90年代っぽい空気が好み
提示される断片のみから推し量らねばならないうえでその情報量がなんたって絶妙。両者のこれからの人生のコントラストが強烈すぎて観てるこっちが咽び泣きたくなってくる。あの日湖の上で交わされた何気ない言葉が、>>続きを読む
だいぶ期待値を上げて臨んだにもかかわらずそれを越えてくれた。ちゃんと抉ってくるし、ちゃんと包んでくれる。人物造形とレトリックの相互作用による映画的興奮。坂本龍一の援護射撃がとても、とても、優しかった
ジャンヌ・ディエルマンと対置される饒舌さに起因した妄執が最初から最後までホラーじみてて多分1回もまばたきしないで観てた。実質ずっとセックス映画。演者に絶妙なラインを右往左往させるアルトマンの変態性炸裂
世界が急速に歴史を刻み続けるなかで土着的かつ寓話然とした叙述は、フドイナザーロフはやっぱり最後までフドイナザーロフであったと再認識させてくれる
カサヴェテスへの目配せが過ぎるがゆえに没個性的な印象も受けたけど目撃してきた人間にしか撮れない日常がそこにあったのも事実なわけで自分としてはそちらに重きを置きたい。『アウト・オブ・ブルー』に出てきても>>続きを読む
他者への献身によって僥倖を得ていく姿がとりわけ辛辣でよかった。光石研のクズっぷりが先行しがちな描写だけども、自分からすれば登場人物ほぼ全員クズ。チャカの出てこないアウトレイジみたいなもんだと思いながら>>続きを読む
父権主義を具現化した様なヤン・ノヴィツキのパフォーマンスがなかなか振り切っててすごい。『砂時計』でも思ったけどやっぱりロイ・シャイダーに似てる笑。観る者を終始鼓吹するリリ・モノリの「恥じていないだけ」>>続きを読む
ダイアリー形式で省略を恐れずに紡いでみせる野心に慄く。インサートされるアーカイブ映像とカラスの群れがおおよその終着点を想像させ続け不穏極まりない。絶望を宣告する赤ん坊の産声
まるで『不良少女モニカ』の前日譚のような。初対面で家に上がり込んでみたり不倫相手を家族に紹介してみたりといったパーソナルスペースの侵食っぷり。50年を経て結婚や子供を持つ事への価値基準を揺さぶってきつ>>続きを読む
冒頭の回想ブライアンで爆泣。終盤のサプライズ登場2連発で思わず変な声出してしまった。まさにお祭り騒ぎ。残すは1作か、2作かが気になって夜しか眠れない
すごい。表情の映画。ラストのホームで各々が「自分が一番良い顔してるだろ?」みたいな演技の応酬たまんない。その直後に小沢栄太郎のしたり顔!
ラストシーンが先行して美談みたいなってるけど個人的にはなかなかの鬱映画。免罪符を得ようとするかの様な贖罪行脚もキツい。2匹を剥製にするところまでやったらよかったのに
高校生編と大学生編、あわせて45分くらい。演者も背景も魅力的。煮物のタイミングが絶妙すぎて腹筋崩壊
Cosmo is a good dog!
オリヴィア・コールマンのために技師のトビー・ジョーンズが『BEING THERE』をセレクトする。もう正解でしかなくてこの場面が個人的ハイライト
伏線回収の手際の良さも手伝って、コンプラのコの字も感じさせない猛進っぷりがなかなか痛快。おまえが轢いたんかーい、っていうね
不寛容が蔓延る世の中への警鐘という側面もあったりなかったりするんで、このタイミングでの上映はより深い意味があったりするんかしら。何はともあれここまで解像度をあげてくれた事にまずは感謝。 Tシャツ買えな>>続きを読む
芦田紳介の背景がなかなか可視化されてこず、吉行和子と同じポジションで顛末に翻弄されることとなる体感型ノワール
映像と音のコラージュに傾倒していく80年代ゴダール。構図よし、毎秒フォトジェニック。ミリアム・ルーセルを最も神々しく記録した作品
追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭
ロバの身上を通して社会様相の断面図を切り貼りする手法はまあ飽きがこないっちゃこないし、画面が無機質なもので覆われる瞬間なんかはついハッとさせられる。ただ自分がこのラインで「欲しい」っていうところを必ず>>続きを読む
いやはや素晴らしい。終始鎮座する“山”という存在が解釈次第で主役になり得る。人間を時に歓迎し時に拒絶するその表情の豊かさといったらもうね…。隔絶されたこの地で不変の真理が乱反射している
荒唐無稽なギミックは一周まわって依存性あり。灰皿多すぎるくだりはあほすぎて腹筋崩壊
寺山版『O嬢の物語』。刹那的。山口小夜子、高橋ひとみといった配役にあがるんだけどクラキンの顔面圧もなかなか強烈。さほど面白くないものの時代をカプセル化という点では異彩を放つ
再鑑賞。マジキチラスト。多様性だの何だの言われてる昨今の社会が思いっきり転覆しててなかなかブラック。ついに2024年が来てしまうんですね
なんと言っても台詞量。これ以上多くても少なくても自分の琴線に触れることはなかった。死地へと出向く一日が始まる。歯磨き洗顔をし、ゴミを捨て、トボトボ歩く、喉も渇くし腹も減る。そんな日常すなわち本能の長回>>続きを読む
古着と飯と酒という鉄板コーデ。映画という媒体の是非はありそうだけどいかにもと言ったノリだったので来てた人全員ゴタガレ民だと思う。パラブーツ女子は正義
医療版アベンジャーズ。全俺が泣いた。相変わらず精神漂白作用のすごいこと。なんなら二手先まで容易に想像できてしまうんだけど民放ドラマの延長だしそれでいいのよ。全員がちゃんとファインプレーを見せる配慮も嬉>>続きを読む
この作品のおかげでずっとウド・キアーきもいってイメージを抱き続けちゃって申し訳なさで一杯だったわけだけど、今回改めて観直してその思いを一層強くするのであった
トリの一挙手一投足によって画面に不吉な空気が充満する。こういうところは相変わらず上手い。でもダルデンヌ兄弟がああいう結末を提示するとどうも安直に見えてしまうのも確か。別のアプローチもあったのでは