ASさんの映画レビュー・感想・評価

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都会の女(1930年製作の映画)

4.4

宇宙一美しい『サンライズ』の変奏。麦畑での映像処理を拝めただけでも大満足なんだけど、何よりケイトが性差による犠牲者とならずに済んだ事に安堵し涙した。

素晴らしきサイレント映画Ⅲ@シネマヴェーラ

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.4

観る者への大胆な挑戦状。
いつしか均衡崩れる真実と嘘、善と悪の二項対立。人は何を以て「正しい」とすべきなのか。これからも自分は、そんな答え無き問いを反芻し続けながら生きていくのかな。
一瞬たりとも陳腐
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アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

4.4

『ヴォウィン』における民族虐殺の実相を想起させ、『ウェルカム・トゥ・サラエボ』より更に深い階層へと足を踏み入れているであろう重要作。
私的な救出譚へと舵を切りっ放しになっていればおそらくは落胆していた
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ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

4.0

平面的なタッチに反して立体的に立ち上がってくる造形の奥深さ。極私的な旅路というシンプルな骨格の物語だから、単純に「やった、あった!」っていうリアクションのみで構わないんだと、それで正しいんだと思いまし>>続きを読む

Rocks/ロックス(2019年製作の映画)

4.4

多民族社会の縮図を投影した学校という舞台装置が寛容/不寛容の発生源として稼働し、それがまた周辺社会にハレーションを生じさせていくごく当たり前の構図が簡素で力強い。
何も悪い事はしていないのに、手からす
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.6

有村架純が『自由が丘で』12/17(水)17:45の回、菅田将暉が『毛皮のヴィーナス』12/22(月)15:25の回の半券をしおりに使ってました!

25時(1967年製作の映画)

4.4

紛うことなき傑作。
アンソニー・クインでしか体現し得ない戦時下の悲喜劇、いやこれはもう悲劇でしかない(ちんこ見せるところはさすがに笑ったけども)。ラストのあの表情が網膜に焼き付いて消えません…

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.4

予言します。コロナ落ち着いたら都内で【血中アルコール濃度0.05%上映】開催されます

ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)

3.8

セルフポートレイト的な手法が受難の中でも親しみを帯びさせ、たとえ平坦な時間帯でもその吸引力を維持する。不釣り合いともとれるサウンドデザインはまるで母国の抑圧に対するアンサーのよう。関連作として『シリア>>続きを読む

ウォーデン 消えた死刑囚(2019年製作の映画)

3.6

所長の心情変化がもう少し緻密に描写されていれば更に評価されたんでしょうが…そこは想像で補いながら鑑賞。
正義と正義の衝突における、どちらにも肩入れさせないフラットな視座が好印象なスルメ映画

水俣一揆-一生を問う人々-(1973年製作の映画)

4.0

『水俣』の総会場面から地続きの闘争の光景。記録である以前に証拠として機能するカメラ。編集が見事。企業体力が限られてるから無い袖はどうしても振れない。激昂する交渉団との摩擦が凄まじい。終盤はもはや対話の>>続きを読む

水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)

4.6

167分完全版を鑑賞。
方言の強さからその言葉が聞き取れなくとも、胎児性患者が何を伝えたいのか理解できなくとも被害者らの喜怒哀楽は十二分に伝わる。安易に字幕をつけようものならこの作品の存在意義は一瞬に
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デューン/スーパープレミアム[砂の惑星・特別篇](1994年製作の映画)

3.4

劇場公開版を昔に鑑賞したきり。ランタイムが190分になって更にカオス。何やってんの?の連続でやや困惑。
随所のディテール、キャスティングの無国籍感、劇伴が異様なのでそこまで嫌いにはなれないけども

秘密の儀式(1968年製作の映画)

4.2

最初の会話を交わすまでそこそこ尺使ってて素敵。異分子ミア・ファロー界隈の白を強調した画面設計のえも言われぬ艶やかさ。異端者ロバート・ミッチャムのなんとも形容し難い存在感。色々と不穏でしかない

離れの客とお母さん(1961年製作の映画)

3.8

現代人ではなかなか親しみが持てなかったりする古典的感情の交錯。家政婦カッポーの腹蔵無い関係性、演技達者な娘の明朗快活さでサンド状態のお母ちゃん…その慎みは見事に作品に温存されている

寄席芸人(1960年製作の映画)

4.0

端正な印象とはかけ離れまくりなL・オリヴィエの下衆さが一周まわって面白おかしく滋味に富んだ味わい。それでいて文化芸術は生きる上でどちらの側にとっても必要不可欠であるという声明的側面

クレイジー・ワールド(2019年製作の映画)

4.2

今回の特集ではこれがベスト。回を重ねるごとに洗練されている。純真無垢な子供vs悪漢というシンプルな構図が無条件で楽しいし、トリプル親子の再会なんてもはや愛以外の何物でもない。わけわからんインターミッシ>>続きを読む

誰がキャプテン・アレックスを殺したか(2010年製作の映画)

3.8

阿鼻叫喚の地獄絵図。ポンコツオーラ醸し出してた赤服がそこそこ無双してて笑う

エクストリーム!アフリカン・ムービー・フェスティバル@新宿ピカデリー

シッダールタ(1972年製作の映画)

4.0

答えなき長旅路を通して、観ているこちらに苦行を追体験させていく仕様。ベッドシーンで睡魔が吹っ飛び悟りを開いて以降、たゆたう川の流れに身を委ねる様に精神は同化を為していく。
探求を止めよ。共に愛を学ぼう
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くじらびと(2021年製作の映画)

4.4

喪失を経験しても尚豊かさというものを慎ましく語り続ける画面強度の異常さ。連綿と継承されてきた運命共同体の質朴な生活風景と、複数の機材を駆使したヴィヴィッドな漁風景といったコントラストも魅力的。
あんな
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バッド・ブラック(2016年製作の映画)

4.0

資本が無いなら着想と熱量で勝負。豊富な運動量を得ての痛快活劇、時に社会実相をぶちまけつつ予想外の着地に感情が追い付かない

エクストリーム!アフリカン・ムービー・フェスティバル@新宿ピカデリー

アルプス(2011年製作の映画)

4.0

カルミナ・ブラーナでの幕開けに胸踊り、珍妙な情景の羅列によって叙述される初期のクセつよランティモスを存分に堪能。『籠の中の乙女』との共通分母多し。エゴイズムとパフォーマンスについて

アワ・ボディ(2018年製作の映画)

3.8

早々に一方がフェードアウトしてしまうが終始そこに存在している確かな残像。
軌道修正をはかるべく目先の人生を突き進むことと走るというアクションの持つ意味が対極的に感じる瞬間もあれば、横たわる強迫観念めい
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オールド(2021年製作の映画)

3.8

ケン・レオンが合流してからの『LOST』っぽさが嬉しい。
原案ありきな事もあってか確かに安定感はある。でもシャマランにはどんなにコケてもオリジナル物を観せてほしい。むしろそれで豪快にズッコケてくれない
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クルエラ(2021年製作の映画)

4.0

スタイリッシュでファッショナブルで外連味たっぷり隙無し。クルエラ界隈のドレッシーな攻防戦もさることながら、個人的には男二人の衣装がツボ。リチャード・ジュエルの人だったんだ

リサと悪魔(1973年製作の映画)

3.8

バーヴァの様式美が炸裂してるのはやっぱこっち。導入部の白昼夢みたいな場面からカット入っていきなり夜に変わるくだりが不穏でよき。真に恐ろしいのは何もかもが無機質であること

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

4.0

ハンが東京編のRX-7と同カラーの90スープラ走らせてくるところで大興奮。隣にはミア。ほんの一瞬だけハンがブライアンに見えた。
そしてファミリーの元へ駆けつける一台の車。青のGT-R…。涙腺崩壊不可避

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.2

鈴木亮平に依存し過ぎててさすがにちょっと観てられないけど、中村獅童つかって水ダウの説検証するとこ好き

ラビッド・ドッグス(1974年製作の映画)

3.8

汗、汗、血の映画。
専売特許ジャーロものともリンクしてくるニューロティックな着地に悶絶。バーヴァはやはり変態だった(褒め言葉)

愛のように感じた(2013年製作の映画)

3.8

初期衝動超凝縮案件。
現在の自分では少女の心がまるで透けて見えてこないので記憶を手繰り寄せて同じ高さの目線からも見てみたのだけれど一向に変わらない。常に疑問符が付き纏い不快感にも似た感情が蓄積されてい
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

ライトな原作の大胆不敵な換骨奪胎。通底する対話という要素が濱口監督と相性良し。いなしどころの無い苦しみを三浦透子の母子関係と共振させ、そしてチェーホフの筆致とも接続させながら再構築。正しく傷つく事、そ>>続きを読む

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