経年変化さんの映画レビュー・感想・評価

経年変化

経年変化

メメント(2000年製作の映画)

4.2

リバイバル上映。濃厚ノーラン汁、建て付けの勝利。初めて観た時よりだいぶ解像度が上がったんですこぶる楽しめたと同時に、より心の深淵に触れた気がして静かに絶望してる。「I’ve done it」

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.0

献身こそ至高の愛。うねりの果てに共依存の関係を築き上げちゃってる二人に嫉妬してしまったことは内緒。なんだか皮肉めいていてその実究極のハッピーエンド。お幸せに!

辰巳(2023年製作の映画)

3.8

紋切型のプロットながらメンツが絶対の世界で“私情”が物語の推進力となっている点は時代に逆行している様で興味深いし、歯車が歯車で居られなくなる男の悲哀もそれなりに描かれてた。最初に感じた各々人物造形への>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.8

見聞きしたことのない様な不幸の連鎖にタップ寸前まで打ちのめされるか、己の命を賭して家長からフォールをとりにいく戦いと捉えつつそこにトドメを刺す意外な人物にブチ上がるか。後者とは美味い酒が飲めそうです。>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.6

見事な換骨奪胎。奇妙な舞台装置と最小限の演者のみで構築された異世界じみた空間をシームレスに往来する手捌き。しこりを抱えて生きてきた主人公が魂の救済者へと変容していく様相は嬉しい驚きだったし、これをYO>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.8

如何にもサブスクで8話前後で構成されそうな質感なんだけどちゃんとベストの尺がわかってるから間延びせずに疾走感が維持できる。全方位敵味方判別不可能っていう状況作りの上手さも大きく寄与。新車ベンツ…ドンマ>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

原作未読で?の部分が多いままなんですけども5末までこんな状態でお預けくらうんか?うああああ

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.0

睨んだ通りに話は進行するんだけどちゃんと巧い。必要悪ならぬ必要悪魔、これで民は救われるんやで〜っていうけしからん極論に思わず膝を打った。『ローグ·ワン』ばりの痛快リレーション+α、ラストのαの部分は今>>続きを読む

戦雲 いくさふむ(2024年製作の映画)

3.8

蹂躙·黙殺される辺境離島の住民、古くからそこに根付いてきた生活と文化。自分の知らない光景がこの映画には数多くあった。そう遠くない未来への警鐘を打ち鳴らす重要作。メディアはそれらを一向に取り上げないのだ>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

4.2

絶対寝ちゃうかと思ってたけど、狭い画角で人間とカメラを絶えず運動させるコントラストが眠気を覚ます覚ます。God/Dogを経て、Vanskabte Land/Volaða Landを突き付ける筆致は静謐>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.0

またみんなで集まってBBQしようぜーみたいなノリで現地解散するアタオカ連中ありがとう。小峠死刑ドッキリみたいな導入部から、クスリ·SEXの掛け算でノエ畑まで横断してて色々楽しい。親父さん譲りの人体破壊>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

物理学300年の集大成が大量殺戮兵器なのか?に対する作り手からの3時間に及ぶ返答。主観/客観がもたらす追体験はある種の誠実さを実感させてくれた。原爆というセンシティブなワードだけが一人歩きしてしまった>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.8

カメラという声を入手したナン·ゴールディンの言葉が作品の下支えになっているという点でこの言語量の多さは歓迎でしかない。喪失を共通分母とした人々の表現力と影響力。「オキシコンチンでつながっている」という>>続きを読む

ホワイト・マテリアル(2009年製作の映画)

3.8

唐突に異分子化する息子界隈の描写には興を削がれたが、地を這う様な目線で描かれる支配·搾取への抵抗は緊張をはらんでいてよかった。アフリカでフットワーク軽めに立ち回るユペ様を拝めたので満足です

殺したのは誰だ(1957年製作の映画)

4.0

戦後10年の虚無と退廃を地で行くような気の滅入る話。最初から最後までずっと金金金。配役がどんぴしゃなんで説得力が増す。チラッと現れる伊藤忠グループの車がにくい

狙われた男(1956年製作の映画)

3.6

サクッと楽しめる佳編。殿山泰司がおいしいところをもっていく笑

ファルハ(2021年製作の映画)

3.8

ファルハを介して我々も歴史の目撃者となるといったシンプルかつ効果絶大なアプローチには唸ったものの、当時のアラブ社会における女性の立ち位置の模索という副主題が半ば衝動の様にしか感じられない点には不満も

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.8

三者三様の情景を切り取りつつもやはり主役はこの街なんだと思った。記憶と記録を交錯させながらそれを立体化せんとする緻密作業に好印象。なかなかにリヴェットとの親和性を感じさせるが個人的には佐藤泰志の『海炭>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

2時間ちょっと耐えれば最後にご褒美みたいな30分間が待っている。完璧なラストショットに震えながら涙した

プレーザ(2022年製作の映画)

3.2

最後の写真が一番胸にこたえる。でも映画としてそれじゃ不十分だとも感じる。社会病理を抉るものとしては機能しているけど作劇があまりにも予定調和。字幕が斬新

季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

3.8

誰が撮ってもウェルメイドな仕上がりが約束されるであろう極私的回想を、なにもシュミットがやらなくてもいいんじゃ…っていうのが率直な感想。でもやっぱりそれなりに没入できちゃう。短尺も有難い。ご馳走さまでし>>続きを読む

メイズ・ランナー:最期の迷宮(2018年製作の映画)

3.4

予算爆増のわりには個に焦点を合わせすぎてこじんまりとした印象。大局的視野での総括を求める自分もいたが、もしかしたらこの物語はこれでいいのかもしれない

メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年製作の映画)

3.2

追う/追われるに終始した結果スピード感は増したとして、シチュエーションやギミックで楽しませてくれた前作のストロングポイントは鳴りを潜める結果に。なんも知らんかったので唐突なリリ・テイラー&バリー・ペッ>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

4.0

なかなかの勢いで車に跳ねられてゴロンゴロン転がったあとのクルクルベッドの画ヅラが反則。今回は柄シャツとグッチマンにコメディリリーフとして楽しませてもらったんだけど、ミッドクレジットの案件じみたグッチマ>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.8

これは好調時ガイ・リッチー。やっとこさ逃げ切って家族のもとへ帰ったところでTHE ENDイイハナシダナーとなりそうなもんだけど、そこを中間地点にもってきちゃうてんこ盛り精神にあがる。ちゃんと120分>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

落下時というよりは落下前夜のあれこれを解析してみせる脚本の映画。確かに強烈な体験ではある。

今、電車で、目の前の夫婦が笑顔で会話をしている

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

4.0

『カジノ』きっかけソン・ソック推し。マさんどんどん強くなっとる…笑

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.6

たぶん人生2度目の鑑賞。男性&女性の逃避行モノという轍の上を女性2人で猛進する作劇には現代女性の原動力になり得る熱量がある。スーパーバックからのS・サランドン「満タン」が最高にクールで、ワンコ真似G・>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

4.6

前後左右へと空間を押し広げんばかりに演者・カメラが運動するタルコフスキーの真骨頂。自身の離郷に対する哀傷を投影させつつそう遠くない未来さえも予見する。圧縮され宙吊りになったままの郷愁の念…私映画の極北

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.0

ちょっと待って1回ここで落ち着いてボーかボウどっちでいくかみんなで話し合お

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

ヘビーな『薬屋のひとりごと』。中盤で表題の意味がわかると同時に真っ暗な映画館で観ないと絶対だめなやつじゃんとなること請け合いな外連味たっぷり良質エンタメ

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